住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

もうひとつの庭

2009-08-18 17:14:50 | 日影の庭
(通り庭エリア)

8月18日より立秋も終盤。 第39候 蒙霧升降(もうむしょうごう) 深い霧が立ち込める。。「蒙霧」とは、まとわりつくように立ちこめる濃い霧をいうそうです。転じて心の晴れないこと。春の場合は霞(かすみ)、夜になると霞は朧(おぼろ)と呼ばれます。

通り庭エリアの土間に映る植物です。真中の一番近くにあるのは常盤鳴子百合、その右上に山紅葉、その背景の下(上?)の方には椚(クヌギ)の木も見えます。おっと、右下には魚サン(漁師サンダル)を履いた私の足が映ってしまった。

障子に映し出す草木の影を愛でるように、床に映る景色を楽しむのもまた一興。。我家の5つの庭に加わった”もうひとつの庭” 想像の庭だから広さの設定は自由!

常盤鳴子百合(トキワナルコユリ):ユリ科 山地の林下に生える多年草。葉のわきから出る花柄は枝分れし,その先に緑白色の長さ 2 センチくらいの筒状の花を 3 ~ 5 個つけます。この様を鳴子に見立てた名前です。以上が鳴子百合。常盤はその常緑種。一年を通して緑があり、育てやすく、日影の庭にも植えられる我家ではオールマイティー的で便利な植物。

=戸田晃建築設計事務所=




擬宝珠

2009-07-01 01:20:25 | 日影の庭
(6/30 沼エリアにて)

我家の日陰の庭に欠かせない山野草のひとつにこの擬宝珠(ギボウシ)がある。ガーデン好きの人にはHosta(ホスタ)の名前で知られているかも知れない。シーボルトらによってヨーロッパに紹介されて、近年ではオランダで交配され、日本でもブームになり、日本に逆輸入されたのものの総称が「ホスタ」であった。

擬宝珠は、花の形が橋の欄干のてっぺんにある、たまねぎを逆さにしたような(銅か何かで出来ている)装飾物に似ている事からついた名前といわれる。古くは江戸時代から園芸品種として存在し、また食用としても知られている。

この擬宝珠(写真)はことのほか小さい。葉っぱは2cmぐらいで、花茎は11cm足らず。背景の黒竜の花と比べても、その小ささはお解りであろう。はっきりとした種類はもう忘れました。植えたかさえもよく解らなくなってきました。我家では「苦しい時の擬宝珠ちゃん」といっているぐらい、日陰の庭にも、大きな木の根元にも使えるオールマイティーな存在。我家には解るだけで6種類ほど植えてある。
 ただし、冬は休眠して地上からは姿を消してしまうので、景色作りには困ってしまう。

擬宝珠(ギボウシ):ユリ科(APG植物分類体系ではリュウゼツラン科に入れる)の多年草、ギボウシ属(Hosta)の総称である。山間の湿地などに自生し、また花が美しく日陰でもよく育つため栽培される。花言葉は「落ち着き」「沈静」「静かな人」。

=戸田晃建築設計事務所=