住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

芸者という名の「虫」

2009-06-29 14:55:42 | 昆虫
(露地エリア)

先週の6月26日は第29候 菖蒲華(しょうぶはなさく) であった。我家の菖蒲の開花は2週間強早かった。本日は「上弦の月」「小潮」

この時期、我家の露地エリアの道路側入り口付近にある、ブナの木の枝や葉に白いものが付着している。去年同じ頃に発生し、可能な限り取り除き、焼却したが、今年もまた同じ。白いふわふわしたものがうごめいている。これはアオバハゴロモの幼虫である。よく見ると、白い綿状のものをまとった虫で、まるで綿が歩いている感じ。。隠れようとしているか解らないが、思いっきり目立っている。それはまるで「私を見て!」と言っているようにさえ思える。学名は、Geisha distinctissima WALKER「ゲイシャ」と呼ばれているところからすると、やはり外国人の目にも「きれい」という印象だったのでしょうか?

成虫も薄緑色の美しい昆虫であるが、植物の茎から汁を吸って育つらしいので、「きれい」といってばかりもいられない。

青羽羽衣(アオバハゴロモ):カメムシ目ヨコバイ亜目アオバハゴロモ科(Flatidae)に属する昆虫である。薄緑色の美しい昆虫だが、一部植物の害虫としても知られる



Japanese Auchenorrhynchaさまの写真はお見事。
http://www.ne.jp/asahi/rhyncha/index/html4/0382.html

=戸田晃建築設計事務所=



スケッチ-1

2009-06-24 23:47:14 | 建築

(先日竣工した住宅の初期スケッチ)
私の場合建物の設計をする時、最初の段階ではイメージスケッチや落書きを多くします。それは手を動かしているうちに形が見えて来るという理由もありますが、早い段階ではあまり細部を限定しすぎず、ある意味どっちとも取れるような表現をする事によって、施主も設計者も、イメージが広がっていければとの思いからです。
CADにはない曖昧さが大事な事もあるんです。。そういっている私もCADなんですが・・・

外から見た内、内から見た外を空想の中で行ったり来たりしながら、外と内の程よい関係を探してゆく。そのために、私の場合建物同様、外構スケッチもなくてはならないものなんです。

CAD(キャド Computer Aided Design):コンピュータ支援設計

=戸田晃建築設計事務所=

立葵

2009-06-23 23:06:09 | よその庭
 (サザンビーチにて)
生まれも育ちも八王子の私にとって、「海」は好きというより、憧れに近い感情がある。

先週の日曜日(6/13)、家族で誰からともなく「暇だね~。どっかいこうかあ?」と、しばらくたって「どこいく~」との応答。そんなやり取りが何回か続くき、結局は近所の散歩だったりする事がしばし。
さすがに行きたい気持ちが強くなってくると、ちょっと具体的な場所を口にして臨場感?を出す。具体的といっても、大体出てくる言葉が、「海」か「山」か「動物園」か「公園」という言葉だけで、具体的な場所はいっこうに出てこない。前もって調べ上げて・計画して・予約して・・・が出来ない家族はこんなもんである。

この日は思い切って梅雨のじめじめを吹き飛ばすべく、ちょっと強い意志で私が「海に行こう!」といってひとりそそくさと車に乗り込み、残り2人もそんなに言うのなら・・といった感じで車に乗り込んだ。走り初めてしばらくして妻が「で、どこいくの~」と。。。「さあ、どこの海に行こう・・・」と私。相変わらずなのである。

そんな我家のダラダラな休日の事はよいとして、八王子から国道16号で橋本まで行き、そこから国道129号線片側2車線の広々とした開放感のある道路をまっすぐ南下すると平塚の海に突き当たるんです。時間でいうと1時間強。私の中では若い頃から海と言ったら平塚でした。といっても海釣りもサーフィンもしない我家では、特に何ができるという場所ではない。何も出来ないから単純にボーとできるというわけ。

写真はちょっと足を伸ばして行った茅ヶ崎のサザンビーチで撮った立葵(たちあおい)。実は私はこの花はあまり好きではありませんでした。大きいものになると3mくらいになるその姿と形が、私には大味に思えて、色も綺麗というよりもハデ過ぎるという感覚だ。しかし、浜辺でその花を見ると、景色と相まってか悪くない。いやむしろしっくりくる。それもそのはず、立葵はハイビスカスの仲間である。そして空に向かって真直ぐに立つ大きなこの花は、梅雨との関わりのある花でもあった。立葵が咲き出すと梅雨入り、一番上の花が咲けば梅雨明けと言わている。

そんな事聞くと、どんどん伸びろ!と応援したくなったりするから、人間なんて都合の良いモノである。

あっ、それから浜辺で白と赤のツートンにペイントされた流木を拾った。「これはラッキー!!」と家に持ち帰り次の日見てみると、なんだか工事現場で拾ったただの端材にしか見えない・・・

そう、立葵と同じ、見る場所・見る気分によって違って見えるのである・・そして近所の空き地であらためて見た立葵は、「う~~ん、やっぱり・・・」であった。

立葵(たちあおい):。葵(あおい)科。多年草(2年草)。初夏の花ですこぼれた種子も芽を出すので,庭先などに群生して咲いている様子はみごとです。学名 のひとつにrosea:バラのような がある。
日本には、古くから薬用として渡来したといわれている。

=戸田晃建築設計事務所=

靫草

2009-06-22 18:28:58 | 
(我家の靫草は蕾の状態/小川エリア)
昨日6月21日(日)は夏至-太陽が夏至点を通過する時。北半球では太陽に位置が最も高くなり、昼が一番長くなる。
72候 第28候 乃東枯 なつくさかるる  「乃東」は夏枯草(カコソウ)の古名で「ウツボ草」のこと。冬至のころ芽を出し夏至のころに枯れる。

(鉄を切って・曲げて・穴をあけ、そして溶接して、棚受けと傘掛けを作りました)
かねてより念願だった溶接塾に参加しました。Houseの増満さんの紹介だったのですが、ここがまたいい。この分だと家に溶接機が来るのもそう遠い未来ではなさそうです。塾長はじめ、増満さん、みなさん、楽しいひと時をありがとうございました。

そして余談ですが、今回紹介してもらい、同行までしてもらったマスミツケンタロウさんが主宰する「house」の生み出す靴・鞄の革のモノ、真鍮金具や鉄脚の椅子・テーブルなど木と金属のモノなど、一種ジャンルをこえた工程や素材で作られた道具たちがすごく良いんです。生活を楽しんでいる人しか作れないモノがそこにある気がします。そして何より扱う素材に愛着が感じられます。つまり私はHouseのモノが好きなんです。
ハウス
http://www.house-jp.org/
(一本だけある菖蒲が咲きました/6月13日 沼エリア)

靫草(ウツボクサ):シソ科多年草。日当たりの好い路地や原野に見られる。
花穂の形態が矢を入れる道具「靫(うつぼ)」に似ているから「靫草」の名。花穂が褐色に変色 草全体が緑豊かで、枯れたように見える。この様子から「夏に枯れた草」との意味で、「夏枯草」と呼ばれる。

消炎性の利尿剤として、腎臓炎、膀胱炎、血圧降下作用抗菌作用、口内炎、扁桃炎に煎じてうがい、又は、薄めて、飲む。

=戸田晃建築設計事務所=

動線

2009-06-18 03:38:36 | 建築
(引渡し前の住宅)

住宅をはじめとする建物にはそれを利用する人などが、自然に動く時に通ると思われる経路を線で表し計画する「動線計画」が、住宅の骨格を左右する大事な要素となる。

上の写真は、一番奥の外部より散歩から帰って来て、土などがついた足を、犬走りまで伸ばしたシャワーできれいにして土間に入り、汚れたものをトイレに捨てて、そのままさらに写真手前の土間や、ドアで隠れて見えないが、左側の土間の室へも行けるプランになっている。
土のついた足?犬走りでシャワー??そう、人間でなくペットの話である。言うなれば「ペット動線」とでもいいましょうか?ペットの場合、上記動線に加え、突き当たりがなく、立ち止まる事なく回遊できる、子供が喜ぶ「回転動線」に近い要素もまた必要に感じた。その他諸々、予測が難しい事がいろいろあったな~

建築の教科書で習った事もない「動線」に触れた時、生活の多様化を実感する。
それぞれの住宅にはそれぞれの動線がある。それこそ「住人十動線」だ。(あっ違う番組かっ)


=戸田晃建築設計事務所=