銅一文字葺き
銅を薄くした板から屋根を葺きます
定尺の板からの裁断の仕方によって呼び名が変わります。一枚の板の四隅を折り曲げて、それぞれつなぎ合わせて、掴み込んで連結していきます
一枚の平板から手作業で部品を作り、つなぎ合わせてゆく手仕事です
施工当初はご覧の通り赤橙色で光沢があります(養生のブルーシートの映り込みが激しいですが)
経年で、ツヤがなくなり赤みが濃くなり→褐色→黒褐色→緑青色と変化していきます
銅板は酸化物の為酸化「緑青」ですが、これは鉄の錆とは違い、劣化を防ぐ効果のある皮膜です。
古くは765年にも使われた記録があるとされるこの素材、本格的に使われるのは江戸時代から。日本の風土にあった屋根材なのかもしれません
今回の設計では屋根の樋を無くし、大小さまざまな曲線で軒先を絞り込みました。職人技があってこその現場の模様です