住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

父にもらったもの

2011-03-30 03:12:50 | 我が家の庭


寒葵の新芽とつぼみです。
地べたに ごろん としているのがつぼみです。

生前、父にもらった名前の解らない草。何しろこの寒葵は100種類以上あるので、種類を特定するのは難しいのです。

「おやじ~名前書いておいてくれよ~」


とか思いながら、事務所のソファーでうたた寝をしていたら、亡くなった父が夢に出てきました。

一生懸命、植木鉢の植え替えをしている父。
「土をいじっているとかっこいいね~」
私が言うと
「そうか!」と嬉しそうに答えた父。
土交じりのごつごつした手を触ると暖かかった。

満足そうな父の笑顔。

ちなみにお彼岸の中日である春分の日、真西に沈む太陽は極楽の東門に入る事から、沈む太陽を拝む事は、極楽浄土に通ずる一本の道を拝む事。
だからこの日に故人の霊を供養すると、迷わず極楽浄土に成仏できると言うわけ。

ガソリンが買えなくて墓参りがちょっと遅くなっちゃったけど
「おやじ、ちゃんと彼岸に行ってるみたいだね」

今回の地震と津波の被災地で、津波に流されずに海岸付近で一本だけ残った松の木や、花をつけた梅の木がニュースで流れました。
被災者の気持ちは計り知れないけれど、植物には人を勇気づけてくれたり、暖かな気持にさせる力があると感じます。

「自然をたたえ、生物をいつくしむ 」

法律で定めた「春分の日」の定義らしいが、いつもと違う響きのある言葉に感じた。

=戸田晃建築設計事務所=

停電

2011-03-25 16:07:58 | 我が家の庭


朝のニュースで、「本日の計画停電はは第二グループのみ実施いたします」  あっ、うちだ!
こんな世の中だから、協力できる事は何でもします。
また震災復興について何かできる事はないか?仲間といろいろ模索しています。

我が家のグループでの夕方から夜にかけての停電は今回2度目。薄明るい夜に慣れてる自分たちにとっての「真っ暗闇」は一種異様な光景に写りました。と同時にいかに電気に頼っていたか・・・いろいろ考えさせられます。

どんなにデジタルが進歩しても、電気がなければ何にもできない。

携帯は全然繋がらない。一般の電話でも通話自体電気がなくては使えない。ただ話しをする事さえできないのだ。

そこで冒頭のアナログ電話。たまたま好きで持っていたものでありますが、停電中でも会話が出来るすぐれもの。

これはほんの一例ですが、デジタルとアナログの共存って他にもっとあると思う。



春の到来を告げてくれた雪割草もピークを過ぎようとしている頃



一方では岩八つ手がぐんぐん茎をのばし、蕾を付け、



こんな感じに、

ところで岩に”付く”から、「岩八つ手」

漢字だと”憑く”感じか?



遅れて葉っぱが開く。

葉っぱの形-八つ手でしょう~



そして共演!

雪割草の向こうに岩八つ手

そんな繰り返しがますます目白押しな我が庭。



今度は八つ手の開花です。

地面の上で人間があたふたしているさなか。

地面の下では去年と同じように、そして確実にうごめいています。

春の中間点を過ぎ、清らかに明るい季節が訪れてほしいと祈る そんな季節。

=戸田晃建築設計事務所=

門出

2011-03-08 23:26:18 | 生活のアイテム


今年の1月の事。私の愛車であるイタルジェットの調子が悪いので、私の仕事仲間ともいうべきガスリーズハウスの塩見さんのところにドック入り。

と、言っても、塩見さんに直してもらうのではなく、いろいろと教えてもらいながら自分自身でエンジンを降ろしたり、いじったりしていた。



この1月でこの店も終わり、バイク弄りを通し、この空間での最後のひとときを味わった。

いつもそこにある!
それがなくなるってどうゆう事なんだろう?



結局、色々と考えたあげく、僕よりも愛情を注いでくれそうな人に譲ることに。。
塩見さんいわく「これでこのバイクの生涯をまっとうしてくれるだろう~」

そうか素材なり、商品なり、、寿命ともいえるかもしれないが、その生涯を「まっとう」させてあげる事が大事なんだ。

裏返して言えば、使い倒す事。使い倒せるものを創る事。



そしてドナドナドーナドオナ♪

ガスリーズハウスにバイクに・・・  ちょっと寂しいが、新たなる門出!

塩見さん、また一緒にいろいろやりましょう!!

=戸田晃建築設計事務所=

雪割草

2011-03-03 01:25:11 | 我が家の庭


我が家に春の到来を告げてくれる三角草(ミスミソウ) 別名雪割草

どうやら春が来ているようです。



こちらは寒葵の花。葉っぱの根元、暗くて、グロテスクで、ジメジメしている。

「花」の概念を揺るがすとさえ思える姿が、案外好きである。

三角草とともに、冬の庭には嬉しい常緑の山野草



椚か小楢か? 我が家のドングリにも春の力を感じます。



我が家の苔も根付いてきました。

この時期に手入れ手入れ っと。

暖かくなって動き出すのは、何も虫や草木だけではありません。

人間だって動きだすのです。



この細かいパーツは建築模型用に一つ一つ作ってます。

この枝嬢の指先からは、ムクムクと、家の形が生まれてきます。

山野草と重ね合わせている訳ではありませんが、楽しみでなりません。

=戸田晃建築設計事務所=