住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

t-r

2015-01-19 17:19:31 | 建築

 

 

 

y邸窓廻りです。

通常、窓枠はシンプルなものを設計してますが、今回のこの部分は少々ボリュームのあるものにしました。

 

植栽の好きなクライアントは、建物完成後に室内からもよく見えるように庭を作りたいと考えています。隣の建物や目線を隠しながら、外を感じられるようにしたい。そして何よりその室内からは絵のように緑を感じていたい。切り取られた風景を絵と見立てるならば、この窓枠は額縁になるのです。

 

木製サッシ自体の形・プロポーションが違います。さらに今回は2種類タイプを組み合わせて制作したのでなおさらです。

 

そのプロポーションにあった枠=この絵にあった額縁  

 

そして、既製品の中でイメージのものがない時。その時は作ります。そこは外せません。

試作品を製作しているT監督。紙やすりで丁寧に整形しています。

 

削っては実際にあててみる。その繰り返しです。

(上写真は巾木の額縁)

 

こちらはO大工製作品。

T氏製作の曲線(R)を仮にT-Rとすると、T-RとО-R 私がやったとしてT-R(あっ、同じだ…) 気が付いたことは人によってその見え方が違うと言うことである。何が違うかというと、一言でいえば感性の違いなのかもしれない。

 

そして、定規通りにやっていても、たどり着けないという事

物自体の形や仕上がりで判断してはいけないという事

つまりモノを作りだしながら同時に、影・陰影を作り出すという事

 

シャープな影、たっぷりとした影、濃い影、薄く硬質な影など

 

上の画像と下の画像は同じものを、それぞれ違う方向から撮影したものですが、表情が違うでしょう~ 

影の質感を感じながら、削るといったことでしょうか?

 

O大工とT監督と設計の私とで、この小さな小さな部品を作り、見て、日にかざしながらながらあれこれ話が尽きません

 

土曜日の午後。この日の現場は道場のようでした。もちろんいい意味で…です。


目白散歩

2014-12-17 01:59:03 | 建築

告知です。

先月、「新チューボーですよ!」というTV番組で、目白の巨匠として紹介されました カオリヒロネさんが、今度はテレビ東京の「なないろ日和」、目白散歩に登場です。明日(12/17)AM10時ごろになります。急な告知で申し訳ありませんが、お時間のある方は見てくださいね。

またみなさまも目白散歩の折には、是非ともパティスリー 「カオリヒロネ」にお立ち寄りくださいませ。

目白のお菓子屋さんの家/2008年竣工 

 


コラボ(細部より)

2014-12-02 15:17:31 | 建築

建築には実に多くの業種が関わり、その業種にはそれぞれその道にたけた職人がいる。


細部もまたしかり。業種が単体で成り立つ事は少なく、ほとんどの場合それぞれの組み合わせから生まれる、いわば他業種間コラボレーションである。当然、業種を越えた知恵や工夫が必要になる。


写真は先日竣工したO邸の階段部分。手摺壁と、階段の段板が出会う場所。


吹き抜けとの一体感を出す為に、壁やコーナーを曲線にした左官壁に沿って大工さんがR加工する。言ってしまえばただそれだけの事ですが、そのしっかりしたトレースと、きっちりした距離感に、知恵や工夫、そして何より、業種を越えた職人同士のリスペクトを感じました。



R仕上げした柱脚の裾を、柔らかな曲線で床を立ち上げてます。



壁のRに呼応するよう曲線で仕上げた米松の梁に使う材を転用した框


定番

2014-11-17 11:17:13 | 建築

「定番」とは 、流行や情勢にかかわらず安定した売り上げを確保できる商品のこと。-中略-当たり前となっていること、決まりきっていること とあるが、自分の中では定番なんですがね~

自分の定番の定義がずれているのか?いつも探すのに苦労する分野は、ちっとも変っていない気がする…