y邸窓廻りです。
通常、窓枠はシンプルなものを設計してますが、今回のこの部分は少々ボリュームのあるものにしました。
植栽の好きなクライアントは、建物完成後に室内からもよく見えるように庭を作りたいと考えています。隣の建物や目線を隠しながら、外を感じられるようにしたい。そして何よりその室内からは絵のように緑を感じていたい。切り取られた風景を絵と見立てるならば、この窓枠は額縁になるのです。
木製サッシ自体の形・プロポーションが違います。さらに今回は2種類タイプを組み合わせて制作したのでなおさらです。
そのプロポーションにあった枠=この絵にあった額縁
そして、既製品の中でイメージのものがない時。その時は作ります。そこは外せません。
試作品を製作しているT監督。紙やすりで丁寧に整形しています。
削っては実際にあててみる。その繰り返しです。
(上写真は巾木の額縁)
こちらはO大工製作品。
T氏製作の曲線(R)を仮にT-Rとすると、T-RとО-R 私がやったとしてT-R(あっ、同じだ…) 気が付いたことは人によってその見え方が違うと言うことである。何が違うかというと、一言でいえば感性の違いなのかもしれない。
そして、定規通りにやっていても、たどり着けないという事
物自体の形や仕上がりで判断してはいけないという事
つまりモノを作りだしながら同時に、影・陰影を作り出すという事
シャープな影、たっぷりとした影、濃い影、薄く硬質な影など
上の画像と下の画像は同じものを、それぞれ違う方向から撮影したものですが、表情が違うでしょう~
影の質感を感じながら、削るといったことでしょうか?
O大工とT監督と設計の私とで、この小さな小さな部品を作り、見て、日にかざしながらながらあれこれ話が尽きません
土曜日の午後。この日の現場は道場のようでした。もちろんいい意味で…です。