住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

素材-2

2009-09-15 12:23:19 | 建築
(現在進行中の現場にて)

お盆前に始まった「サーファーの家」(仮称)も、すでに一ヶ月が経ちました。実はこのお宅、ほぼ新築状態からの工事開始という、今までにないケースなんです。その事については、機会があれば今度詳しくお話します。

昨日は施主のご夫婦、和田監督、それと私とで現場での打合せだったんですが、一同、大工の岡部さんの作業が気になる。木材を切断する姿を見てはちらちら、仮止めしてはまたちらちら、仮止めに使うピンをはずせば一同「ウォ--!」と、話が頭に入らない(ウソ!)。出来上がる過程を、そこにいるみんなで楽しんでいるといった感じ。

写真はビニールクロスの壁の上に目透貼壁施工中風景!写真では解らリづらいかもしれませんが、まだ手をつけていない既存の扉と並べた時の存在感の違いにあらためて驚き!新設の壁はウォールナットの無垢板貼!ではなく、ラワン合板いわゆる”ベニヤ板”なのであるが、新建材でそれ風に作った扉(失礼)を圧倒していた。
もちろんそれらの扉も、需要があるからそのような商品が存在するので、否定するつもりは毛頭ないが、今回のように、新築の分譲マンションを、あえて一度も住むことなく、手を入れる決断した建て主に対し、ある意味まがい物でない”ストレートな素材や空間”である必要があった。

とか言ってると堅苦しい話になってしまうが、要は 時間をかけて手間隙かけて気にかけて 造りこんでゆく空間はやっぱりいい。”素材を越えて家具なり、壁なりひとつのモノに変わってゆく”瞬間はいつまでたってもわくわくするのだ! 

=戸田晃建築設計事務所=




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