住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

住処

2009-11-05 02:16:29 | 建築
(伊藤豊雄氏 「SUMIKA パビリオン」)

遅ればせながら、少し前に話題になった「SUMIKA プロジェクト」の一環で4人の建築家が”住処”について考えた作品群を見学に、宇都宮まで行ってきました。

まずは伊藤豊雄氏の「SUMIKA パビリオン」
集成材を主体とした枝葉を広げたような構造体は、昨日の多摩美の図書館以上に林を感じた。木の下で休んでいるような気持ちにさせてくれる。敷地内の既存の山桜が咲く頃は、どんなにか気持ちのよい事なのだろう。
構造の解析は圧巻。





「SUMIKA パビリオン」から車で5分ぐらいのところにある、西沢大良氏作品「宇都宮ハウス」。
鋼管杭の上に直接屋根を載せたような構造。あたかも屋根が浮いているような軽快感がある。扉で出来ている外壁を全て開けると、外にいるような錯覚に陥いる。全面トップライトといってもよい屋根からは、お日様の光や動きがつぶさに感じ取れる仕組み。



そして、「宇都宮ハウス」の隣りにある藤本壮介氏の作品「House Before House」
「洞窟や木陰が生み出す空間の連なりが住処となったイメージ・・・」との事。増殖し、積層されていったような”スキマ”や”余白”が面白い。ただし、作者によってしっかりと計算され尽くしているところが、何ともこころにくい。そして、私はこの空間の中で”プチ迷子”になった。。。こちらは何とも情けない。





最後にそこから歩いて3分ぐらいの所にある、藤森照信氏の「コールハウス」
こちらは藤森ワールド独走状態!「未来の住処」の解釈が”洞窟”であるところが何だか嬉しい。
茶室には、梯子を登ってたどり着くという仕掛け。更には子供部屋へはほぼ直角と(大人にとっては)登り辛い梯子。”上へ登る”という(普段はあたりまえのような)行為が、再認識させられた作品。縄文団(とも言うべき人たち)の手仕事も特徴であった。



金物類は藤森氏の手づくりのモノがある。プリミティブな素材、仕組みは腑に落ちた。



左/秋野菜のフラン 中/喜連川あさのポークのロースト、白隠元豆の煮込み 右/ババロア 洋梨のムース
”オトワ レストラン”の食事をいただきながら、伊藤氏の空間を満喫できました。

=戸田晃建築設計事務所=

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