母親のリハビリセンターの付き添いにいきましたが、その帰り、別の用事で地下鉄の「青山一丁目」で降りました。
用事が済んだ後、ちょっとした思い出があり、青山ツインタワービル1Fの中庭に出てみました。
地下鉄の駅から直結してるのですぐです。エスカレーター乗るだけ。
ベンチや花壇が整備されている、ごく普通の、都心のビルの中庭です。
ずっと仕事は続けていますが、そのスタート地点ともいえるのが、この場所なんです・・・ツインタワービルの中庭。
東館、西館の通路の真ん中にあります。
学生のころ、モデルの仕事をしていました。学業の傍らですから、月に数回程度ですが、いろいろと大変だけど楽しかった。
ある日☆この中庭で、撮影がありました。数カットのみなので、そんなに時間はかかりませんでしたが、陽の加減もあるのか、ちょうど朝の通勤時間帯でした。
撮影をしている横を、大勢のサラリーマンやOLさんたちが通り過ぎていきました。
みなさん、ちらちらとこちらを見ながら歩いて行かれる。
「あら、撮影してる」「わぁ、いいわね、」「あの子、カワイイー!」などのお声も聞こえてきて、そこは喜んでいいはずなのですが
なぜか、あんまり・・・嬉しくなかった。むしろ、とっても淋しくなったのです。
次から次に、通路からタワービルの入口へ、吸い込まれていく数多くのOLさんたち。
みんな、ここでお仕事してるんだな。働いているんだな・・・なんだか、取り残されたような気分になったのを覚えています。
その日の撮影は、ある会社のカタログ。OLさんとサラリーマンが中庭で仲良く語らっている、というシーンのカット撮りでした。そのようなわけで、私はステキなスーツを着て、男性のモデルさんと一緒にポーズをとっていた。
でも、私は、「カッコだけ」。借り物の、スーツ着てるだけ・・・
「さあ今日も一日仕事」というエネルギーに満ち、颯爽と歩いていくOLさん達が、その時本当にうらやましく思えたのです。
私は、「あっち側に行きたい」と、思いました。借り物ではない、本物の、仕事をしてる自分になりたい。
それまでは、この先もずっとモデルをやっていてもいいかな、ぐらいに思っていたのです。でも、何かモヤモヤしたものがあって。
外見というのは、生まれつきです。遺伝以外の何物でもない。自分の努力で手に入れたものではありません。
私はこれができます、というものは何もなかった。それがとても虚しくて、内面を充実させなければ、と思っていたけれど、何も行動に移してはいなかった。
でも、この日をきっかけに、当時はやっていたパソコンスクールに通うことにし、キーボードの練習「F,J,F,J」から始め、最終的にワードとエクセルのインストラクター資格をとりました。モデルはきっぱり引退。
ちょうど、ウインドウズ95が席巻していたころだったので、時代の波にも乗れたのでしょうか、すぐにインストラクターの仕事があり、お給料も結構よかったのです。
人と話すこと、何かを説明することは意外にも得意なことにも気づき、これなら長くできそうだと実感。
向いていることをやるのは楽しいし、充実感もありました。
出産で数年職場を離れることはありましたが、基本的に細く長く。続けられています。
そう、最初はパソコンのインストから始めました。そのうち、他の教科も担当するようになり、今ではPCは離れましたが、別の科目を教えています。科目はなんであれ「わかりやすく教える」という共通項はあるので、大丈夫大丈夫。
テキスト執筆のお話も頂け、自分の名前で2冊もテキストを出すことができた。
何回か職場は変わりましたが、どこへ移っても、途切れることなく仕事を頂けている。ありがたいことです。
「あっち側に行きたい、」と思った、あの日。
心から、強く願ったことは、そうなっていく。そうなるように、自分で選んで行動していくんだと思う。
今日、中庭のベンチに座ってみました。
あの頃担当して頂いていたマネージャーさんよりも、ずっと年上になってしまった。
マネージャーさんは女性で、とってもおしゃれなキャリアウーマンだった。
どうしていらっしゃるかなぁ…
どんな人にも、「あの日」や「あの場所」があるのではないでしょうか。
その他、「あの人」だったり、「あの出来事」だったり、ピンポイントで何かの「きっかけ」になるような、
モノ、ひと、場所。
「仕事」という意味では、今の自分の原点でもある、都心のスポット。
あの頃、恋い焦がれた「あっち側」に来れたんだから、もっともっとがんばらなくちゃ!と、あらためて思ったのでした(#^.^#)
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