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哲学入門62 ロールズ 無知のベール

2019-03-21 05:33:53 | 哲学の窓
白坂慎太郎先生の哲学入門

第62回、ロールズ 無知のベール  です。
 ここから https://www.youtube.com/watch?v=zwQXrsJAbK4

ジョン・ロールズ(1921年 ~ 2002年)
アメリカの社会哲学者。
著書『正義論』A Theory of Justice (1971) において,従来英米で有力であった功利主義に代わって社会契約説の伝統を新たな装いを凝らしたうえで復権させ,自由と平等のかねあいとしての社会正義の基礎の問題に答えることを試みて大きな反響を呼びました。



ガンディー から キング牧師に至る、黒人解放運動の非暴力・不服従の思想は、1960年代のアメリカで大きなうねりを引き起こします。制定法が妥当なのかという議論が起こったのです。

当時のアメリカでは、建前では平等の公民権法によっても、法の下の平等は実現されず、黒人による反政府暴動が起こったことに加えて、若者が徴兵を拒否するなど、ベトナム反戦運動も本格化します。

法が国民を縛ることについて、疑問が生じたのです。
法の妥当性を吟味する上で、市民的不服従が持つ意義が議論されました。

ガンディーのアメリカ版です。

ここでロールズの登場です。

社会契約説。これは人は生まれながらにして自由・平等であることを、個人と国家が契約を結ぶといった説です。
ロックやルソーです。
ロールズは、これを現代に当てはめて、社会の全構成員が承認可能な普遍的で合理的な公正としての正義を唱えました。

公正としての正義は、


最も恵まれない人が保護される社会を選択します。
そして、社会の公正な正義は次の2つの原理で成り立つとしました。

第1原理
各人は社会生活を送る上で基本的な自由に対しては平等の権利を持つ

第2原理
社会的・経済的不平等は、その社会で最も不遇な人の福祉を促進する事に役立つ限りで容認される。
社会の全構成員に機会の均等が構成に与えられるという条件下で発生したものに限定される。



まずは機会の均等。結果の均等を求めるのが社会主義です。これは上手くいかないことが証明されました。
機会の均等があれば、社会的・経済的不平等は仕方がない。その時は、不遇な人の福祉に役立つようにしなさいとしました。

この公正の正義を前提として初めて、全ての人が人として望むよい生活を達成するための社会条件が実現されると説きました。

今のアメリカをイメージすると分かります。






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