今年は秋~冬恒例の発表会を中止にしたので、生徒さんたちはDVD撮影をしています。
昨日は小学校高学年のお姉さんの撮影本番でした。
この一年ほどで長い曲も弾けるようになってきたので、ソナチネデビューです。
曲の構成もしっかりお話しつつ、ただ弾くだけではなく
色々なことを想像して曲にストーリーを感じながら演奏できるように工夫しました。
練習のペース、繰り返しをするかどうか、いつ本番にするかなどの
スケジュールも相談しながら全部自分で決めてもらいました。
実は誰よりも早く仕上がっていて、録画も一番最初に終わるんじゃないかなぁと予想していました。
でも、生徒さん自身が納得いくまで待って待って待っていました。
本番は、とても緊張していましたが、かなり良い感じに曲が進みました。
最後あとちょっとのところで小さなミスが出て、そこから生徒さんが弱気になったのが音で伝わってきました。
長い曲を弾く時に、ノーミスで弾き切ることは難しいです。
私もそればかりを求めているわけではなく、練習では部分練習をして
ミスを減らす努力はするけど、本番は音楽の流れと、気持ちを途切れさせない
ことに集中してほしいといつも伝えていました。
とても難しいことで、私も大人になるまでなかなか克服できませんでした。
1回の録画でかなり消耗した様子で「これでいい?」と聞いた時に
「うん」と言いたげだった生徒さん。気持ちはよーーーく分かります。
もう一度あの緊張を味わうのはすごく怖いことです。
それでも、内に秘めた思いが強い子だということと、今までの努力を
この演奏で終わらせてしまったら勿体ないという理由で
「うまくいかなくても良いからもう一回だけ試しに撮ってみない?」と声掛けしました。
体を軽くほぐして(きっとほぐれていない)深呼吸をして(絶対に苦しい)
一度笑顔を作って(こんな時に笑えないのに!)もう一度チャレンジ!!
( )の中は生徒さんと私の気持ちです。
2回目は苦手意識を持っていた再現部以降で、気持ちを奮い立たせていました。
表情にも音にもそれがよく表れていました。
本当なら私は先生なのでどっしり構えてリラックスさせてあげなければいけないのに、
あまりにも彼女の気持ちに共感しすぎて、最後は「頑張れ頑張れ!!」と
心の中で念じながら、片目をつぶっていないといてもたってもいられないような
まるで付き添っているお母さんのような気持になってしまいました。
結果的に、2回目の演奏が彼女の会心の演奏となりました!!
最後まで心が折れなかった彼女に拍手をしました。
コロナじゃなかったら、肩や背中をさすってあげて、握手もしたかったです。
ホッとした後の笑顔がとても素敵でした。
小さい生徒さん達も、一発で成功した子から、途中で涙が出そうになったり
兄弟喧嘩が勃発したり、妙にハイテンションになったり、手汗が止まらなくなったり、色々ありました。
でも、次のレッスンまでの新しい曲を予習してきてくれる子がたくさんいました。
本番前より長く椅子に座っていられるようになった子もいました。
ただ教室で録画しただけでも、みんな成長するんです。
本番までお家での練習を見守って下さり、本番も衣装や髪型のセットをして
送り出して下さったお家の方々のお力が大きかったと思います。
残るはあと一人!!
私も連弾で参加するので楽しみたいと思います。