
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第13回)です。前回よりも10点程度は易化していると思います。なお、間違っているところやご不明な点などあれば、遠慮なく・・・というか、ぜひお知らせください。歓迎いたします。ただし、問題に対する補足説明は、未着手の他の方の手前、出来かねるかも知れませんが、「何処何処を見れば(調べれば)分かります」という程度のヒントや返事はできるかも知れません。いづれにしろ、なんなりとコメントください👋👋👋

<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第13回>
<訂正>(09071950)(七)ウ.3.「僥侫」→「倖佞」に修正。
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.蔀屋に重霄を望む
2.屯営で亨爨を行う
3.海上の波が蕩汨としている
4.塙覈たる助言を得た
5.芸耨により草を刈る
6.辮線襖を着す
7.菫荼とは、「鳥兜と苦菜」のことをいう
8.草原に驢騾が群れている
9.車上の罘罔で禽獣をとらえる
10.心、怛傷すること、憺憺たり
11.君の恵は群孽にふさがる
12.腆愧赧顔す
13.魚が餒敗している
14.宋人に善く、不亀手の薬を為る者あり
15.その書、彬蔚の美あり
16.祭礼でくじの拈鬮が行われる
17.秉枹し軍鼓を鳴らす
18.飛翰し騁藻す
19.兵馬が駢進す
20.中国の伝説上の生物で竜が生んだ九匹の子に、饕餮と贔屓がいる。
21.枳の花が咲いている
22.書冊を攤いてならべる
23.何物かが眼違いを過ぎる
24.柴を立てて川を栫ぐ
25.椒しい馨りがする
26.楔とは門の両側の厚い堅板のことだ
27.君命黙しがたし
28.最近は摶ら、漢字の学習ばかりしている
29.扶揺万里の風を搏つ
30.ごはんを摶めておむすびをつくる
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.母性本能をクスグられた
2.無礼をタシナめられた
3.ビタ銭を選ぶ
4.やまあらしはゲッシ類に属する
5.大きなイビキをかく
6.ノミシラミ、馬の尿する枕もと
7.ジクジたる結果に終わった
8.現にもムビにも忘れない
9.訳も分からず、棒でチョウチャクされた
10.ソクインの心は仁の端なり
11.ヒョウカンにして果断な男だ
12.一向にウダツが上がらない
13.ウだるような暑さがつづく
14.ケタイが悪い
15.ケタイの心が生じる
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.壁の下地にするコマイは木舞とも書く
2.生と死のハザマにいる
3.スサを入れて壁土を練る
4.瀬戸内の夕ナギが懐かしい
5.カズノコを祝儀に用いる
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.評判の高いこと・名声がさかんに世に広まること
2.よりどころとなる模範。また、証拠。亀鑑
3.世間・ちまたのうわさ。世評
4.老巧で名望のある大学者
5.大きなはかりごと。鴻図
<語群>
(ふと、そだい、ひと、こうぎ、しゅくせき、きけい、よぼう、せきじん)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.簪纓( ) 2.イ.無根( ) 3.ウ.霧鬢( ) 4.エ.吹影( ) 5.オ.青鞋( )
6.カ.( )除根 7.キ.( )斂衣 8.ク.( )杏林 9.ケ.( )疾言 10.コ.( )切磋
<語群>
(じょうひ、そうしゅ、ふべつ、ふうかん、しんしん、むてい、ろうじん、せんそう、きっせい、しれい)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.学問や品性を励み修養して大成を期すること
12.医者に対する敬称
13.無駄な努力。遣り甲斐のないことの喩え
14.官に仕えている人
15.貧しい生活のたとえ
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.聒聒児 2.竹柏 3.鹿杖 4.縮縫 5.花楸樹 6.枸榾 7.甘蕉 8.虎杖 9.江籬 10.木蓮子
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.須臾 ― イ.2.臾く
ウ.3.倖佞 ― エ.4.倖う
オ.5.僥倖 ― カ.6.僥める
キ.7.孅介 ― ク.8.孅かい
ケ.9.揖譲 ― コ.10.揖る
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.狷介 2.怯懦 3.恢復 4.懶惰 5.過疎
<類義語>
6.結納 7.細微 8.尽瘁 9.冀求 10.大家
<語群>
(ようま、しょき、うんしゃ、りかん、ちゅうみつ、きょこう、ていしん、へいれい、ごうき、かっきん)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.雀角ソガの争
2.烏は鳥中のソウシン
3.ホンメイに罷る
4.キョウショウの寿
5.徳は不祥に勝ち、仁はヒャッカを除く
6.カンゾウの丸のみ
7.生れぬ先のムツキ定め
8.犠を畏れてヘイを辞す。
9.琴柱に膠してシツを鼓す
10.善を作せば之に百祥を降し、不善を作せば之にヒャクオウを降す
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)「・・・まだ大学医学部が下谷にある時の事であつた。灰色の瓦を(1)シックイで塗り込んで、碁盤の目のやうにした壁の所々に、腕の太さの木を堅に並べて嵌めた 窓の明いてゐる、藤堂屋敷の門長屋が寄宿舎になつてゐて、学生はその中で、ちと気の毒な申分だが、野獣のやうな生活をしてゐた。勿論今はあんな窓を見ようと思つたつて、(ア)僅かに丸の内の (イ)櫓に残つてゐる位のもので、上野の動物園で獅子や虎を飼つて置く檻の格子なんぞは、あれよりは(ウ)迥かに華奢に出来てゐる。寄宿舎には小使がゐた。それを学生は外使(そとづかひ)に使ふことが出来た。白木綿の (エ)兵古帯に、小倉袴を穿いた学生の買物は、大抵極まつてゐる。所謂「(2)ヨウカン」と「金米糖」とである。(2)ヨウカンと云ふのは焼芋、金米糖と云ふのははじけ豆であつたと云ふことも、文明史上の参考に書き残して置く価値があるかも知れない。小使は一度の使賃として二銭貰ふことになつてゐた。この小使の一人に末造と云ふのがゐた。外のは鬚の栗の殻のやうに伸びた中に、口があんごり開いてゐるのに、此男はいつも綺麗に剃 つた鬚の痕の青い中に、脣が堅く結ばれてゐた。小倉服も外のは汚れてゐるのに、此男のはさつぱりしてゐて、どうかすると(3)トウザンか何かを着て前掛をしてゐるのを見ることがあつた。・・・」(森鴎外・雁)
(B)「・・・抽斎の著述は概ね是の如きに過ぎない。致仕した後に、力を述作に (オ)肆にしようと期してゐたのに、不幸にして(4)エキレイのために命を(カ)隕とし、(キ)曾て内に蓄ふる所のものが、遂に外に顕るゝに及ばずして已んだのである。
わたくしは此に抽斎の修養に就いて、少しく記述して置きたい。考証家の立脚地から観れば、経籍は批評の対象である。在来の文を取つて (5)コンロンに承認すべきものでは無い。是に於て考証家の末輩には、破壊を以て校勘の目的となし、(ク)毫もビエテエ(敬虔)の迹を存せざるに至るものもある。支那に於ける考証学亡国論の如きは、固より人文進化の道を(ケ)蔽塞すべき(6)ロウケンであるが、考証学者中に往々修養の無い人物を出だしたと云ふ暗黒面は、其存在を否定 すべきものではあるまい・・・」
「・・・学資は弘前藩から送つて来る五人扶持の中三人扶持を売つて弁ずることが出来た。当時の相揚で一箇月金二両三分二朱と四百六十七文であつた。書籍は英文の ものは初より新に買ふことを期してゐたが、漢書は弘前から抽斎の(7)シュタクボンを送つて貰ふことにした。然るに此書籍を積んだ舟が、航海中七月九日に暴風に遭つて 覆つて、抽斎の曾て蒐集した古刊本等の大都分が(8)カイジャクの有に帰した。・・・」(森鴎外・渋江抽斎)
(注)カイジャクの有に帰した:海の藻屑と消えた
(C)「・・・大正十二年三月廿四日。 三年来飼馴らしたる青き(コ)鸚哥を籠のまゝ初瀬浪子の家に送る。余近日西京(=京都)に遊ばむとするに付、(9)ショウキンの始末をいかゞせむと思ひ煩ひゐたりしに、ふと芝居にて波子に逢ひ、其家には既に文鳥かなりやなど飼へりとの事に、予が鸚哥を贈りしなり。正午酒井晴次君来談。山形ホテルにて食事を与にす。
・・・三月廿六日。松筵君と共に羽衣会の舞踊を観る。拙劣にて興味(10)サクゼンたり。・・・四月二十日。晴れしが風猶冷なり。本年の春ほど気候不順なる時節は罕なるべし。宿痾よからず。深更雨。・・・」「摘々録 断腸亭日乗」(永井荷風の日記)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第13回 標準解答>
(一)
1.ほうおく 2.ほうさん 3.とうこつ 4.かくかく 5.うんどう 6.べんせんおう 7.きんと 8.ろら 9.ふもう 10.だつしょう・だっしょう 11.ぐんげつ 12.てんき 13.だいはい 14.ふきんしゅ(「ふきしゅ」でも〇かも。) 15.ひんうつ 16.ねんきゅう 17.へいふ 18.ていそう 19.へんしん 20.ひき
21.からたち 22.ひら 23.まなか 24.ふさ 25.かぐわ 26.ほうだて 27.もだ 28.もっぱ 29.う 30.まる
(二)
1.擽 2.窘 3.鐚 4.齧歯 5.嚊・鼾 6.蚤蝨 7.忸怩 8.夢寐 9.打擲 10.惻隠 11.剽悍・慓悍 12.梲・卯建 13.茹 14.卦体 15.懈怠
(三)
1.榀 2.硲 3.苆 4.凪 5.鯑
(四)
1.籍甚・藉甚 2.亀鏡(きけい)←「ききょう」とも読む。 3.巷議 4.宿碩 5.丕図
(五)
問1
1.縉紳 2.無蔕 3.風鬟 4.鏤塵 5.布韈 6.翦草 7.簇酒 8.橘井 9.攘臂 10.砥礪
問2
11.コ 12.ク 13.エ 14.ア 15.キ
(六)
1.くつわむし 2.なぎ 3.かせづえ 4.いせ 5.ななかまど 6.ひいらぎ 7.バナナ 8.いたどり 9.おごのり 10.いたび
(七)
1.しゅゆ 2.しばら 3.こうねい 4.へつら 5.ぎょうこう 6.もと 7.せんかい 8.こま 9.ゆうじょう 10.ゆず・へりくだ
(八)
1.蘊藉 2.剛毅 3.罹患 4.恪勤 5.稠密 6.聘礼 7.幺麼 8.挺身 9.庶幾 10.鉅(巨)公
(九)
1.鼠牙 2.曾参 3.奔命 4.喬松 5.百禍 6.甘草 7.襁褓 8.聘 9.瑟 10.百殃
(十)
1.漆喰 2.羊羹 3.唐桟 4.疫癘 5.渾侖(「崙」でも可か) 6.陋見 7.手沢本 8.海若 9.小禽 10.索然
(ア)わず (イ)やぐら (ウ)はる (エ)へこおび (オ)ほしいまま (カ)お (キ)かつ (ク)ごう (ケ)へいそく (コ)いんこ
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