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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●「模擬試験問題 補習版その5」を配信します。文章題とごく一部の設問を除き、ほとんどの設問を漢検漢字辞典第2版より蒐集しています。
●これで、この夏から約2か月に渡って続けてきた「模擬試験問題」シリーズ(全20回)は一応終了させていただきます。(採用されなかった問題候補については、別途、折々に紹介していく予定です。)
●まだ本番まで1か月ありますが、本番以上の難易度の模試に、酷暑の季節から矻矻と取り組まれてきたチャレンジャーのみなさまに栄冠あらんことを祈念しております。
●なお、誤りなどありましたら、厚かましいお願いで恐縮ですが、また、ご指摘・ご訂正の連絡もいただけたら幸いです👍
<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 補習版その5(漢検準拠・難易度―並―) >
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.女性の守るべき道や作法についての教えを
壼訓という
2.
枳句の花には棘がある
3.
夾纈で染色している
4.
地窖に野菜を蓄える
5.
鵠的をねらって弓を放つ
6.
蜥蜴とはとかげのことだ
7.敵の侵入を
邀撃する
8.
奸黠な悪人が跋扈する
9.
今茲、自然災害が多い
10.恰幅の良い
赭髯の男がいる
11.読書ばかりの
書蠹となってはいけない
12.
挫衄を経験した
13.
打嚔、人の説く有り
14.怒りで
顳顬の辺りが痛くなった
15.まるで
蛭螾のような小人物だ
16.あの山の
皺襞を見ている
17.
碪(砧)杵でトントンと敲く音が聞こえる
18.
警柝を鳴らして注意喚起する
19.
刳磔の刑に処せられた
20.
震怛する事件が出来した
21.
喙を容れる
22.無礼な態度を
嘯られた
23.昔、宮中で「
癸の祭」が行われていた
24.
梭貝は巻貝の一種だ
25.雲桟とは山中にある高い
桟のことだ
26.
爨を一つにして一緒に暮らす
27.泉の水を
杓う
28.知人の
妁を頼まれた
29.
甚く感動した
30.
小鰭の美味しい季節になる
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.控えめに
キツキツと笑う
2.山が
キツキツと高く聳えている
3.
カンジキを履いて雪道を行く
4.
シコりを残す結果となった
5.不安に
カられて急いだ
6.恥ずかしくて、
ザンキに耐えない
7.人を
ザンキして罪に陥れる
8.言っちゃ悪いが、人間の
カスだ
9.人家が
シッピしている
10.腹を下し、
シャリの症状で苦しむ
11.
シャリの事情をかんがみる
12.
トミクジの僥倖を夢みる
13.賀状に恭賀
シンキと認めた
14.風
ショウショウとして易水寒し *ものさびしいさま
15.風雨
ショウショウとして荒れる *はげしいさま
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.
イワナを釣りあげた
2.
アッパレな行いであった
3.
スバシリは鯔の稚魚だ
4.谷の行きづまりを
サコという
5.
エビで鯛を釣る
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.よい評判を得ようとする気持ち。芸術家などが技巧を見せびらかそうとする気持ち。
2.生まれながらの気質
3.山や川に囲まれた要害の地
4.賑やかな大通り
5.かけ回って集めること、広く集めること
<語群>
(ひんい、こうく、がいく、きひん、きんたい、しょうき、しょうしゅう、けんあい)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア ( )雪椀 2.イ ( )庸材 3.ウ ( )虎視 4.エ ( )画粥 5.オ ( )素餐
6.カ 牝牡( ) 7.キ 影駭( ) 8.ク 皓歯( ) 9.ケ 甕裡( ) 10.コ 澆季( )
<語群>
(けいけい、ちょれき、だんせい、きょうしん、せつい、ひょうおう、こんだく、がび、ろうどん、りこう)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.物事は外見にとらわれず、その本質を見抜くことが大切
12.見識が狭く世間知らずの人のたとえ
13.ある地位にいて職責を果たさずに無駄に禄をもらっていること
14.役に立たない人やもの
15.貧乏に耐えて勉学に励むこと
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.鬼鍼草 2.玉蕈 3.虎茄 4.光参 5.鉤素 6.山石榴 7.蚕簿 8.蚕豆 9.酸塊 10.貲布
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.儳巌 ― 2.儳い イ.3.孳息 ― 4.孳る ウ.5.竦企 ― 6.竦だつ
エ.7.詛盟 ― 8.詛う オ.9.鐫黜 ―10.鐫ける
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.狷介 2.静謐 3.凝視 4.老獪 5.大量
<類義語>
6.隠居 7.子孫 8.手紙 9.内訌 10.行厨
<語群>
(げきしょう、いんえい、けんじょう、しつぼく、せんしょう、がんぱく、おうめい、べっけん、おんしゃ、たんし)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.
カイケイの恥
2.智愚一視して
シンケイを設けず
3.
イツヤの覧
4.五寸の鍵、
カイコウを制す
5.
コショウ鳴らし難し
6.
コウギョの泣
7.
コウハクを散ずる
8.鐘も
シュモクの当たりがら
9.
シセキの栄を得る
10.先入、
シュとなる
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)「・・・純一は著作の邪魔なぞをしてはならないと思つたので、そこそこに暇乞をして、富坂上の下宿屋を出た。そして帰り道に考へた。東京新聞が大村の云ふ小さいクリクを形づくつて、不公平な批評をしてゐたのは、局外から見ても、余り感心出来なかつた。併し兎に角主張があつた。特色があつた。推し測つて見るに、新聞社が路花を
(1)スイタイしたことがあるのではあるまいから、路花の思想が自然に全体の調子を支配する様になつて、あの特色は生じたのだらう。そこで社主が代つて、あの調子を社会を
(ア)荼毒するものだと認めたとしよう。一般の読者を未丁年者として見る目で、さう認めたのは致し方がない。只驚くのは新聞をアカデミツクにして其弊を除かうとした事である。それでは反動に過ぎない。抑圧だと云つても好い。なぜ思想の自由を或る程度まで許して置いて、そして矯正しようとはしないのだらう。路花の立場から見れば、ここには不平がなくてはならない。この不平は
(2)カクとした赤い怒りになつて現れるか、さうでないなら、
(イ)緑青のやうな皮肉になつて現れねばならない。路花はどんな物を書くだらうか。いやいや。矢張いつもの何物に出逢つても屈折しないラヂウム光線のやうな文章で、何もかも自己とは交渉のないやうに書いて、「ああ、わたくしの頭にはなんにもない」なんぞと云ふだらう。今の文壇は、愚痴といふものの外に、力の反応を見ることの出来ない程に
(3)イジャクしてゐるのだが、これなら何等の反感をも起さずに済む筈だ。純一はこんな事を考へながら指が谷の町を歩いて帰つた。・・・」((鴎外・「青年」))
(B)「・・・私の言はうとする事が読者に十分の理解を与へ得なくはないかと恐れる。人が人自身を言ひ現はすのは一番容易なことであらねばならぬ。何となれば、それはその人自身が最もよく知り抜いてゐる筈の事柄だから。
実際は然しさうではない。私達の用ゐてゐる言葉は謂はば
(ウ)狼穽のやうなものだ。それは獲物を取るには役立つけれども、私達自身に向つては妨げにこそなれ、役には立たない。或は拡大鏡のやうなものだ。私達はそれによつて身外を見得るけれども、私達自身の顔を見ることは出来ない。或は又精巧な機械 といつてもよい。私達はそれによつて有らゆるものを造り出し得るとしても、遂に私達自身を造り出すことは出来ない。
言葉は意味を表はす為めに案じ出された。然しそれは当初の目的から段々に堕落した。心の要求が言葉を創つた。然し今は物がそれを占有する。
(エ)吃る事なしには私達は自分の心を語る事が出来ない。恋人の耳にささやかれる言葉はいつでも
(4)リュウチョウであるためしがない。心から心に通ふ為めには、何んといふ不完全 な乗り物に私達は乗らねばならぬのだらう。
のみならず言葉は不従順な
(オ)僕である。私達は屢々言葉の為めに裏切られる。私達の発した言葉は私達が針ほどの
(5)ゴビュウを犯すや否や、すぐに刃を反へして私達に切つてかかる。私達は自分の言葉故に人の前に高慢となり、卑屈となり、
(6)コウチとなり、
(7)ロドンとなる。・・・」(有島武郎「惜みなく愛は奪ふ」)
(C)「・・・余は普通基督教徒が論ずるに足らざるものと見做す所の小教派の中にも、
(カ)靄然たる君子、淑徳の貴婦人を目撃したり。悪魔よ、汝の説教を
(キ)休めよ。若し余にして善悪を区別し、之を選び彼を捨つるの力を有せざりせば、余は他人の奴隷となるべきものなり。心霊の貴重なるはその自立の性にあり。我れ最(い)と小さきものなりと雖も、亦全能者と直接の交通を為し得るものなり。神は法王、監督、牧師、神学者輩の手を経ずして直接に余を教へ給ふなり。
・・・嗚呼真理なる神よ、願くは余をして永久の愛に於て爾と一ならしめよ。余は時々多くの事物に関して読み且つ聞くに
(ク)倦めり。余の欲する処、望む処は 悉く爾に於て存するなり。総ての博士等をして黙せしめよ。万物をして爾の前に静かならしめよ。而して爾のみ余に語れよ。・・・然れども若し愛国が真情なれば、真理と真理の神を愛するも亦真情なり。而して完全なる社会に於ては、二者は決して
(8)ドウチャクするものにあらず。国の為めに神を愛し神の為めに国を愛し、国民
(ケ)挙つて神聖なる愛国者となり得るなり。
・・・聖書に云はずや、地は神を敬するもの為に造られたりと(ヨブ記十五章十九節)。然るに此最も神を慕ひし者は、最もわづかに此世を楽んで去れり。
ブラヂル国の砂中に埋もる大金剛石は誰の為めに造られしや。
(9)ムコを虐げ真理を蔑視する女帝、女王の頭を飾る為めにか。或は安逸以て貴重なる生命を消費 し、春は花に遊び秋は月に戲れ、此の神聖なる神の工場(God' Task-garden)を以て一つの遊戯場と見做す
(コ)懶惰男女の指頭と襟とに光沢を加へん為にか。東台の桜、亀井戸の藤は、
(10)コウハク(=お金)の為めに身を汚し天使の形に悪鬼の靈を注入せし妖怪の所有物なるか。誰が為めに富岳は年々荘厳なる白冠を戴くや。誰が為めに富士川の銀線は其麓を縫ふや。・・・」(内村鑑三・「基督信徒のなぐさめ」)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 補習版その5 標準解答>
(一)
1.こんくん 2.きこう 3.きょうけち 4.ちこう 5.こくてき 6.せきえき 7.ようげき 8.かんかつ 9.こんじ 10.しゃぜん 11.しょと 12.ざじく 13.だてい 14.しょうじゅ 15.しついん 16.しゅうへき 17.ちんしょ 18.けいたく 19.こたく20.しんだつ
21.くちばし(「ことば」でも可と思うが) 22.しか 23.みずのと 24.ひがい 25.かけはし 26.かまど 27.しゃく 28.なこうど 29.いた 30.こはだ
(二)
1.吃吃 2.屹屹 3.檋・橇・蹻 4.凝・痼 5.駆・駈 6.慙愧(慚愧) 7.讒毀 8.滓 9.櫛比 10.瀉痢 11.這裏(裡) 12.富籤(鬮) 13.新禧 14.蕭蕭 15.瀟瀟
(三)
1.鮇 2.遖 3.鯐 4.逧 5.蛯
(四)
1.匠気 2.気稟 3.襟(衿)帯 4.康衢 5.翔集
(五)
問1
1.ア氷甌 2.イ樗櫟 3.ウ狼貪 4.エ断薺 5.オ窃位 6.カ驪黄 7.キ響震 8.ク蛾眉 9.ケ醯鶏 10.コ溷濁
問2
11.カ 12.ケ 13.オ 14.イ 15.エ
(六)
1.せんだんぐさ 2.しめじ 3.はしりどころ 4.きんこ 5.はりす 6.のぼたん 7.まぶし 8.そらまめ 9.すぐり 10.さいみ
(七)
1.ざんがん 2.ふぞろ 3.じそく 4.しげ 5.しょうき 6.つま 7.そめい 8.ちか 9.せんちゅつ 10.しりぞ
(八)
1.温藉 2.喧擾 3.瞥見 4.質朴・質樸 5.鮮少・尠少 6.鴎盟 7.胤裔 8.雁帛 9.鬩牆 10.簞食
(九)
1.会稽 2.畛畦 3.乙夜 4.開闔 5.孤掌 6.皐魚 7.黄白 8.撞木 9.咫尺 10.主
(十)
(1)推戴 (2)赫 (3)萎弱 (4)流暢 (5)誤謬 (6)狡智 (7)魯鈍 (8)撞着 (9)無辜 (10)黄白
(ア)とどく (イ)ろくしょう (ウ)ろうせい (エ)ども (オ)しもべ (カ)あいぜん (キ)や (ク)う (ケ)こぞ (コ)らんだ
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