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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
●1級チャレンジャー用の模擬試験問題(第14回)です。難易度は前回と同程度(これまでよりも若干易しい)と思いますが、どうでしょうか。なお、間違っているところやご不明な点などあれば、遠慮なく・・・というか、ぜひお知らせください。歓迎いたします。ただし、問題に対する補足説明は、未着手の他の方の手前、出来かねるかも知れませんが、「何処何処を見れば(調べれば)分かります」という程度のヒントや返事はできるかも知れません。いずれにしろ、なんなりとコメントください👋👋👋


<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第14回>
<訂正>(09071954)(一)5.の解答を追加。
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.
饐瓜を食して嘔吐した
2.胡乱な人物と
嬰遘する
3.
俶詭殊瑰、耳の未だ嘗て聞かざる所・・・
4.戎狄は
荐居して貨を貴ぶ
5.酷くも
拉殺された
6.螽斯の羽、
揖揖たり
7.杓端に両星あり、
句圜15星あり、杓に面す
8.
噎鬱として気が晴れない
9.
摶心、受検勉強に努める
10.精神、
馳鶩し、心気、飛揚す
11.両髻、
丫丫として面粉光る
12.
皁纛を掲げて出陣する
13.
茹薇とは菜食の事なり
14.胡戎の
羯羶が臭う
15.徒に
餔歠するのみ
16.
讐釁に乗じて南極を席捲せんとす
17.
帑廩を民に開放する
18.
頒斌とした状態で渾沌きわまりない
19.
擘攫とは「つんざきつかむ」意味である
20.思い、
蹇産として釈けず
21.漢字同好の
夥がいる
22.梅の花が
馥しい
23.扶持を
叨る
24.本心は
噯気にもださない
25.作問に手
倥りが生じた
26.両髀の間を
奎という
27.興奮の
堝と化した
28.月は28宿を
躔る
29.白兎、薬を
擣く
30.棒を
斜違いに組む
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.危ないところで身を
カワした
2.
ニギやかな街並みを散策する
3.
ミノを雨具に使用する
4.鳴り物入りで
ハヤす
5.
ゴボウとこんにゃくで料理を作る
6.
キョウガクの出来事が起きた
7.怠けていて師匠より
イッカツをくらう
8.おかめ
ソバを食す
9.
オカメそばを食す
10.
ラセン状の階段を登る
11.話に
オヒレをつける
12.
コンニャクで石垣を築く
13.稀なること麟角
ホウシのごとし
14.偉い人から
ホウシを賜る
15.神仏を
ホウシする
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.良い
ニオいがする
2.
カマスに穀物を入れる
3.畳の縁が
ウン繝錦だ
4.
ヌカミソが腐る
5.
フィートは長さの単位だ
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.誤って書き入れられた文
2.髪をそったまるい頭。坊主頭
3.命令をいつわること。
4.本箱
5.人の善行をあらわしあきらかにすること。
<語群>
(ろちょう、きょうめい、さくぶん、せいけん、しょきゅう、しょか、えんぶん、えんろ)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.( )同契 2.イ.( )暮来 3.ウ.( )戴白 4.エ.( )棄薪 5.オ.( )暮塩
6.カ.糶糴( ) 7.キ.悶絶( ) 8.ク.肉袒( ) 9.ケ.揺頭( ) 10.コ.結草( )
<語群>
(はいび、びゃくじ、すいちょう、ちょうせい、ふんゆ、がんかん、けんよう、ぜいし、しんきょ、れんさん)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.報恩のこと。
12.母と子の気持ちが通じ合うこと
13.人に気に入られるようにこびへつらうさま
14.郷里が同じであること。仲が良いこと。
15.極貧のたとえ
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.虎耳草 2.海豹 3.黄楊 4.蘭草 5.胡蜂 6.春告鳥 7.冬青 8.朱欒 9.匿路 10.酸模
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.蹲踞 ― 2.踞る
イ.3.蠱惑 ― 4.蠱す
ウ.5.臚伝 ― 6.臚える
エ.7.無聊 ― 8.聊しむ
オ.9.攣曲 ―10.攣まる
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.善良 2.巨大 3.僥倖 4.婉曲 5.齟齬
<類義語>
6.高峻 7.涵養 8.逸品 9.昵懇 10.美醜
<語群>
(ふんごう、きゅうぎょく、とうや、ちょくせつ、ゆうぶつ、きか、しんこう、わいしょう、けんし、あくらつ)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.肉腐りて虫を生じ、魚枯れて
トを生ず
2.
ウドンゲの花 待ちたる心地
3.
バンジョウヤの童(わらわ)
4.
カンショウ千丈の節
5.海は
スイロウを譲らず、以て其の大をなす
6.姑の前の見せ
オゴケ
7.
ショウを見て不善を為さば、即ち、福至らず
8.禍(わざわい)は
センセンより生ず
9.餓鬼に
オガラ
10.人に
ゴウオクなく気に進退あり
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)「古い話である。僕は偶然それが明治十三年の出来事だと云ふことを記憶してゐる。どうして年をはつきり覚えてゐるかと云ふと、其頃僕は東京大学の鉄門の真向ひにあった、上条と云ふ下宿屋に、此話の主人公と壁一つ隔てた隣同士になって住んでゐたからである。・・・上条に下宿してゐるものは大抵医科大学の学生ばかりで、其外は大学の附属病院に通ふ患者なんぞであつた。大抵どの下宿屋にも特別に幅を利かせてゐる客があるもので、さう云ふ客は第一金廻りが好く、
(1)コギが利いてゐて、お上さんが箱火鉢を控へて据わつてゐる前の廊下を通るときは、きつと声を掛ける。時々は其箱火鉢の向側にしやがんで、世間話の一つもする。部屋で酒盛をして、わざわざ肴を拵へさせたり何かして、お上さんに面倒を見させ、我儘をするやうでゐて、実は帳場に得の附くやうにする。先づざつとかう云ふ
(ア)性の男が尊敬を受け、それに乗じて威福を
(イ)擅にすると云ふのが常である。然るに上条で幅を利かせてゐる、僕の壁隣の男は頗る趣を殊にしてゐた。・・・此男は岡田と云ふ学生で、僕より一学年若いのだから、兎に角もう卒業に手が届いてゐた。
・・・岡田が古本屋を覗くのは、今の
(ウ)詞で云へば、文学趣味があるからであつた。
(エ)併しまだ新しい小説や脚本は出てゐぬし、抒情詩では子規の俳句や、鉄 幹の歌の生れぬ先であつたから、誰でも唐紙に
(オ)摺つた花月新誌や白紙に摺つた桂林一枝のやうな雑誌を読んで、槐南、夢香なんぞの香奩体(コウレンタイ)の詩を最も気の利いた物だと思ふ位の事であつた。・・・
・・・僕は人附合ひの余り好くない性であつたから、学校の構内で好く逢ふ人にでも、用事がなくては話をしない。同じ下宿屋にゐる学生なんぞには、帽を脱いで礼をするやうなことも少かつた。それが岡田と少し心安くなつたのは、古本屋が
(カ)媒をしたのである。僕の散歩に歩く道筋は、岡田のやうに極まつてはゐなかつたが、脚が達者で縦横に本郷から下谷、神田を掛けて歩いて、古本屋があれば足を止めて見る。さう云ふ時に、度々岡田と店先で落ち合ふ。「好く古本屋で出くはすぢやないか」と云ふやうな事を、どつちからか言ひ出したのが、親しげに物を言つた始である。・・・」(森鴎外・雁)
(B)「・・・五月十七日。曇りて寒し。午後東光閣書房主人来談。夜森先生の『渋江抽斎伝』を読み覚えず深更に至る。先生の文この伝記に至り更に一新機軸を出せるものゝ如し。叙事細 密、気魄
(2)ユウケイなるのみに非らず、文致高達
(3)ソウコ にして一字一句含蓄の妙あり。言文一致の文体もこゝに至つて品致自ら具備し、始めて古文と
(4)ケッコウすることを得べし。
六月朔。松莚大伍の両子と風月堂にて晩餐をなし、銀座を歩みて京橋鴻の巣酒亭に憩ふ。主人奥田氏現代文士画家の
(5)ボクジョウ数冊を示さる。帰途大伍子と再び銀座を歩む。」(「摘々録 断腸亭日乗」永井荷風の日記)
(C)「英王査理(チヤールズ)第一の時、仏王路易(ルイ)第十六の時、宰相大臣政柄を
(キ)秉る者眼を
(6)カツ(カッ)し胸を洞(トウ=開く)し早く時勢を察し予め世運を
(ク)料り夫の進化神の為に道路を
(ケ)掃滌することを知りしならば、何ぞ必ずしも禍乱を
(7)ジョウシュツするに至らん。顧(おも)ふに英国の事は其以前に於て
(8)カンカイする所無くして
(9)ヒッキョウ創始に属せしが故に、
(10)セイコウを執る者予め備えを為すことを省知せずして
(コ)敗衄の禍を取りたるも猶ほ頗る恕す可き者あり。・・・」(中江兆民「三酔人経綸問答」)
(注)カンカイ:いましめとすべきし手本。
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(チャレンジャー用) 第14回 標準解答>
(一)
1.いか 2.えいこう 3.てきき 4.せんきょ 5.ろうさつ・らさつ 6.しゅうしゅう 7.こうえん 8.えつうつ 9.せんしん 10.ちぶ 11.ああ 12.そうとう 13.じょび 14.かつせん 15.ほせつ 16.しゅうきん 17.どりん 18.はんひん 19.はくかく 20.けんさん
21.なかま 22.かんば 23.むさぼ 24.おくび 25.ぬか 26.また 27.るつぼ 28.めぐ 29.つ 30.はすか
(二)
1.躱 2.賑 3.蓑・簑 4.囃 5.牛蒡 6.驚愕 7.一喝 8.蕎麦 9.阿亀 10.螺旋 11.尾鰭 12.蒟蒻・菎蒻 13.鳳嘴 14.褒詞 15.奉祀
(三)
1.匂 2.叺 3.繧 4.粏 5.呎
(四)
1.衍文 2.円顱 3.矯命 4.書笈 5.旌顕
(五)
問1
1.ア.枌楡 2.イ.晨去 3.ウ.垂髫 4.エ.噬指 5.オ.朝齏 6.カ.斂散 7.キ.躄地 8.ク.牽羊 9.ケ.擺尾 10.コ.啣環(銜環)
問2
11.コ 12.エ 13.ケ 14.ア 15.オ
(六)
1.ゆきのした 2.あざらし 3.つげ 4.ふじばかま 5.すずめばち 6.ウグイス 7.そよご 8.ザボン 9.くけじ 10.すいば
(七)
1.そんきょ 2.うずくま 3.こわく 4.まどわ 5.ろでん 6.つた 7.ぶりょう 8.たの 9れんきょく 10.かが
(八)
1.悪辣 2.矮小 3.奇禍 4.直截 5.吻合 6.岌嶷 7.陶冶 8.尤物 9.親狎 10.妍蚩
(九)
1.蠹 2.優曇華 3.番匠屋 4.寒松 5.水潦 6.麻小笥 7.祥 8.繊繊 9.苧殻 10.剛臆
(十)
1.小気 2.雄勁 3.蒼古 4.頡頏 5.墨帖 6.豁 7.醸出 8.鑑戒 9.畢竟 10.政綱
(ア)たち (イ)ほしいまま (ウ)ことば (エ)しか (オ)す (カ)なかだち (キ)と (ク)はか (ケ)そうでき (コ)はいじく
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