翻訳者の散歩道

  ☆ 法律翻訳者の思考のあれこれ ☆
(「翻訳者になりたい人のためのブログ」を統合し「第ⅡBlog〇〇編」と表記)

トラの商標をめぐる2題+追記

2005年12月21日 | 法律

今、ちょうど英日クラスで知財を扱っているので、そのあたりをちょこっと。

(その1)TIGERSって魔法瓶?

タイガー魔法瓶と阪神タイガースが「TIGERS(タイガース)」の商標をめぐって争った事例。

阪神がタイガー魔法瓶の「TIGERSという登録商標につき「球団名と混同を生じさせる」と、登録商標の無効をめぐる(途中経過は省略)訴訟で、結論は「和解」。

つまり、阪神が「Tigers」、魔法瓶が「TIGER」を使うということで決着。

球団の方には"s"がつくのと字体も異なりますね。

(その2)阪神優勝は夢か?

阪神優勝を予測して?「阪神優勝」を商標として登録したX氏に対して、球団が「公認グッズと誤認されるオソレあり」と無効を求めた事例。結論は、「無効」。

「阪神」は「阪神タイーガース」の著名な略称と認定したそうですが、それならそもそも商標法の第4条8号に該当して商標登録できないのでは?という素朴な疑問が^_^;
(注:商標法第4条は「商標登録を受けられない商標」を規定しており、その第8号は「他人の・・・著名な略称を含む商標」を挙げています。)

さらに、後日談として、X氏と契約(商標使用のライセンス契約)して「阪神優勝」ロゴをつけて靴下を販売しようとした業者が登録無効になった結果商品が売れなくなったとして、X氏に損害賠償を求めたそうですが、これは棄却(=理由がない)。商標登録は・・・後日無効になる可能性もあり、商標権者に…その判断は難しく説明義務に違反しない、と。

---<追記始まり>----

「阪神優勝」靴下訴訟の控訴審(高裁)判決が27日に出ました。ひっくりかえりましたよ。

阪神が無効を主張しており、X氏は「阪神優勝」商標が後日無効になる(=使用できなくなる)可能性を説明しなかった、としてX氏に損害賠償100万円の支払を命じました。もっとも、業者が求めた金額は1200万円といいますから、かなりの減額ですね。

先にも書きましたが、そもそも特許庁が商標として登録を認めたこと自体がおかしいような気がするのですが<(_ _)>

---<追記終わり>----

こういった事例に興味のある方は、特許庁のHPに行くと勉強になりますよ(^_^) 同HPは充実していますから。

   

突然、話が変わるのですが、少し前まで、甲子園球場って大阪にあるのだと思っておりました(汗)

先日の授業で

R「甲子園って大阪だと思っていた」

生徒さん「違いますよー、兵庫ですよ!」

R「そうなの、神戸だったのよねー」

生徒さん合唱「(爆)違う、違う、西宮ですよー!!」

甲子園の場所も知らずに、トラファンと言えるか!?と反省。

やはり、一度行って実物を見る必要がありますね^_^;

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 翻訳お役立ち情報を載せたホームページも是非ご訪問下さい。


 

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