徳勝龍に「お前左四つだぞ」と北の湖

大相撲初場所は徳勝龍が優勝した。北の富士さんが白鵬が休場すると誰が優勝するかわからないと言っていたけれと、本当に白鵬がいないときは優勝争いがいわばアナーキー状態の様相を呈するなと思う。この世界、第一人者がいるといないでは雰囲気が違ってくると言うことなのだろうか。

しかし、徳勝龍が優勝を決めて泣いた映像を見たとき、僕もこんなことで泣くなんてとあほらしく思いつつも泣いてしまった。今まで平幕優勝はもちろんあったけれどそれなりに上位で活躍した経験者が多い。本当に徳勝龍には申し訳ないけれどまったく意外性の優勝だった。

もちろん徳勝龍が優勝したことにも感動したけれど、こういう幕尻の力士にも優勝の機会が巡ってくる相撲という世界の奥行きの深さに感動した。

今日の新聞を読むと徳勝龍が一時在籍していた北の湖部屋の北の湖親方の言葉が載っている。徳勝龍が幕下時代ちゃんこを食べていると「お前。自分は押し相撲だと思っているだろう。左四つだぞ」と北の湖親方から突然言われたと。

読んだ瞬間、懐かしい、北の湖そのものの言い回しと思った。ぶっきらぼうだけれど、ここというときははっきり断定するように物を言う。そしてぶっきらぼうだからこそ逆に男らしい愛情が感じられる。まさに北の湖そのもの。

懐かしいなと思った。結局、その人の本当の思いが、その人の言葉になり、そして語り主が亡くなったあともそれが人の心に残っていく。そういうものだと思う。こういう平幕優勝というときにこういう形でその言葉が表に出てくるのも北の湖の人徳だなと思う。

もちろん徳勝龍がその言葉にはっとして覚えていたからこそ表に出てくる言葉だけれど。

人の心に残る言葉はかけておくものだなと思う。

板井の張り手

今日の新聞に神戸ほっともっとスタジアムで草野球の打席に立つイチローの写真が出ている。本当にきれいなフォーム。現役時代を思い出す。プロの引退間際よりも若返ったようにも見える。同じ人がちょっとしたことで若く見えたりそうでなかったりするものだなと思う。しかし、きれいなフォーム。もう身に着いてしまっているものなのだろうと思う。

夕刊紙を読んでいたら横綱審議委員会が白鵬の張り手やカチ上げに苦言を呈したことについて、相撲協会はそれを食うほうが悪いといっていると出ていた。だれが言っているのかと思ったら相撲協会の元大乃国が言っていると出ていた。現役時代板井の張り手に苦しめられた大乃国の言葉だけにあるいみ説得力があるように思う。

大乃国は現役時代張り手は脇があくと言われたと出ているけれど本当に大乃国が逆に板井に張り手に行った相撲では張り手が空振りして脇があいてそこを板井にもぐりこまれて見事にやられている。

白鵬の張り手の空振りってほとんど見たことないなと思う。空振りしたらそこで脇が空いたところをつけこまれて本当に今のパワー相撲だったら一発で持っていかれる可能性もあるなと思う。空振りしない白鵬が見事なのかどうなのだろう。そこまではちょっとわからなけれど。

というわけで板井と大乃国の相撲がユーチューブに出ていないかと思って探したら出ていた。それにしても板井の張りてはえげつないなと思う。手の甲を包帯で固めてそこで大乃国にパンチをかましているようにも見える。それにしてもすごい張り手だと思う。あんまり頻繁には見たくないな。確かに。