今日の読売新聞に「甲子園ブラバン演奏OK」という見出しが出ている。
記事の中身を読むと コロナの感染対策を取った上で、、ブラスバンドの入場を50人以内で認める
という内容の記事になっている。
いやあ、嬉しいことだなと思う。
多分1990年代と思うけれど、僕は甲子園球場の外野スタンドで夏の高校野球を見ていた。
一回の表、先攻する高校のブラスバンドが立教大学の一般にセントポールと呼ばれている応援歌を演奏した。
この立教大学のセントポールという応援歌はプロ 高校野球を問わず、ひろく野球の応援で演奏される。
最近プロ野球、見に行ってないけれど、阪神タイガースの応援団もこの曲をけっこう演奏していたと記憶している。
さて、その試合の一回の表が終わって一回の裏、今度は後攻のチームのブラスバンドがやはり立教大学のセントポールという応援歌を演奏し始めた。
演奏が始まった瞬間 うまい! と思った。
先攻のチームのブラスバンドの演奏とは同じ曲でもリズムの ため 彫りの深さ、装飾音の明晰さ がぜんぜん違う。
いやあ、どこの学校のブラスバンドかと思ってスコアボードを見ると、後攻は天理高校だった。
うーん 天理高校のブラスバンド すごい とあのとき思った。
僕が見に行ったのはまだ夏の大会の一回戦で、一日炎天下で四試合もあるから、もう暑くてどの学校とどの学校の対決かも意識せずに、夏の甲子園の雰囲気を味わうという感じで外野スタンドにいたけれど、天理のブラスバンドであのときは目が覚めた。
僕は高校のブラスバンド活動について詳しいわけでないけれど、甲子園はブラスバンドの腕の見せどころでもあるように思う。
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予備校に勤めていた頃、ちょっと活発な感じの女の子がアルバイトに来ていた。
大阪の北河内にある公立のS高校のブラスバンドでクラリネットを吹いていた子だった。
面白い子で 一週間くらい大学の願書の整理の仕事を黙々とやっていたかと思うと、急に「私、この仕事やって、関西圏の大学の場所、だいたい覚えたわ」と言い出したりして。
その一言がなぜか気にとまって、お昼休みに会社の休憩室で弁当を食べならがその子と話をするようになった。
「私、普門館に行ってブラスバンドの大会、聴いてくると、もう鳥肌が立って気持ちがスーッとするわ」とかそんな話を思い入れたっぷりにしてくれる子だった。
※その子の話によると普門館というのは当時 高校のブラスバンドの大会が行われる場所とのことだった。
あるとき その子の口から「ボサノバ」という言葉が出た。
「ボサノバって何?」と僕が聴くと。その子は「〇〇」と曲の名前を言った。
僕は「その曲知らない」というとその子は「△△」と曲の名を言った。
僕は再度「うーん その曲も知らない」と言った。
するとその子は「イパネマの娘」と言った。僕は「ああ、わかった」と言った。
なんだか、ボサノバって何かイパネマの娘のメロディを思い浮かべてみて本当にわかったような気がした。
そして、思った。
僕がわかるまで曲の名前でボサノバの具体例を挙げ続けてくれるって、前向きで親切な子だなと。
そして、こんなこともその時、思った、
音楽の言葉の定義って言語で抽象的にすることも大切かもしれないけれど、まずは具体例に触れて理解するってとても大切なことだなと。
具体例を見ることで理解する方法を、帰納的方法という事がある。
五郎さんもいつか死ぬ 恵子さんもいつか死ぬ 太郎君もいつか死ぬ 花子さんもいつか死ぬ だから人間はいつか死ぬ。
というように個々の具体例から一般的な理解を得る方法のことだ。
具体例に触れる、大切なことと思う。
ワルツも メヌエットも言葉で抽象的に表現すれば三拍子の舞曲。
ではワルツとメヌエットどう違うの?
言葉をつくして説明するよりも、具体的にワルツを聴いてみる、メヌエットを聴いてみる。
それを繰り返すうちに100%とは言えないまでも、かなりの確率でワルツかメヌエットか聴いて区別をつけられるようになる。(たぶん)
そういうものではないかと思う。
イパネマの娘を教えてくれた子 1976年生まれだから、元気にしていればもう45歳だなと思う。(なんで、そんなこと覚えてるんやと自分の記憶力の偏りにあきれてしまう)
きっと元気と思うけれど、、、。
それは ともかく いちにち いちにち 健康で無事に過ごせますように それを第一に願っていきたい。