8月29日は 愛知県芸術劇場コンサートホールに 名古屋フィルハーモニー交響楽団の演奏会を聴きに行った。
指揮は小林研一郎さん
大阪にいるころ 小林研一郎さんは 毎年8月に 未完成 運命 新世界より の3つの交響曲を一晩で演奏する 三大交響曲の夕べ という特別演奏会を開いておられた。
在阪中に 何度か この演奏会にはいった。
同じ プログラムでも リピートして行きたくなるような内容だったと記憶している。
さて、最初に演奏されたのは
小山 実稚恵さんのピアノで ベートーヴェンの ピアノ協奏曲第5番 「皇帝」
生演奏で 視覚を伴う状況で聴いていると オーケストラの部分は 結構 木管楽器が しみじみと 歌う場面も多いんだなと感じる。
小林研一郎さんは よく チラシに 炎のコバケン と書いてあって 実際に 情熱的な演奏が多かったけれど 皇帝は 割とマイルドな 感じの 演奏だなと思った。
小山 実稚恵さんのピアノは 炎の小山 という感じの演奏ではないので それにつられたということが大きいのではと思った。
小山 実稚恵に関しては 大阪にいるころ いずみホールにベートーヴェンのピアノソナタを演奏するリサイタルに 何度か 足を運んだ。
その時に 僕が 小山さんのベートーヴェンは こんな感じ と思って 心に抱いていたイメージと 小山さんの 皇帝の演奏は どこか かぶるところがあったので いずみホールで聴いた実稚恵さんのベートーヴェンの体験が心によみがえるようで それは 個人的にはちょっとうれしいことだった。
第二楽章を聴いているときに いやあ 生で聴くと これは 壮大な ロマンツェだなと思った。
それで 思い出したのだけれど 第一楽章も これまでは エネルギッシュな音楽だと思っていたけれど しみじみと 心が安らぐ場面も多いのだなあと 感じた。
この曲は 第二楽章から 第三楽章が切れ目なく 演奏される。
第二楽章の終わり(たぶん)でピアノが 第三楽章のメインテーマの 断片を ちょっと 出して それから 一気に 快活なリズムの 第三楽章に突入していく。
小山 実稚恵さんの演奏 この 第三楽章に入るところ うまく決まったと思った。
きっと、実稚恵さんも それに 満足されたのだと思う。 ピアノに続いて オーケストラがこの快活なテーマを演奏するところでは 上半身をスイングさせて 自ら オーケストラを指揮しておられるような感じだった。
実稚恵さんの その うれしそうというか 満足そうな さまを見て いかにも 実稚恵さんらしいな と思った。
あの うれしそうな しぐさを 見るだけで コンサートに来て よかったと思ってしまう。
アンコールに 小林研一郎さんに促されて エリーゼのために を演奏されたけれど これも とても 丁寧な 演奏で 感激した。
20分の休憩をはさんで次に演奏されたのが
ブラームス 交響曲第1番
第一楽章で ティンパニーが 指揮者の正面に陣取っていたので よく目に入った。
冒頭のところで ティンパニーの響きが 耳に入ってきたので そこに目をやると ティンパニー奏者の方が 二台のティンパニーを 左右同時にたたいておられた。
ふだん あまり ティンパニーの方を見てないせいもあるのかもしれないけれど あんな たたき方 初めて見た と思った。
そうか ブラームス交響曲第一番 第一楽章の ティンパニーは あんな風にたたくんか とちょっと感激してしまった。
それで 家に帰ってきて ユーチューブで ブラームス一番の 動画をいくつか 見てみた。
1975年に カールベームさんが ウィーンフィルと来日されたときの動画では 一台のティンパニーを左右の腕で 交互にたたいておられる。
僕には これが 見慣れた光景に思える。
ところが 洗足学園大学の 動画を見ると やはり 二台のティンパニーを 同時にたたいている。
これが 最近の 傾向なのか それとも いろんな たたき方があるのか。
そのあたりは 僕は楽器の演奏には 疎いのでわからない。
ただ、第一楽章は ティンパニーが 演奏の印象を形成するのに とても 大きな役割の担っていることは 間違いないと思った。
ベームさんの演奏の ティンパニーのたたき方は 晩年の ベームさんの 何とも言えない 力の抜け感 にうまくマッチしているように思うし。
二台 同時にならす 力強い 感じも また いいし。
しかし 小林研一郎さんの 第一楽章の 指揮が 力強かったかというと これが また何とも言えない印象だった。
炎のコバケンを思っていたけれど 意外と マイルドやん と思う場面も多かった。
小林研一郎さんも 80歳を過ぎて 円熟の境地か それとも 年齢からくる 衰えか いったいどちらだろう と思っているうちに 演奏が どんどん 進んで行ってしまった。
僕は これまで 名古屋フィルは 定期演奏会しか 行ったことがない。
8月29日のような 特別演奏会だと 定期演奏会とは ちょっと お客さんの層が違うように感じることもあった。
なんというか 普段 音楽を 聴きなれていない人が 観客に占める パーセンテージが高いというか、、、。
そんな ことを 考えて ちょっと気が 散った側面もあるかもしれない。
ただ、 演奏会というのは 演奏者と 聴衆の 両方があって 初めて成り立つものだし 演奏会の 印象は 演奏者だけで決まるものではなく 演奏者と 聴衆の 双方が生み出すものだということを 自分なりに 思い知ることになった。
あれこれと 考えているうちに 演奏が どんどん進んで行って 気づいたら終わっているという感じだったこともいなめない。
しかし ブラームスの一番も 木管楽器の使い方は 味わいがあっていいな と思った。
もちろん 金管楽器も 素晴らしかったけれど。
帰りは 40分くらいかけて 名古屋駅まで歩いた。
コンサートの帰りに 歩いているうちに 少しずつだけれど 名古屋にも慣れてきている気がする。
それは ともかく いちにち いちにち 無事でありますように それを 第一に願っていきたい。
■風立ちぬ
松田聖子さんの「風立ちぬ」をカラオケDAMの音源で歌いICレコーダーで簡易に録音したものをアップロードします。
聴いていただければ幸いです。
詞にもメロディにも そして 聖子さんの歌い方にも 何とも言えないムードがあって好きな歌です。
大瀧詠一さんの作曲 松本隆さんの作詞です。
↓松田聖子さんの「風立ちぬ」をカラオケDAMの音源で歌いました。