南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 





 福岡市の隣町である新宮町に昨日オープンしたばかりのスウェーデン生まれの世界的家具屋さん『IKEA福岡新宮店』に行ってきた。
 IKEAはテレビでも特集が組まれるほど非常に評判が高い。聞いた話だと、「IKEA攻略本」まであるらしい! おいおい、ゲームじゃあるまいし。
 さあ、どんなとこなんだろう…?


 昨日は入場制限をするほどの長蛇の列ができたというので、入店できるかどうかちょっと焦ったが、博多駅から270円の切符を買って、思い切って行ってみる。
 新宮中央駅の改札を出ると、「おおっ…」青い壁に黄色の文字で「IKEA」と書かれた巨大な建物が目に入った。ちなみに青と黄色はスウェーデンのカラーでもある(国旗の色ね)。
 この時間(19時前)ということもあってか、行列もなく、難なく入店することができた。ふう、ひと安心。

 入ってまずビックリ。天井が異様に高い。
 うーん、なるほど。卸問屋の倉庫をそのまま店舗にしたような造りか。最近、この形態の店舗、よく見掛けるよね。
 そして従業員の多さにビックリ。開店したばかりとはいえ、こんなに人数要るのかな? まあ、他店からの応援もいるんだろうけどね。


 しかし、期待とは裏腹に、いくつか気になった点が見られた。
 「これが外国式のルールだ!」と言われればそれまでなんだけど、ここは日本国なんですよ。

 まず、客は原則、決められたルート(矢印)の通りに進まないといけない。逆走したらひんしゅくを買いそうだ。つまり、自由に自分の好きなコーナーから見て歩けないのだ。
 しかもルートは、ここ福岡新宮店の場合、まず強制的に2階に行かされるのに、原則、エレベーターは使えない(ルート上にエレベーターがない)。じゃあ、足が悪い人とかはどうすんのよ?

 何と、手の届く範囲に陳列された商品を店員に取って貰ったら追加料金が発生するらしい! つまり、商品は自分で取って、カートに積んで、そしてレジまで(当然、車までも)運べというコンセプトらしい。
 ほほう、力の弱い高齢者、障害者、女性、子供は無視ですか。
 日本の家具屋さんなら、重かったり取りにくかったりしたら、店員さんに言えばすぐに笑顔で対応してくれますよ。もちろん無料でね!

 2階のスウェーデン料理のレストラン入口。
 乳母車やカートなどは「他の客の邪魔になるから」と立ち入り禁止。店員に制されて、入店を諦めた赤ちゃん連れのお母さんがいましたよ。
 しかも、学生食堂か社員食堂のようにセルフサービス。「安く提供するため」と言っているその割には、正直値段は安くはない(適当に取ったら2人で軽く3,000円くらい)。選べるメニューも少ない。私が知ってる学食や社食の方がマシかな。
 ご飯系はカレーのみ。しかもレトルトっぽい味。カレーのどこがスウェーデンなの?(そういや、スウェーデン料理ってなんなんだろう?)
 日本のレストランのように、肉や野菜の産地の表示もカロリーも何も書いてないため、その辺気になる人はある意味イヤかも…。
 これなら、1Fで100円ホットドッグでも食べればよかったな。
 まあ、家具屋さんのレストランに期待する方が間違ってるけどね(汗)。

 1階のレジ直前のセルフサービスエリア。
 およそ3階建てくらいの高さの陳列棚に「これでもか」と言うくらい商品が積んである。そう、先ほどチェックした商品のうち、大きなものはここにまとめて置いてあるのだ。そして、ここで客は自分で商品を取ってカートに乗せなければならない。
 だが、地震が多い日本。このエリアにいる時に地震が来たら…、何10kgもある商品が頭上から次々と落下してくるだろう。考えただけでも身震いがする。

 トイレは、雨水利用はまあエコでエラいと思うが、水が汚いこともあり汚れて見える。実際、前の人が流さなかったのではと勘違いするレベルだった。気持ち的に使いたくない…。
 しかもトイレの場所が遠い。ルート上になく入口にだけって、どうなってんの?

 最後、ごく一部の店員(特にレジ)の言い方がいちいち冷たい。
 店内では買い物かごの代わりに黄色い袋を使用するのだが、レジのベルトコンベアーに置いたら「黄色い袋はあっち(レジの手前)に置いて、中身だけコンベアーに置いてください。(そんなことも分からないのか、勉強しとけよ)」と、その言葉の中にトゲがあるように聞こえた。
 しかも、清算後、ベルトコンベアーの途中に引っかかった商品を、店員が私の方へポイっと投げた。これにはちょっと怒りがこみ上げてきた…。
 まあ、オープン2日目でまだ慣れていないのと、疲れが溜まっていることは察するが、こういうことをしちゃいけないよね。
 親会社はスウェーデンでも、ここはおもてなしの国日本なんだから。社員教育がなってないね。


 うーん。
 福祉の国・北欧スウェーデンから鳴り物入りで来た割には、高齢者や障害者、子供連れに不親切な感じを受けた。バリアフリーやユニバーサルデザインの世の中なのに、ちょっと逆行してるんじゃないかな。
 ルートを指定されるなど、自由度の低さも気になるところ。店の入口、出口も決まってるし。
 家具は、確かにいろいろな面白い洗練されたデザインのものが充実しているが、どうも日本家屋の中に置いたら場違いで浮いてしまいそうなものが多いかな?
 あと、商品説明札。多国語表記はいいとしても、説明が「中国語のみ」の商品が多く、日本人を軽視してる? そりゃ漢字で書いてあるからおおよそ理解できるけどさ、でも簡体字中国語は日本じゃ使わないんだよね。
 ここは日本なんだから、日本語でちゃんと説明してね。

 まあ、人それぞれ好みがあるだろうけど、私は…。


【写真1】外観


【写真2】レストランのメニュー


【写真3】かわいい壁掛けライト

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