taraの日常

好きなものいろいろ

田中一村展

2021-03-15 20:25:38 | 美術
田中一村、いつか実物をみてみたいと思っておりました。奄美大島か佐川美術館にいかないとダメなのかな~と思っていたのですが、千葉市美術館で展覧会が…おお~!これは行かねば!ってことで、2月最初の日曜日千葉まで行ってまいりました。
  
20年ほど前、西千葉まで通勤していた日々が懐かしい。錦糸町で乗り換えて30分ほど…よくこんな通勤を2年半もやっていたもんだ。千葉からはモノレールに乗って一駅。千葉勤務時代に早朝シフトの時に良く泊まっていた三井ガーデンホテルの傍に美術館はあるようなのですが…すみません、あの頃は職場からホテルまではタクシーを使っていた(もちろん、もうそんなオイタはしません)ので、千葉駅からの距離感が分からずモノレール初体験。懸垂式なので、当たり前だがレールがない。ちょっと驚く。そして案外高いところをガンガン走るので、それもちょっと驚く。

千葉市美術館は大きな石柱が並び立つ建物。でも、中に入ると優雅な内装。…?説明を見ると、建物の内部は奇跡的に空襲焼失を免れた昭和2年建造の旧川崎銀行千葉支店。新建築で旧建物を覆う「さや堂」方式を用いて保存修復をしているそうです。
    銀行らしい重厚な造りです。

さて、田中一村展。若いころから千葉時代の絵が中心で、奄美時代の絵が思ったより少なく…。どれもこれも上手い、とにかく上手いのよ。けれども、奄美時代の絵と比べるとそれ以上の何かっていうものが感じられないような気がする。(シロウトの呟きなので間違っていても大目にみてください
  
思うに…ものすごく真面目な勉強家で、ちゃんとした生活者としての面も持っていて、こう…なんていうか、常識人の器に非凡な才能が入ってしまった人って感じがする。上手さ巧みさで終わってしまい、奥底にある天賦の才が発揮できないっていうのかなぁ。でも…奄美時代の絵は本当に素晴らしい。この画風の変化…画家田中一村に何が起きたのでしょうか。
 見たかった「アダンの海辺」。緻密でドラマティックな緊張感がある。
最期は奄美のアトリエで孤独に亡くなったのだけれども…でも、これだけの作品を描き後世に残せた田中一村という画家は、案外幸せだったのかもしれないなぁとちょっと思いました。

併設展「ブラチスラバ世界絵本原画展」。なかなか見ごたえがありました。東欧独特の色彩感がとても素敵。
 島野雫「うずらかあさんとたまご」にとっても大注目。ヘビさん以外におおかみさんとからすさんも登場します。画力がとても高い画家さんなんだろうなぁ。リアル描写なのに不思議とほのぼのとしたあたたかみを感じさせる絵本。
 常設展示 諏訪直樹「無限連鎖する絵画 PART3 No.32-50」むちゃくちゃスタイリッシュな空間。人がぜんぜんいなくて落ち着く。

 カフェ「Café de Seizan」 美術館併設の喫茶コーナーで一休み。パンがさっくさくで美味しい!ソファは銀行で使っていたものなのかしら。ゆったりしていて落ち着きます。

    
建物の写真を何枚か写して千葉市美術館を後にしました。…こうなるとアカショウビンの絵も見たいし、ソテツの絵もおさかなの絵も見たい。やはり、奄美にいくしかないのか?などと考えつつ千葉駅まで歩きました。なんだ、そんなに遠くないじゃないか。ちょっと寒かったけれど充分歩ける距離。途中千葉名産品のお店でピーナッツ味噌を買いました。
 モノレールの軌道の曲線が美しい。