すずめ休憩室

日々のこと、好きなこと、飼っていたペットのことなどなど・・・。
気の向くままにつづってみました。

「地の果てへの道」アルカサル-王城-外伝2

2008年07月21日 | アルカサル-王城-(歴史関係)
待ちかねていた外伝第2弾です~♪

外伝1弾「公爵夫人の記」はランカスター公へ嫁いだ娘コンスタンシアが主役。もちろん王様の死後のお話でコンスタンシアの夫で波乱万丈な人生を送ったランカスター公・ジョンと父であるドン・ペドロの復権の為に苦悩し耐えたコンスタンシアが送った激動の人生を書いた比較的シリアスなお話だったのに対し、今回の第2弾は元気いっぱいの王様とロペスをはじめ側近たちが出ていて、読んでて楽しかったワン

女性はマリアすらも出ていない、まさしく男だけの「男祭り」(爆)
先生自身が楽しんで書いてらっしゃるのが伝わってきました

今回の外伝、実はある作品とのコラボが実現というファンには嬉しいサプライズがありました。
まー「アルカサル」ファンならこの時代にダブっている青池キャラといえばお解かりの、あの「修道士ファルコ」がここで再び♪だったのです

アラゴンとナバーラの密約がまさか彼をひっぱりだすとは・・・すんごいサービス
セビリアの伝承と伝説」を元にした「ファルコ」の第一話で、ファルコは自身の身元を「ナバーラ王家に連なるもの」と言ってましたが、それがここで「ナバーラ王のまた従兄弟でサンチアゴ騎士団長のラモスの甥のベルナルド」がファルコの素性であると明らかに!!

それにしても史実性という部分では疑問視されている「セビリアの伝承と伝説」にちょこっと出ていた名のない剣客の修道士が青池先生にかかっちゃうと、こうししっかりとしたキャラに生まれ変わっちゃうんだからなー凄いわ

そしてあと1人「ファルコ」に登場していた人物も出ているんです

「ファルコ」2巻でリリエンタールの修道院の乗っ取りを画策したマティアスくんを覚えていらっしゃいますでしょうか?
傲慢の罪を犯し、ドイツからイベリア半島のサンチアゴまでの巡礼という罰を受け、事実上僧院を追放された彼ですがな

辛い巡礼の果てにすっかり性格が変わったようで、最初見たときに「あのマティアス」だとは判らなかったよ、私。いや、自分の記憶力の無さを棚にあげているのもあるんだけど(笑)
それにしても皆元気でよかったわ^^


って事で「アルカサル」「ファルコ」とこの時代の漫画キャラが入り混じってとっっっても楽しい外伝でした

さてコミックスでは全13巻で完結していますが、未収録の番外編「アンヘラの飛翔」をはじめ、これまで発表された外伝を合わせるとコミックス1冊分にはなりそうなんだけど、ちゃんと出るよね~

今「アルカサル」の文庫が出ているんだけど、まさか未収録分は文庫収録のみって事は・・・ないよね??

頼みますよ~秋田書店さん!!

「公爵夫人の記」アルカサル-王城-外伝1

2008年03月13日 | アルカサル-王城-(歴史関係)
昨年、9月に13巻が発売され、23年かけて完結した「アルカサル-王城-」の番外編が先月プリンセス・ゴールドに掲載されました。

今回も活字が多い濃ゆ~いお話でした(爆)
今まではイベリア半島側、主にカスティリア側からみた歴史でしたが、今回は英国側、黒太子の弟でランカスター公ことジョン・オブ・ゴーントと彼へ嫁いだドン・ペドロの娘・コンスタンシアを中心に激動の時代を書いています。

ドン・ペドロの生涯でさえ色々はしょりながらの13巻。ランカスター公もそれに負けず劣らず濃い人生、それを60ページに纏めるなんて至難の業ですわ・・・先生凄すぎる!!
詩人であり、ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントに仕えていた「カンタベリー物語」の著者でもあるチョーサーが語るという形で物語は進んでいきますが、あまりに濃ゆいので1度だけじゃ脳タリンな私の頭では理解できなかった(苦笑)


ただねーちょっと思ったのは完結編では妹のイザベルと

「ジョンには愛人が1人しかいないのよ」
「エドムンドには1人もいないのよ」
「お互い余計な悩みがなくて良かったわね」

と朗らかに語っていたコンスタンシアもやはり辛かったんだな・・・・と。

祖国を追われて異国で暮らすのに、夫は愛人のトコに行っていたら悲しい訳ないないもんね
父ドン・ペドロに対する想いがファザコンぽく書かれているけど、それだけが心の支えだったんだろうな・・・と感じちゃいました

さてこの「公爵夫人の記」は外伝の第一弾なんだそうですよ
第二弾はいつ執筆されるんでしょうか??
また、GOLD誌上で情報が載ったらお知らせいたしますね。

それはそうとチョーサーの書いた「カンタベリー物語」は日本でも和訳されているようなんですが、全24編からなるそれは角川から出されているのは抜粋版で、完訳は岩波文庫から出されている桝井迪夫訳『完訳カンタベリー物語』みたいです

アマゾンでも入手可能のようなのでちょっと読んでみたいなーと思案中(笑)

たぶん同じように思った人多いはず(爆)

エリザベスゴールデンエイジ

2008年02月19日 | アルカサル-王城-(歴史関係)
時は1585年、幾多の苦難の末、イギリスの女王となったエリザベスはプロテスタントの処女王として国を治めていた。独身のエリザベスに対し、求婚とは名ばかりにさまざまな思惑を持った各国がイギリスを狙う。最大の敵はヨーロッパ全土をカトリックの国にしようしているかつての義兄・スペインのフェリペ2世・・・そんな中、自らを売り込もうと1人の男がエリザベスのいる宮廷を訪れる。海賊にして探険家ウォルター・ローリーその人だった・・・


自ブログのコメント欄でひっそりと話題にしているエリザベス:ゴールデン・エイジ を見てきました~

前作「エリザベス」から10年・・・イギリスでは「女王の時代にイギリスは栄える」といわれる言葉にもなってますがエリザベス1世の統治世(黄金時代=ゴールデンエイジ)を舞台にした作品です。

ん~なんか見てて豪華さと迫力に押されつつ、個人的には少し悲しかったな・・・
私はどうしても「女性の立場」から見てしまうからなんでしょうけど、「独身の女王」というメリットを国益の為に最大限利用しつつも、自分自身の「女しての幸せ」に関しては放棄しているというか、いや正確には放棄しようと思っていつつもそれを捨て切れなくて苦しんでいるトコロが・・・。
何にしても頂点に立つ人と言うのは色んな決断に際して凄い孤独感に襲われると思うんですが(それを乗り越えられる人だけが頂点に立てれるのかもしれないけど)そういうのがヒシヒシと感じました

ウォルターに恋心を持ちつつ、理性ではそれを押さえ侍女のベスに「なりたかった自分」を投影させて満足しようとしていても、実際に「なりたかった自分」はけして「自分ではなりえない」と判ってしまった時に見せた感情の爆発・・・そんなトコロとかね
個人的には「行っちゃえ!!行っちゃえ!!GoGo!!」とか「そこで抱きついちゃえ~!」と思いながら見てたんだけど(爆)ほんとなんでそこまで我慢するの?と思ったくらい

史実のエリザベスは公然の愛人がいたりと必ずしもそうでは無いと言われていますが、この映画では国を第一に考えそれらの色んな感情や障害を乗り越えての彼女を描き、それがあの神々しいまでのラストの姿に通じているんだなーと

主演のケイト・ブランシェットは前作からのこの10年で2児の母となられたそうなんですが、実生活で母となったことでの演技の深みというか、ラストのあの表情に自分がすべての国民の母である事を悟ったエリザベスと実際に母となっている彼女が重なり、母親となった人が持つ慈愛みたいのも感じましたね


それにしても、てっきりウォルターってエリザベスの愛人と言われているロバート・ダドリーと海賊でありながら爵位を授与されたドレイクを合わせた架空のキャラかと思っていたらウォルター・ローリーって実在の人物なんですね~
そして侍女のベス(エリザベス・スロックモートン )やメアリの監視役のアミアス・ポーレット実在の人物なんですね~ビックリでした

歴史モノは好きなんですが、それほど賢くない私、今回拙宅の常連さんでもあるKE007さんやB型さんにこの時代やこの映画の色々なお話をお聞きしてから見たのでとっても楽しく拝見できました。

桐生操さんの本だったかな?エリザベスが自分の臣下や侍女の結婚に煩く、結婚前に妊娠しようものなら物凄い怒ったと書かれていた記憶があるんですが、そういう事とか(ウォルターとベスの関係が判明したシーン)、B型さんやKE007さんの教えてもらった「赤には殉教の意味がある」とか(メアリ女王の処刑のシーン)、「歴史映画の衣装の史実性が実は60%程度」だとか、「当時イギリスでは赤毛が流行って、化粧も鉛おしろいを使い、眉を抜いていた」こととか(劇中でもエリザベスのチリチリ赤毛はカツラの使用という設定でした)、また敵国のフェリペ2世が王子ではなくイザベル王女を連れているシーンが多々あるんですがwikiによると王子より彼女の方を溺愛していたという話も載っていたりして、そんなのが映画を見ながらフムフムと検証できて面白かったです

私自身、前作「エリザベス」を見ていないので見ていればもっと楽しめたのにな~と思いますが、エリザベス1世と言う歴史的偉人とその時代背景を題材にしつつ、愛や女としての葛藤なんかも書かれていて歴史好きの人にもそうでない人にも楽しめる仕上がりとなっていると思います


こっそり続いているチューダーネタの詳細を知りたい方はこちら →ヘンリー8世とその家族

ヘンリー8世とその家族

2007年06月19日 | アルカサル-王城-(歴史関係)
色々新事実が判って面白いのと、映画も公開という事でエリザベス1世、ヘンリー8世を関係を新設しました。


思いっきり、カキコしてくださいませ(笑)

今までの経緯を知りたい方はアルカサル-王城-続き③のコメント欄後半をご覧下さい


「イブの息子たち」に出てきていたヘンリー8世の妻は
・ムキエル
・旗本退屈男
・コロンブス
・マルコポーロ
・無名の端役
・ダ・ヴィンチ
あと誰だっけ??(苦笑)


アルカサル-王城-続き③

2007年06月19日 | アルカサル-王城-(歴史関係)
増設しました

一応、相関図ジェネレーターなどもしてみましたので、載せておきます

王様がみたら激怒しそうだけど(苦笑)






追伸:たれぞ~さんとアルカサルの仲間たち


エル・レビを師とするケチケチたれぞ~さんは用心棒になるくらい強そうですが、それより強いのはやはりマリアでした(笑)

王様をコントロールするくらいですもの、やっぱりね(爆)


そして追伸③
エロイカでもやってみました


クラウスとロレンスが「他人」というトコに笑えました
よっぽど嫌いなのね・・・少佐(苦笑)
そして部長にはやはりおホモ達疑惑か?(爆)

やはり、あなどれません、ジェネレーター

アルカサル-王城-完結編(後編)

2007年06月19日 | アルカサル-王城-(歴史関係)
とうとう本当に終わっちゃいました。
ほんと王様の最期や彼の娘達、そして気になっていたエンリケとカタリナの事等、知りたかった読みたかったことがぎゅ~っと凝縮され、なんか女太閤記カスティリア版を読んでいる感じでした(笑)

あらすじなどはアルカサル-王城-完結編(前編)でも書きましたので省きますが、後編の感想などを少し・・・※ネタバレしてます



前編でドン・ペドロの死までいっちゃったのと、先生の日記でも「後編は彼の娘達のことを書く」とあったので、たぶん彼らの孫同士の結婚までは書くんだろうな~と予想していましたが、その他の近隣国の事情なども丁寧に書かれていて、混沌としていたイベリア半島史を読者に少しでも判りやすいようにと、配慮されているのが感じられました。

う~ん、確かにそこまで書かなかったら、何故敵対していた両方の孫同士の結婚がなし得たのが判り難いですもんね~

あれまで詰め込んだら、ダラダラと説明に頼りがちになるところを、ちゃんと説明とストーリーをしっかり分け、「漫画」として纏められているのにやっぱりこの人は凄い!と思ったくらい

庶子であるエンリケの血統は王位略奪者という汚名を拭い、王位の正当性を主張する為、そしてペドロ直系のコンスタンシア側はドン・ペドロの名誉回復とペドロ直系の王位復活いう2つの思惑が重なった訳ですが、コンスタンシアにとったら何せ父の仇だからね~よく決断したなと。

河惣さんの「花巡礼」でも王家の血の存続というものに拘りがありましたが、絶対王政が確立していなかったあの時代でそれを残すという事は何にもまして大変で大切な事だったんでしょうね。
血の融合での和解や存続というのは古今東西ありますが、これがあったからこそ、後のスペイン王国の礎になった訳ですから、周りに推されたとはいえ、その決断にはある意味、政治的才能すら感じました。

ちょっと話がズレました

さて気になっていたカタリナですが、ああいう形での登場とは恐れ入りました。
エンリケの独占欲にも似た愛の為、不幸を強いられた彼女に対し、最初の頃はボルジア兄妹を少し連想しましたが、なんか気の毒すぎました、カタリナ。
あの関係が史実なのか創作なのかはわかりませんが、その強さがあるのなら、生きているうちに出せば良かったのに・・・と思いながらも案外あのカタリナの亡霊はエンリケの後悔の表れなのかなとも思ったり・・・

でも亡霊でも登場してくれて良かったな・・・
だってコンスタンシアとイザベルだけで話が終わったら、カタリナのことが気になった読者はたくさん居たと思うから(苦笑)

それにしても、主要キャラが全部死んでしまうというのは悲しいもんです
ロペスは性格上、ああいう最期だろうな~と感じていたけど、ペドロ派で唯一生き残った、ロドリゲスも不慮の事故で亡くなるし・・・
でも中年に差し掛かった、彼、カッコよかったわ~
若い頃はいかにも「良家のお坊ちゃま」だったのに、苦労が彼を変えたのかしら?渋みが出て、いいオジ様になってた(笑)


この後編は本編と前編と違い、女が主体という感じがしました
ブランシュ姫なと道具のように扱われた政略結婚で不幸になった女性も多々いたのは確かなんでしょうけど、やはり女っていうのは歴史を裏から支えているんだなぁと改めて思いましたね

コミックスが出たもう一度通して読んでみようっと


アルカサル-王城-完結編(前編)

2007年02月21日 | アルカサル-王城-(歴史関係)
  「アルカサル-王城」 青池保子著 秋田書店

いや~待ちに待っていた続編がやっとGOLDの3・4月号に掲載されましたね。
ほんと諦めないで良かった

最後のコミックス12巻が出てから13年目ですよ。
久しぶりに見るちょっと王様はちょっと年取ったな(笑)という感じもしましたが、13年も経てば仕方がないよね。


14世紀、正式なるカスティリア王の嫡子として産まれながらも父の愛妾が権力を握る宮廷に疎まれながら育ったドン・ペドロ。父亡き後、自らの王座を狙うもの達と戦わなくてはならなかった。最大の敵は異母兄のエンリケ・・・。
後の世で「残酷王」「審判王」などさまざまな異名を持つ事となるカスティリア王ドン・ペドロ1世の熱く激しい生涯


日記の中で青池先生が「成仏」という言葉を使っているように、この前後編で一気に完結ということで、前後編各100pというページ数の関係もあるんでしょうか、じっくり描かれていた今までとは違い、ドン・ペドロの腹心の部下のマルティン・ロペスの回想という形で進められていきます。
あまり未読の人もいると思うので詳しくは書きませんが、それにしてもこの前編でドン・ペドロの最期まで持っていったというのには驚いた!!
かなーり一気に残りの生涯を書いていますね。

残りの後編は6月に掲載予定とのことですが、後編の方でエンリケとの対決などの詳細を描かれるんでしょうか?実在の人物なのでどういうラストなのかは知ってたけど、こういう展開で持っていくとは正直思わなかったなというのが感想かな。

私個人としてはちゃんと「黒太子のルビー」の話が描かれてるのが嬉しかった。
今も英国王室の王冠の中心にさん然と輝くルビーが元々はこのドン・ペドロが送ったものなのよね、うふふ。

そうそう余談になりますが、歴史漫画の中ではマイナーな人物のドン・ペドロくんですが、実は他の漫画にも出ているのを知ってますか?

それは蒲生総さんの「ガーター騎士団」
こちらの主役はドン・ペドロではなく、英国王子である・エドワード黒太子となっています。
この中でのドン・ペドロ王はエドワード黒太子の騎士道精神を利用するズルさを持った王として、そして一方のエンリケは王位略奪者のはずなのに何故かドン・ペドロよりカッコよく描かれてました

エンリケより弟であるペドロがオッサンっぽく描かれているのになんか納得できん!(爆)

この時代ってアリエノール・ダキテーヌがイギリスに嫁いでから仏国内にあった英国領を巡っての英仏戦争の時代ですもんね。
そんな理由もあってドン・ペドロとエンリケの対決も英仏の代理戦争の様相を見せてるんだと思いますが、同じ時代を扱っているので読み比べて見るの一興だと思います

あ~6月の後編が待ち遠しい・・・
そして黄金をいっぱい持っていたはずのエル・レビは一体どうしたんだろうか?
彼が財務大臣だったならまた歴史は違っていたかもしれないのに(汗)