市内で発見の近現代遺物を紹介 長岡京で講演

2011-09-05 13:02:49 | 歴 history
市内の発掘調査で見つかった近現代の遺物について語る原主査(左端)=長岡京市立中央公民館 「発掘された近・現代の生活遺物」と題した歴史講演会が4日、京都府長岡京市天神の市立中央公民館であった。市埋蔵文化財センターの原秀樹主査が、清水焼の陶工が市内に移住して形成された「陶器町」の窯跡などに触れながら、明治~昭和期のまちの姿を語った。

 「もっと知ろう長岡京市の昔と今」と銘打った本年度の連続講演会の3回目で、「長岡京市ふるさとガイドの会」が企画した。

 原主査は発掘調査で付随的に出土する遺物に注目し、水琴窟について「明治以降、寺院や裕福な商家の庭に造られた」と説明した。西国街道沿いの工場で生産された「将軍印」の缶詰のラベルも紹介し、「国鉄神足駅ができる前は、缶詰は水運で運ばれたのでは」と推測した。陶器町の窯跡周辺からは、陶製のコンセントやスイッチ、当時の村界を示すくいも見つかったとした。

 近現代の遺物について原主査は、「国は文化財価値の低い物を、調査者が発掘現場から持ち帰らないよう指導しているが、地域史にとって重要な物は例外としている。こうした遺物は当時の人々の生活に思いをはせる契機になる」と意義を指摘した。

【 2011年09月05日 11時46分 】

モノが語る日本の近現代生活―近現代考古学のすすめ (慶応義塾大学教養研究センター選書)
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慶應義塾大学教養研究センター


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