拡大竹林、侵食防げ 京都・長岡京、伐採、整備に注力

2016-07-03 15:35:36 | 木 plants
 人の管理を離れた放置竹林が雑木林や人工林を侵食していく「拡大竹林」が、京都府長岡京市西部の西山で広がっている。放っておけば、豊かな自然をたたえる西山の風景を一変させかねない。市は、昨年度からタケの伐採に乗り出すなどして、拡大竹林の整備に本腰を入れている。

 市内には、特産のタケノコを栽培する畑など、山麓部を中心に竹林が広がっている。近年、タケノコ栽培農家の後継者不足や土地所有者の高齢化などで放置竹林が増え、タケが増殖する要因となっている。

 問題となっている品種は、主にモウソウチク、マダケ、ハチクの3種類。いずれも成長力が非常に強く、数カ月で20メートル前後まで伸びる。大きくなるために広い空間や光を必要としないこともあり、うっそうとした竹林が際限なく広がり、他の植生を衰退させ、生物多様性にも影響を及ぼしてしまう。

 昨年、市西山森林整備推進協議会が設立10周年を迎え、今後の活動指針となる整備構想の改訂版を出した。その中の最優先課題として放置竹林の拡大阻止を挙げ、森林所有者の同意を得て、市が竹林の最前線でタケの伐採を始めた。

 本年度からは、府が導入した森林環境税を財源とする交付金も使って整備を進める。この時期になると昨年伐採した最前線に若いタケが生えるたため、市内の業者に委託して伐採を再開。今後もこまめな伐採と管理を続ける。

 1983年と2012年の航空写真を基にした市の推計で、竹林は1年間に1メートル前後の幅で拡大するとみられる。あくまでも参考値だが、市農林振興課は「放置すれば拡大は加速することも予想される。これ以上の広がりを食い止め、西山の自然を守りたい」としている。

【 2016年06月28日 09時55分 】


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