青年僧が「六時礼讃」法要 光明寺、法然上人遠忌で

2011-12-06 21:00:49 | 士 cerebrity
夜に光明寺の御影堂に集まり、六時礼讃のお経を練習する青年僧たち(長岡京市粟生) 宗祖・法然上人の800年遠忌に合わせ、西山浄土宗の青年僧が15日から16日にかけて、同宗に伝わる法要「六時礼讃(ろくじらいさん)」を京都府長岡京市の総本山光明寺で行う。お経の一部は節回しが過去に失われたが、法然の時代に近い旋律を目指して復元に努め、1年かけてマスターした。当日は全国から約60人が集まり、遺徳をしのぶ。

 六時礼讃は、法然が中国浄土教から取り入れた。1日を4時間ごとに分け、日没(にちもつ)、初夜(しょや)、中夜(ちゅうや)、後夜(ごや)、晨朝(じんじょう)、日中(にっちゅう)の6回の法要を営む。お経の節回しである声明(しょうみょう)が美しく、多くの民衆を引きつけたという。

 いつの時代からか不明だが、同宗では中夜と後夜の法要は行われなくなった。経典は現在も残っているものの、節回しは口伝のため分からなくなった。

 同宗の若手の僧でつくる「全国青年僧の会」が昨年秋、今年の遠忌に向けた取り組みを検討する中で、中夜と後夜も含めた「完全版」の六時礼讃を行うことを決めた。声明を研究する正覚寺(大山崎町)の森田俊尚住職の協力で、法然の時代の声明に近いとされる江戸期の経典を基に、中夜と後夜の節回しを再現してもらい、CDに録音して各メンバーが練習に励んだ。

 青年僧たちは見慣れない譜面や幅広い音域に苦労しながらも徐々に節回しを習得。11月からはグループ単位で光明寺に集まり、本番を見据えて音合わせに取り組んでいる。

 「中部青年僧の会」の片本崇道(そうどう)会長(38)=京都市西京区=は「今回の復活を機に六時礼讃の研究をさらに進め、後世に伝えたい」と話している。

 初夜から後夜は閉門時間にあたり一般の人は見られないが、日没と晨朝、日中は御影堂(みえどう)で見学できる。

【 2011年12月06日 11時52分 】

法然浄土教要文集―法然上人八百年遠忌記念
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