「買い物どこに行けば」…イオン閉店で地域に不安 京都・向日

2015-06-01 17:46:06 | 商 trading
 「どこに買い物に行けばいいのか」。長年にわたり京都府向日市中心部の阪急東向日駅前で営業してきた「イオン向日町店」が31日閉店し、高齢者を中心とした地域住民に不安が広がっている。小売り大手イオンのグループ会社イオンリテール(千葉市)は新たな店舗形態での営業再開を検討中としているが、昨年10月に大型商業施設「イオンモール京都桂川」が開業し、地域経済を取り巻く競争が一段と激化する中、一部の商工関係者から「本当に新たな店ができるのか」と疑問の声も出ている。

 「長い間お支えいただきありがとうございました」。31日午後8時すぎ、200人を超える買い物客が見守る中、入り口のシャッターがゆっくりと閉まった。地域のにぎわいの中核を担ってきた商業施設が33年間の歴史に幕を下ろした瞬間だった。

 長年客として通い続けた近藤容子さん(72)=寺戸町=は「イオンには着る物も日用品も何でもあった。なじみの店がなくなるのはさみしい。これからどこに買い物に行けばいいのか…」と悩む。

 イオンリテールは5月から、同店でネットスーパーの利用方法に関する説明会を開いたり、イオンモール京都桂川での特典付きの宅配便を紹介したりするなど買い物難民対策に取り組んできた。ただ、近藤さんは「休日ならいいが、ふだん電車やバスでイオンモール京都桂川に行くのはしんどい」と漏らす。

 イオンリテールは現在地を前提として新たな店舗形態を模索しているが、数年の空白期間が生じることは避けられない。イオンの総合スーパー事業は今年2月期に初の営業赤字に転落したため、地元のある商店主は「イオンも経営状況が厳しいと聞いているが、本当に新しい店はできるのか。早く具体的な方針を示してほしい」と訴える。

 安田守市長は5月18日の記者会見で「(閉店で)人の流れが大きく変わる可能性がある。人の流れを見定めながら、できることがあれば早い段階で取り組みたい」と述べている。同時に東向日駅周辺の活性化も訴えており、市の今後の対応にも注目が集まる。

【 2015年06月01日 09時17分 】


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