祭りクライマックス、婚礼の儀式再現 京都・長岡京ガラシャ祭

2015-11-20 06:10:49 | 祭 carnival
 京都府長岡京市の一大イベント「長岡京ガラシャ祭」が8日、クライマックスを迎えた。あいにくの雨で行列巡行は中止となったが、長岡中=天神4丁目=体育館で行われたメーンイベント「婚礼の儀」などに多くの市民が詰めかけた。

 市内各会場で一斉に催しが始まる午前10時。阪急長岡天神駅の改札前で、ボランティアの市民が祭りのパンフレットを配っていた。「行列巡行は中止ですねん」。その言葉に少し寂しい思いも抱きつつ、東へ進んだ。

 午前10時20分。屋内イベントの会場「きりしま苑」=東神足2丁目=は、家族連れらで大にぎわいだった。子どもたちが模擬店の前に列をつくり、脳トレなどのゲームに熱中していた。

 朗読ボランティアが絵本の読み聞かせもしていた。認知症の高齢者を支える家族をテーマにした物語を、よく通る声で読み上げると、子どもたちが聞き入っていた。メンバーの石田美代子さん=一文橋=は「認知症のお年寄りに対して優しい心を育んで」と、願いを込めた。

 同苑から南へ5分ほどのニチユ三菱駐車場では、強まる雨脚にも負けず、多くの人が模擬店や地元農産物販売所で品定め。特設舞台では宮津市や福知山市のゆるキャラが集い、地元をPRした。第18代プリンセス天橋立の小林優さん(20)は「宮津もガラシャが住んだ縁がある。ぜひお越しを」と呼びかけた。

 午後0時半、婚礼の儀などが行われる長岡中体育館は、すでに人でぎっしりの状態。マーチングバンドスポーツ少年団らの演奏で幕開けし、玉役の佐藤満実子さん(34)=河陽が丘=と忠興役の米田昌平さん(36)=大阪府茨木市=が舞台上で古式にのっとった儀式の一部を再現し、契りを結ぶ杯を交わした。

 大役を果たした佐藤さんは「みんな行列のために練習を重ねてきたので中止は残念だが、たくさんの人に見てもらって感謝してます」。米田さんも「緊張したが、いい思い出になりました」と、晴れやかに話した。

 この後、継体天皇や菅原道真、桂昌院など市にゆかりのある古墳―江戸時代の人物に市民が扮(ふん)して登場。今年の藤原基経役は、市内で英会話教室の講師を務める米国人ブルース・オーテルさん(52)が務めた。平安時代の装束をまとい、堂々の立ち居振る舞い。「初めての体験で楽しかった」と笑顔を見せた。このほか、長岡京音頭や友好都市・静岡県伊豆の国市の伊豆の国音頭を両市民が一緒に披露する場面も。市中央公民館市民ひろばの特設会場では、雨の中で市民らが熱気あふれる踊りを見せた。24回目を迎えた市民手作りの祭り。天候には恵まれなかったが、多くの人にとって楽しい思い出となったに違いない。

【 2015年11月10日 10時40分 】


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