御茶師と大名家の関係紹介 京都・宇治で企画展

2018-03-12 14:20:25 | 会 party

 京都府宇治市宇治の市源氏物語ミュージアムでこのほど、企画展「お茶と名所と宇治と」が始まった。宇治の御茶師と大名家の親密さを示す書状のほか、茶販売の利権に関する江戸時代の史料などが並び、宇治茶の歴史を生々しく伝えている。

 宇治茶の魅力を伝えるキャンペーン「お茶の京都博」が2017年度に府南部で展開されているのに合わせ、同ミュージアムと市歴史資料館が合同で開催した。期間中に計43点が展示される。

 戦国大名の伊達政宗が御茶師の上林味卜(みぼく)に送った書状には「今年は自分が留守なので悪い茶を送るのだろう」との趣旨が記されている。同ミュージアムの坪内淳仁学芸員は「冗談めいた内容で、大名家と御茶師の距離が近さが感じられる」とする。

 宇治の御茶師は江戸時代、茶を納めている大名家の領地で茶販売の特権を握っていたが、財政難に伴う藩政改革で権利は入札で決まるようになった。展示品には、御茶師に代わって地元の商人が権利を得たと伝える書状があり、現代の行財政改革に似た構図を浮かび上がらせている。

 宇治川の氾濫で損害を受けた御茶師が、幕府から10年分の茶の料金を前借りするためにとりなしを願う文書もあり、厳しい台所事情がうかがえる。宇治の名所を描いた屏風(びょうぶ)や絵図も楽しめる。

 5月13日まで。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。3月24日と5月5日の午前10時半と午後1時半に学芸員による展示解説がある。各回先着30人。

【 2018年03月05日 19時10分 】



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