歌人・辰巳泰子の公式ブログ

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いつもかなしい事

2012-06-18 14:15:47 | 日常
紫陽花は、一週間で、こんなに紅くなりました。
きのう、日の暮れに撮りました。
辺りが暗くなりかかっていたので、よけいに紅く感じられました。



ふつう、短歌の一人称は作者自身として読まれることが多いけど……。
泰子たん、第三者が一人称のときも、自分みたいに書くことが、多い。


仙川にこの子投げたし殺したしされど誰にも殺させたくなし


この歌なんか、そう。
何か、凄まじいものを、目にしたのだ。
虐待が、社会問題になってきた頃。
きっかけは、事件の記事、だったかもしれない。

わが子に……あり得ない!

って、おもったけど、そこまでの苦しい立場になってみなければ、わからないよなぁって。
そして、子供の頃、妹が、近所の子にわるさされて、自分でも、信じられないほど腹が立ったのを、思い出したんです。
自分が、わるふざけで、しそうなこと。
だけど、おなじこと他人にされたら、許せないンだろうなぁって。
自分の感情に、自分で、驚いた。
そしたら、口ずさむように、この歌が、できてきました。

しばらくして、この歌を収めた、「仙川心中」を読んだ人から、「こんなこと考える人だったのかと、がっかりしました」って、はがきをもらいました。

「仙川心中」(砂子屋書房)は、1998年リリース。

わたしが、ただ自分一人のために弁明すれば、虐待されてる子が、減りますやろかな?

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