田川市石炭・歴史博物館のブログ

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休館日の博物館【博物館資料の燻蒸 回答編】

2014年10月30日 | 日記
少し時間が経ってしまいましたが、以前アップした燻蒸の記事に対してご質問をいただきました。
ご質問・コメント、大変励みになります。ありがとうございました

【いただいたご質問に対する回答】
燻蒸する資料は、目張りした一箇所に集めて燻蒸されるのですか?
はい。
当館は屋外に石炭・民俗・考古資料等を収蔵する収蔵庫を持っていますが、その中に燻蒸室が併設してありますので、その中で燻蒸を行います。
ただし燻蒸室と言っても、密閉度の高い空間ではないので、燻蒸の際は板(扉)を取り付け、密閉度を上げる為に其処彼処に目張りを行います。

◆燻蒸室内の分電盤、屋上・壁の隙間等に目張り

燻蒸室入口の目張りは、目張りのテープ+シート+更に目張りのテープという三段階で行いました。

◆燻蒸室入口の目張り

燻蒸に使用する薬剤は有害ですから数日入室出来ないでしょうね。
燻蒸作業は大まかにいうと、
目張り等の準備→薬剤投入→ガス濃度が均一な状態を24時間保つ→活性炭を用いて薬剤を吸着させながら強制排気
→燻蒸室内の残留ガス濃度チェック→テストサンプルの死虫を目視にて確認し燻蒸作業終了→引き渡しとなります。
ですので、当館の燻蒸室の場合、作業は2日間半程度で終わります。
その内、燻蒸室に入室できないのは2日程度でしょうか。

◆活性炭を通して排気

燻蒸作業を行う際、温度条件が重要です。処理中の温度は24度以上とすること、と定められているため、夏頃燻蒸を行う館が多いようです。