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猫は本当にフルクトースを代謝できないのか?(糖質制限は?)

2022-08-13 | 
以前のいくつかの記事に、私はフルクトース(はちみつ)を猫に与えていると書いて
猫に詳しい読者の方は違和感を感じたと思います。
なぜなら、ネットで検索しても猫はフルクトースを代謝できる酵素がないから、猫にフルクトースを与えるのは危険と書いてあるからですね。



しかし猫のフルクトース代謝に関しては下記論文があります(日本語で検索しても出てきません)


Comparison of the activities of enzymes related to glycolysis and gluconeogenesis in the liver of dogs and cats - PubMed

Comparison of the activities of enzymes related to glycolysis and gluconeogenesis in the liver of dogs and cats - PubMed

Activities of enzymes related to glucose metabolism were measured in canine and feline liver. There were no significant differences in plasma glucose and immunor...

PubMed

 



日本語訳↓


犬と猫の肝臓における解糖と糖新生に関わる酵素活性の比較

イヌおよびネコの肝臓における糖代謝に関連する酵素活性を測定した。犬と猫の間で、血漿グルコースおよび免疫反応性インスリン濃度に有意差はありませんでした。ネコの肝臓にはグルコキナーゼ活性は見られませんでしたが、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、ピルビン酸キナーゼなどの他の解糖酵素の活性は、犬の肝臓よりも有意に高かった。 ネコの肝臓におけるピルビン酸カルボキシラーゼ、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ、グルコース-6-ホスファターゼなどの糖新生の律速酵素の活性は、イヌの肝臓よりも有意に高かった。



ホスホフルクトキナーゼ(PFK)→ フルクトース-6-リン酸→ フルクトース-1,6-ビスリン酸(細胞に取り込まれたグルコースとフルクトースの大部分はこの形に変換される)






こちらの論文も↓


Tissue expression of ketohexokinase in cats - PubMed

Tissue expression of ketohexokinase in cats - PubMed

Ketohexokinase (KHK) metabolizes dietary fructose and is an important regulator of hepatic glucose metabolism. The veterinary literature contains conflicting dat...

PubMed

 




日本語訳↓



猫におけるケトヘキソキナーゼの組織発現


ケトヘキソキナーゼ (KHK) は食事性フルクトースを代謝し、肝臓のグルコース代謝の重要な調節因子です。獣医学文献には、ネコのフルクトース代謝における KHK の役割に関する相反するデータが含まれています。研究の目的は、肝臓での発現に特に重点を置いて、ネコの KHK mRNA およびタンパク質の組織発現を測定することでした。KHK mRNA およびタンパク質の発現は、ルーチンの RT-PCR および免疫ブロット法を使用して決定されました。KHK mRNA は猫の肝臓、膵臓、脾臓、横紋筋に検出されましたが、肺には検出されませんでした。得られたネコKHK mRNAの部分配列は、既知のKHK mRNA配列と非常に類似していた。イムノブロット研究により、ネコの肝臓におけるKHKタンパク質の発現が確認されました。ネコにおける KHK mRNA の組織分布は、他の種における KHK 発現と類似しています。







というわけで、どうやら猫にもフルクトースを代謝できる酵素があるようなんですね。
なぜ猫がフルクトースを代謝できないと言われているかというと、こちらの獣医さんのブログにもありますが↓




猫とフルクトキナーゼ

猫とフルクトキナーゼ

みなさん、こんにちは。 今日は、にゃんちゃんの食事について考えてみよう! タイトルは、猫とフルクトキナーゼですが、 ようは、猫は炭水化物を食べていいのか? まんじゅ...

mysite

 




-抜粋-


猫はこのフルクトキナーゼがなくて、フルクトースを使うことができず、尿へ排泄される。ということになっています。
これは、猫にさまざまな種類の糖を与えたときに、尿中へのフルクトース排泄が増加してしまうという研究結果から。
ただ、猫の肝臓には、フルクトキナーゼはあるという研究結果もあります。
冒頭の疑問に対する私の考えは、、猫の研究からは、猫は砂糖を食べてもエネルギーとして使えるらしい。





ということで、猫ちゃんも実は糖をエネルギーとして使えるようなんですね。
ですが最初の論文にもある通り、グルコキナーゼの活性が見られないのでグルコース(ブドウ糖)の代謝が苦手なんですね。
フルクトースを代謝する酵素はあるようなんですが。
このことから猫ちゃんにはブドウ糖よりフルクトースを与えた方が良いと個人的に思いますね。
ブドウ糖だと活性がない場合、ダイレクトに体内に入る(ただし低血糖などの場合は有効)
だけれども、細胞に吸収されにくい(から血糖値上昇、与えないよりマシというレベル)

それから猫ちゃんが糖の代謝を苦手としている可能性がある原因について、猫ちゃんはヒトでいうと糖質制限をしているようなものなので
糖質制限をしているヒトと同じことが体内で起こっている可能性があるのではと思いますね。
どういうことかというと、文字の羅列ではわかりにくいと思うので、詳しい糖代謝の説明は下記ブログをご覧ください↓


「グルコ―スとフルクトース」糖質の質とエネルギー代謝 | Holistic Care つながり

「グルコ―スとフルクトース」糖質の質とエネルギー代謝 | Holistic Care つながり

【この記事のまとめ】糖質の摂取を考える場合、「糖質の量」だけでなく「糖質の質」、それと同時に「脂質の量と質」を考えることが重要となります。インスリン抵抗性など、...

Holistic Care つながり

 



こちらのブログで「遊離脂肪酸が高い状態で、糖質を摂取すると食後の血糖値の上昇が高くなります」とありますが
ヒトで糖質制限をしている方がまさにこの状態です。
糖を摂取しないので、脂肪や筋肉を分解して中性脂肪は減って痩せてきますが、遊離脂肪酸やpufaが体内に放たれる(リポリシスが起こる)
糖質制限をしている方は、普通に糖質を摂取するとドカーンと血糖値が上がりますよね。


“ 血液中の遊離脂肪酸は、組織内に運ばれ、ミトコンドリア内でβ‐酸化をうけて、アセチル‐CoAになります。
このアセチルCoAは、ピルビン酸に作用する酵素であるピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)や、フルクトース‐6‐リン酸に作用するホスホフルクトキナーゼ(PFK)を阻害します。
その結果、組織中のグルコース‐6‐リン酸が蓄積し、グルコースに作用する酵素であるヘキソキナーゼ(HK)が阻害されて、血液中に存在するグルコースの取り込みが抑制されます。
脂肪酸を代謝する経路が活性化されて、アセチルCoAが生成されると、グルコースの代謝経路での酵素の働きが阻害されてしまうのです。
つまり、脂肪酸の代謝が活性化されると、糖耐性が低下して高血糖になりやすくなります。”

“ フルクトース‐6-リン酸 からフルクトース‐1,6-二リン酸を合成する反応を触媒する酵素が、ホスホフルクトキナーゼ(PFK)です。
このPFKは解糖系の律速酵素であり、高レベルのATP、クエン酸、低pHや低酸素レベルによって阻害されます。”


糖質制限をすると脂肪酸の代謝が活性化→糖の代謝酵素が阻害される=高血糖になる。
猫ちゃんも糖質制限をしているような食性なので、脂肪酸の代謝が活発で糖の代謝酵素が阻害されている可能性があるかもしれません(だから高血糖になりやすい)


しかし” フルクトースはPFKの代謝調整ステップをバイパスすることができ、糖の代謝を進めることができます。”
“ 通常、脂肪酸の代謝が活性化してアセチルCoAが生成している時には、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)やホスホフルクトキナーゼ(PFK)の酵素の働きが阻害されて、グルコースの代謝は抑制されています。
それによって、血液中からグルコースのと取り込みが抑制されて、高血糖を示しやすくなります。

肝臓でフルクトースが代謝されると、ホスホフルクトキナーゼ(PFK)の反応をバイパスして、フルクトース-1,6-二リン酸を生成することができます。
このフルクトース-1,6-二リン酸がピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)を活性化して、ピルビン酸からアセチルCoAを合成して、グルコースの好気性代謝を活性化します。
それによって、脂肪酸の代謝は抑制されます。
外因性のフルクトースは、肝臓でのグルコースの取り込み・貯蔵を促進する働きがあり、血糖値を低下させる働きがあります。
グルコースとフルクトースの相乗作用によって、呼吸基質として糖のエネルギー代謝を促進させる働きがあります。
それによって、ミトコンドリアの電子伝達系での活性酸素種(ROS)の生成を抑制することができます。”


フルクトースはホスホフルクトキナーゼの代謝をバイパスして、糖が速やかに吸収される。
脂肪酸の代謝が抑制される。
外因性(食事等)で摂取したフルクトースは血糖値降下作用がある。
活性酸素の生成を抑制する(ので炎症を抑える)


というわけでヒトの場合も私は以前から書いていますが糖質制限をしない方が良いと言っている理由はコレなんです。
インスリン云々だけの問題ではなく、リポリシスによって糖の代謝が阻害され脂肪の代謝になってしまうと脂肪細胞からpufa(プーファ、多価不飽和脂肪酸)が放たれ炎症が起こりまくる可能性があるからなんですよね。
だから猫の糖尿病に糖質制限というのは疑問符がつくわけです(ヒトも)
余計に炎症を助長することになるのではないでしょうか。
そしてインスリンを打っても治ることなく悪化する。
原因はインスリン分泌そのものではなく、糖の過剰摂取でもなく、遊離脂肪酸、pufa(リポリシス)の問題だから。
そのせいで本来取り込めるはずの糖が取り込めず、糖質制限をすればするほど遊離脂肪酸やpufaによって炎症が進み悪化してゆく。
その点フルクトースは血糖値にあまり影響を与えず、速やかに吸収され炎症を抑える。
因みにヒトの場合、遊離脂肪酸、pufaのリポリシスが起こっている状態ではフルクトースを摂取してもしばらくは血糖値が上がるんじゃないかな。
脂肪の代謝から糖の代謝に変わるまでは糖をうまく吸収できないと思いますので。
以前も書きましたが過剰な糖質の摂取でない限り(崎谷医師によれば本来は糖質を1日500gも摂取しない限り中性脂肪にならないそうですが)中性脂肪が蓄積するわけではなく
糖尿病の病態とは正しく糖の代謝ができずに、必要な糖を吸収できないから高血糖になるんですね。
逆を言えば細胞に糖が足りていない状態というわけです。
そうして、膵臓もpufaや遊離脂肪酸で炎症を起こしてインスリンが正常に分泌されないのではと思います(インスリン抵抗性といわれるものでは?)
そうだと仮定するなら、まずやるべきは糖質制限や痩せることではなく、遊離脂肪酸やpufaを抑えて炎症を抑制し、フルクトースを摂取するほうが理にかなっていると個人的には思いますね。
フルクトースはpufaのリポリシスを抑制するんだそうですよ。
炎症を起こす原因としてpufa(オメガ3などの多価不飽和脂肪酸)、添加物、エストロゲン(環境ホルモン)、マグネシウム不足、ビタミン不足、医薬品などがあります。
高血糖で糖尿病になるのではなく、因果関係が逆と思っています(高血糖の弊害は脱水)

因みにフルクトースは危険とかAGEs(最終終末糖化産物)が危険だと言われていますが、崎谷医師によれば
危険性が高いのはALEs(最終脂質産物)なのだそうですよ。




崎谷医師の記事↓

『果糖中毒』を斬る! | Dr.崎谷ブログ


-抜粋-

実際に慢性病を引き起こしているのはメイラード反応で形成される終末糖化産物(AGEs)ではなく、脂質過酸化反応で形成される終末過酸化脂質産物(ALEs)だからです。

さらに、終末糖化産物(AGEs)は、糖のエネルギ―代謝が低下することで起こります。

糖のエネルギ―代謝の低下の原因はプーファです!

実際の体内では果糖はすぐにエネルギ―源として使用されるか、グリコーゲンとなって貯蓄に回る(低血糖という緊急事態に備える)ので、メイラード反応を起こしている暇などありません

脂肪は果糖よりも4倍多くアセチルCoAを産出します。その結果、ATP産生量も脂肪は多いので、脂肪はカロリーが糖やタンパク質より高いのです。

また果糖は、グリコーゲン備蓄を促進します。

脂肪に変換する(脂肪新生という)のは多数の酵素を要し、非常にエネルギーを要するステップです。脂肪新生は、果糖の主要な作用である糖のエネルギ―代謝を高め、グリコーゲンを増やす(最大のストレスである低血糖に備える)などでもさらに果糖が余り、しかもエネルギ―代謝が回っていないと行えない難作業なのです。

したがって、私たちの体は普通は脂肪新生は盛んに行いません。

内臓脂肪を含めて各組織に脂肪を蓄積させるのは脂肪です。脂肪の中でも糖のエネルギ―代謝を落とすプーファです。

果糖は糖のエネルギ―代謝を高める作用もあるため、インシュリン感受性を高めます。

肝臓のインシュリン感受性を低下させるのは、プーファ(あるいは高脂肪食)です。プーファによってインシュリン感受性が低下するため、血糖値が高くなり、糖尿病になります。





私も以前からはちみつ以外にフルクトースを普段から摂取しています。
具体的にはフルクトース(果糖)をコーヒーや料理に使っています。
それで猫たちにも非加熱はちみつや果糖を使っているわけですが元気です。
もちろん、たくさん与えているわけではないですし、元々の食性が肉食ですから緊急時や素早く糖を入れたい時に使っています。
因みに以前記事に書いたアサイゲルマニウムはグルコースをフルクトースに変換する酵素を活性化します(論文あり、グルコースをフルクトースへ異性化する)

論文↓

URLを貼ろうとすると、不正な文字が含まれている旨、警告が出てリンクを貼れませんのでタイトルで検索ください。


特許公報(B2)_アルドース構造を有する化合物をケトース構造を有する化合物へ異性化する方法及び異性化或いはその促進剤


何ごとも”常識を疑え”だと個人的には思っています。




エミル(ノルウェージャンフォレストキャット)↓




気分が乗らない時に抱っこされると、顔つきが変わります(笑)
左目の瞳孔が購入時からおかしいエミル。
斜視じゃないけどちょっと外側を向いています。
一時はホルネル症候群になったんです。
獣医の診断は受けてはいないが、4カ月の時、一時瞳孔の大きさが明らかに違った。今は自然に治っています。
なんでも病院、不必要な医療は人間もですが受ける必要性を感じません、やはり予防でしょう。
そのためには自分で色々勉強しなければなりませんが…。
唯一の自己防衛策、ね。








最近、家中が毛まみれです、すごい抜け毛…。
キャットタワーも猫のブラシで毛を取っても取っても毛まみれ…。

人間と猫ちゃんのDNAは90%同じ。
犬は82%で、なんと猫ちゃんの方が人間に近いんだそうですよ。
猫ちゃんの何が好きかというと、普段ベタベタあまりしてこない、甘える時は甘えてくるメリハリ、パーソナルスペースを大事にするところ。
私は個人的にベタベタされるのが嫌いなので、ワンちゃんは難しいと思う…。
そして教えられるのではなく、自分から物事を覚えようとする姿勢。
見ているとちょっと人間っぽい。
意外と言葉も理解している。
エミルは今まで飼った猫(実家含め10匹)の中でもトップクラスに賢く、感情が豊かな猫ちゃんです。
普段はそこまでベタベタしてこないけれど(1日の中でも定期的に甘えてはくるけれど)膝に乗って甘えてくるし、色々話しかけてくるし表情豊かなんです。
ベタベタはしてこないけれど、私が2、3分外へ出て戻るとさっきまで寝ていたのに玄関で待っていたり、家の中をあちこちついてきますが…。
鳴き方も色々あって抑揚もあって、なんて言っているのか知りたいです。
特におもしろいと思う鳴き方は、「ニャっ、フー」で抑揚含め人間の言葉「ヤッホー」そっくりに聞こえます。
って、親バカで失礼しましたm(_ _)m