所謂「A級戦犯」は減刑されたものが10名いるのみで恩赦されていない。
しかし、国内的には刑が執行された時点、病死者は公務死とされた時点で戦犯ではない。
国際的にも昭和31年の国際連合総会で日本の国連加盟が全加盟国の賛成で承認された時点で戦犯ではないと考える。
一方国際社会において「A級戦犯」は今も戦争犯罪人として認識されている問題がある。「A級戦犯」のうち、死刑判決を受け絞首刑となった七名、終身禁錮刑及び有期禁錮刑とされ服役中に死亡した五名並びに判決前に病没した二名、つまり合祀された14名について、
連合国の承認による刑の執行からの解放があるか、サンフランシスコ平和条約第11条が、何らかの理由で無効化しないかぎり、
【国際法上は犯罪者】のままであるとの考えがある。
11条の解釈において
「法廷における事実認定や判決理由についてまで受諾した訳ではない」との見方が出来る。
刑の執行を終了しているので、すでに非難や糾弾の対象ではなく、法律が定めている全ての権利を回復していると認識され、日本政府も同様の認識であるのだが、国内的には東京裁判自体に無効性があり、元々非難、糾弾すべき対象でないのである。故に、彼らの名誉回復は為されていないことになる。
このように、11条解釈、国外からの戦争責任者の反論及び大戦の総括を阻害しているものがある。
国際連合憲章の条文の敵国条項である。
敵国条項
第53条第1項後段(安保理の許可の例外規定)は、「第二次世界大戦中に連合国の敵国だった国」が、戦争により確定した事項に反したり、侵略政策(ファシズム、覇権主義)を再現する行動等を起こしたりした場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は安保理の許可がなくとも、当該国に対して軍事的制裁を課すこと(制裁戦争)が容認され、この行為は制止できないとしている。
無効である東京裁判を認め覆さない条件で講話した日本が、つまり敗戦で無罪の者が犯罪人にされ裁かれたことを容認し講話した。これを覆せば確定した事項に反することとなり、安保理の許可なく制裁戦争で攻撃されても国際法上は何も手立ては無い。
ドイツ、イタリアの敵国条項はNATO加盟によりはずされ、この状態に未だに日本だけがある。
中韓の慰安婦、南京事件の歴史認識問題は最終的にこの敵国条項へと帰着し、日本人の矛盾撞着としての靖國問題となる。
戦犯の名誉回復は日本人には避けて通れない道であり、分祀など仮にできたとしてもやってしまえば戦争責任者であることを認める事となる。
つまり戦犯を戦争責任者として靖国神社から外す行為は歴史認識までも中韓に迎合した代物となり、南京事件、慰安婦の濡れ衣を自ら進んで着ることに他ならない。
故にこの敵国条項の削除こそ戦後レジームからの脱却の最重要課題となる。