この子が独り立ちするまでは頑張ろう。
ただそれだけを自分に言い聞かせて…
夫とふたり踏ん張ってきた。
次の参観日まで、運動会まで、文化祭まで、
目先の行事に目標を定めて
必死に生きてきた。
あれから15年。
あの日、まだ小学2年生だった次男。
専門学校を卒業して、
幼い頃から大好きだったものを扱う会社に
就職して
8月に、付き合って2年半の彼女と入籍、
そして先日家を出て新婚生活を始めた。
長かった。
本当に長かった。
この子がいなければまいこの所に行けるのにと、
この子がいるからこの地獄を生きていかないといけないと、
どれだけ馬鹿なことを考えただろう。
私は、どうしてももうひとり子供が欲しくて、
夢にみるほど子供が欲しくて
夫を騙すようにして次男を授かった。
なんであんなに子供が欲しかったのか…
まいこがいなくなってから…
もしかして、私達夫婦が生きていくために
産まれてきてくれたのかもしれないと思った。
次男はあの日から私達を困らせるような
言動は一切しなかった。
幼いなりに、親が喜ぶことを考えながら
一生懸命頑張っていた。
学級委員、運動会の応援団、生徒会長
凄いねと私達が喜ぶことを頑張っていた。
やんちゃを言うことも
わがままを言うこともなく、
ママ友からは
○○くんの事叱ったこともないでしょって
言われるくらい穏やかな優しい子だった。
ふたりのお姉ちゃんとおにいちゃんとの
4人姉弟なのに、
お姉ちゃんは早くに結婚し、
まいこはいなくなり
お兄ちゃんとは8歳違い、
姉弟いるのに、喧嘩したこともなく
叱られたこともなく、
年が違いすぎて一緒に遊ぶこともなく、
競うこともなく、、
姉弟なのに姉弟じゃないような…
まるで一人っ子ね、、
悲しいとか寂しいとか、
そんなことを共感も出来ず
多分孤独だったんだろうと思う。
でも、
人生を共にしようと思える彼女と出会い
初めて本当の意味で甘えられる場所をみつけたのだろう。
長かった。
ムスコが自分の家族を持つまではと
それが私の大きな目標だった。
目標達成。
次の大きな目標。
「死ぬまで生きる」かな、、