昨日の朝、自分の「ああ、がっかり」の記事が
アップされているのを見てびっくりしました。
下書きに置いたはずの記事だったのです。
絞りがどんな失敗になったのか、写真も撮ったのでそれもアップしようという経過うでした。
ところが、またまたphotosの機嫌が悪くうまく繋がらず、夜中ということもあり、
下書きに置いたつもりで寝てしまいました。
その中途半端な記事がアップされていたので
朝からああ、びっくり。
まあいいや、どうせ失敗の作品です。
人に見せるまでもないという神様の計らいだったのでしょう。
失敗をそのままにするに居た堪れず
すぐに二度染して隠してしまいました。
素早い対応でしたわ。
昨日は一日photosがままならず、結局最後寝る前になってようやく機嫌が治ったものの
今度はカメラのバッテリー切れ。
記事がアップされてから二日も経っての写真を見たら
もういいや、って気になってしまいました。
悪しからず。
去年の秋、朝晩の寒さが身に染みるようになった頃のことです。
首の周りの冷たい風を防ぎたい、と云う家人の要望に応えて
草木染めで染めたスカーフを一枚あげました。
初めは喜んで使っていたものの
そのうちすぐにつけ心地が良くないと云うクレームがつきました。
その頃はまだ抗がん剤治療の真っ只中で
全身の神経が過敏に働いて
感覚が鋭敏になっている時でした。
ガンを発症し食べるものを受け付けなくなった体は
様々な感覚を過剰に働かせていたのかもしれません。
匂いにも敏感で
当時は二階へ上がれずに階下にベッドを置いて休んでいたので
料理の匂いが我慢できませんでした。
一番ひどい時期は外で調理をしたほどです。
そんな感覚が鋭敏になった家人に、
今度は日本製の絹のスカーフを試してもらいました。
最初に使ったのはシルク百パーセントですがインド製でした。
それがなんとなくガサつくと云うので日本製に変えると
もうその違いが歴然と現れました。
日本製のシルクは柔らかくて肌に気持ち良いのです。
日本製を使い始めたらもう離せなくなりました。
敏感肌の人には絶対にオススメの日本製シルクのスカーフですよ。
その滑らかさは他に比べるものがないくらいに
精錬されています。
インドのシルクもその見た目や織り方などで素晴らしいものがあります。
でも日本製シルクのあの感触は
アジアのどこの国のものと比べても格別です。
日本のシルクが長く欧米でもてはやされ、わが国を潤してきたかよくわかる気がします。
けれども日本の着物文化の敗退とともに
日本製絹はすっかり人々から見放され、わずかに高級なものとして
棚の上に挙げられてしまったのです。
大正時代には銘仙など普段着にも絹を着る文化があったのにね。
日本の絹が忘れられていくのは寂しい限りです。
そこで私はできるならば日本製の絹を染めたいと思うようになりました。
でも日本製の絹は高いです。
スカーフ一枚でも値段がインド製の二倍近くから始まります。
これではとてもたくさんのスカーフを染めることはできませんよね。
資本金がいっぱいあれば別ですが。
そこで目をつけたのが着物の反物です。
反物だって安くはありませんが、
時々フリーマーケットなどで白生地が出るときがあります。
それとか白の長襦袢をほどいた布とか・・・
そんな風に手頃な値段で手に入った布を使うことにしています。
ただ日本製の布は
アジア製のものに比べて、
装飾がありません。
特に着物を解いた布は切りっぱなしでしょ。
染め用に売っているものも
フリンジとかついていないし、ただ細長い白い生地の切り端を三つ巻きにしてまつってあるだけです。
それを一色に染めてもなんだか芸がないような気がして、
絞りでも入れてみようか、と思ったのが
私の絞りレッスンの始まりとなりましたの。
初めて見ると絞りも奥が深く、
やればやるほど、考えるようになり
考えすぎて失敗することが多くなりました。
絞りって中々難しいものです。
それでも失敗すると気がつくところがあって、
次はこうしてみよう、とか
意欲が湧くのは確かですね。
今も時間を見つけて絞っています。
三時をすぎてそろそろ暑さが一段落したかしら。
台所の東側が日陰になっていることだし、そろそろ腰を上げて
先ほど集めた葛の葉の染め液作りを始めましょう。