カミュはフランスの作家です。
百年くらい前の人ですね。
ペスト、と言う小説が有名です。
ペストはネズミを住処として繁殖したノミが移す感染症です。
このお話は感染症が広がって都市封鎖された街の様子や人々の感情を
医師の姿を通して描く物です。
コロナのパンディミックが始まってから、この本が人気になっていると知り
読んでみたくなったのです。
コロナの流行が始まってからずっと気になっていた本でもありました。
色々と片付け仕事に追われてなかなかゆっくりと本を読む時間が取れません。
今読んでいるところは、やっと行政も流行りの病気がペストだと認めるに至って
都市は封鎖されることになりました。
ロックダウンです。
ここで描かれているのは人々の別れの悲しみです。
決して、今般の都市封鎖によってどれだけ経済が打撃を受けたかなどと言う野暮な話ではありません。
今回のこのコロナ騒動でインドでは都市封鎖宣言後わずか四時間で全ての出口を封鎖する、と言ったものですから、そりゃあもう大騒ぎになりました。
明日から、とか
いついつからとか無くていきなり今日の夕方からってすごい衝撃ですよね。
アルジェリアのある都市の話なんですが
用事で出かけて行った奥さんが夜にはもう自宅に戻れない状況なのです。
出張中の旦那も旅行中の子供たちとも
いきなり会えなくなってしまう寂しさや、哀しさ。
今読むと本当に共感できるのです。
これね、もしも以前に読んでいたら
そうやろね、きっとそうだと思う、
と
わかったような気持ちになっていたでしょう。
でもそれは想像でしかありませんでした。
頭で理解するって事ですよね。
それがコロナのおかげで、と言うのも変ですが
今自分自身が友人と自由に会えなくなった事で
物語のシーンにとても共感出来るのです。
この経験がなかったらこの共感は生まれなかったでしょう。
そう思うと読書って面白いですよね。
読むときの自分の経験の量によって理解の幅が広がります。
カミュの訴える、人間中心主義者たちの愚かさは
今の時代にもしっかり当てはまって見えて
とても百年近く前に書かれたお話とは思えません。
是非みなさんもこの機会に読んで欲しい作品です。
私自身もただ今読書中、暇を見つけては読み進めましょう☆