マネのいくつかの作品にはレンブラントの具体的な作品から明らかな影響を受けていると思われるものがある。
例えばマネがある少年を描いた作品。
モデルの少年は、自殺し、それがボードレールのある詩にインスピレーションを与えているが、マネが描いたその少年の愛らしい微笑みを湛えた作品は、レンブラントが少年ティットスを描いた作品の明白な影響が窺える。
そのほか、マネの裸体画などにもレンブラントの作品からの影響が窺える作品があるだろう。
今日のマネ研究では、もはや、とうに明らかにされているのかもしれないが、私としては、もう何十年も前にやり残したままになっている。
マネのスペイン美術からの影響や、マネのジャポニスムについてはかなりの研究の積み重ねがあるが、マネとオランダ美術との関連はどのくらい進んでいるのだろうか。少し気になっている。
また、マネの他、ドガの室内空間の描写や音楽モティーフなどとオランダ美術との関連なども面白い研究課題だと思っている。
さらに広げるなら、印象派絵画全般とオランダ美術との関連は、面白い研究領域を提供するものだろうと思う。