柴川第一調整池(3)
今回この箇所の調査にはいくつかの複合した目的があるが、しっかりとした市民活動団体による、自立した活動として、荒尾の個人的な意見としてはこの箇所及び埼玉県の大宮以北まで継続する見沼田んぼの全域を対象とした利根川・荒川下流域での水鳥の大規模越冬地形成プラン構築及び実施への願望がある。
ご存知のごとく、蕪栗沼周辺は、伊豆沼から化女沼まで連綿とした、かっての氾濫原を水田耕作地帯にするための干拓によって、辛うじて残った3湖沼を、市民活動の大きな流れが、現在のごとく3湖のラムサール条約登録湖沼として、絶滅危惧種のガン類で或るマガンやヒシクイ、カリガネ(100羽に達する群れが観察されている)を復活させ、一度絶滅してしまったシジュウガラガン(0から何と1,000羽)ハクガン(0から120羽)まで復活させる大きな力となっている。
しかし現在、マガンがかっての5,000羽程度から何と20万羽にまで回復し、亜種ヒシクイや亜種オオヒシクイ、そしてシジュウガラカンなど、有る面では過密な状況となりつつあり、また、鳥インフル等の集団蔓延などの危険性も指摘されだしている。
本来江戸時代から昭和30年代までは、利根川や荒川の下流域こそが日本で一番の
ガンカモの越冬地であったことは知られている。
具体的なイメージとしては
いままでも利根川下流域の印旛沼周辺域を中心にしてコツコツと環境形成を友人たちと連携して進めてきているが、すでにそれなりに印西市・佐倉市・栄町の一帯に本埜地区のコハクチョウ群の形成。しっかりとしたねぐらと餌場の確保、
そして印旛沼流域での亜種ヒシクイの個体群形成も含め、千葉ニュータウン中核地の戸神川防災調節池でのオオハクチョウ個体群の形成など、拠点形成が形を成しつつあり、あらたにコリドーとして、埼玉県の芝崎第一調整池・見沼田んぼの存在と地形学的な位置付けに注目していること。
何といっても柴川第一調整池+見沼田んぼ周辺域が、第2の越冬地形成として如何なものかを考え始めているところです。
先日、見沼自然公園周辺を調査し、今回芝崎第一調整池を調査に行った次第。
感覚的には、宮城県の蕪栗沼及びその周辺域水田の構造評価で、純農村地帯にある蕪栗沼と、まさに都心部に隣接した見沼田んぼという違いはあっても、十分に生態系復活のための諸環境としては、いける!という確信を持つことができた。
意図を明確に言えば、あくまでも市民活動をベースにして、こつこつと第2の大規模越冬地形成運動として、蕪栗沼での事例をモデルとしながら、
埼玉県芝崎第一調整池・見沼田んぼ周辺+印旛沼周辺を、伊豆沼+蕪栗沼+化女沼湖沼群と対比しながら取り組んでいくことにあります。
多様なハクチョウ類+ガン類+カモ類の越冬地形成を、地域を改めて創生していくシンボルとして。もちろん対極としての猛禽るの存在をも含めてです。
今回その活動を、組織形成をしっかりと開始する準備を始めていくこととします。
ことしの冬の北陸・新潟平野では、夏のゲリラ豪雨に相似して、ゲリラ豪雪とも呼ぶべき、週刊単位の定期的な近い大雪に襲われているようです。今まで12月末から1月に生じていた豪雪が、12月初めから生じて、新潟平野の福島潟や瓢湖、そして阿賀野川下流域などで越冬していたコハクチョウの個体群が、すべてに近く海岸にある佐潟に1ヶ月以上早く集結しているそうです。その数20,000羽。最近10年ほど激増したハクチョウ類は餌付けが成されなくなったために、人が保証していた安心・安全から外れ、餌資源も自分で探すように変わってきています。
佐潟はこの地区で越冬する最後の安全網の一つです。昨日、今日の雪の量によっては、また来週の雪の量によっては、ほぼ10年ぶりの危機的な状況に陥りかねないと思っています。
千葉県下へのハクチョウ類の渡来情報 2014年12月22日正午段階の速報
(聞き取り情報)
千葉県庄和町夏目の堰 700羽を超しています(夏目の堰管理事務所)
千葉県いすみ市 100羽を超しました。(布留川さん聞き取り)
印西市本埜地区 900羽を超したようです。
上記3ヶ所でも年内にこの数字に達したのは初めてだと思います。
特に夏目の堰は、毎年1月に入ると急増する傾向にあり、本年度は1,000羽突破は時間の問題。印西市本埜地区も2005年度は最大1400羽を記録しています。その記録を突破する可能性があると思っています。
現在、この主要3ヶ所のハクチョウ類(主にコハクチョウ)は、昼間原則として1羽もいません。それぞれが餌場を求めて早朝から飛びたってしまい、午後遅く一斉に戻ってくる、つまりねぐらとなっています。餌付けには一切依存していません。その面で野生種です。特にいすみ市の個体のごとく広間の餌場では500m以内に近寄れません。警戒して飛び去ります。
現在、日本では70,000羽以上のハクチョウ類が毎年シベリア等から越冬のために飛来しています。昨今の夏のゲリラ豪雨に対して、今年の北陸・北海道での雪の降り方は波状的に又、ゲリラ豪雪のごとく急激に発生して雪を降らせる状況を見ていると、これ以上のハクチョウ類の個体数を維持していくことの困難さを感じます。
阿賀野川流域には毎年20,000羽以上が12月末ころまで滞留し、逐次南下をします。それが今年は12月初めに大豪雪で餌場を失って、主にこの幼鳥を伴う家族が関東地方に移動してくるものと考えています。
鳥インフルは菌をもって死亡したカモや鶴の事例がいくつか報告をされていますが、今年はそのような場所でも鳥類は健康な個体は何ともないようです。
問題は、幼鳥です。体力がないまま豪雪で餌が取れないと体力\が低下します。又この状態で鳥インフルに遭遇すると、それにやられる可能性があります。
新潟などから緊急避難的にやみくもに飛んできたハクチョウ類のフ幼鳥などが衰弱しきってそうならないような、体力を落とさないようにさせる方法を模索しています。
一つは餌付けではなく、この対策としての救餌だと思っています
かって、秋田県と青森県の境目で、相当数のオオハクチョウが鳥インフルでやられました。直観として、餌付け禁止の結果と思い、生息地の町を探り電話で確認しましたが、やはり鳥インフルを恐れてか、前年の11月から町内でのハクチョウ類への餌付けを実質的にやまさせたと分かりました。今まで冬に渡来して餌を貰うことが当たり前の個体群です。なぜ、餌が貰えないのか理解できないままじっと我慢して、何とか衰弱してふらふらしながら生き残ったオオハクチョウが、春の渡りで北帰してきた鴨から、鳥インフルをもらい、一気に発病したものと思います。また北海道の根室方面でも、4月に入ってオオハクチョウがやはり鳥インフルで死亡していました。ここまでたどり着いた個体もあったのだと思います。
しかし、これで北帰しても体力がなく、この秋田県境のある町の個体群は海没したと思っています。
同様なことで、本来自力では寒波や疎水の凍結などで自然のままでは越冬できない地域で、何十年も何世代にわたって餌付けによって支えられてきたオオハクチョウの個体群の多くが消滅したと思っています。
恐ろしく悲しいことでもあります。
埼玉県川口市の芝川第一調整池に2羽のコハクチョウが入りました。
昨年度も12羽が定着していたとのことです。
2011年の3,11前までは、例年20羽程度が安定的に渡来していたとのことです。地震に驚いて舞いあがり、そのまま姿を消してしまったとのこと。
2012年以降は半数に激減してしまったとのこと。
飛来しましたとの、現地を見続けておられる小野沢さまからの電話報告です。
また、千葉県香取市堀の内で、永年冬期湛水・不耕起移植栽培農法淡水を行われてきている藤崎さんの田んぼにも、改めて30羽が飛来したそうです。
今年は飛来直後から周辺でのカモの銃猟がいつになく激しく、一度飛び去ってしまいました。ここには相当数のタゲリやタシギが飛来しています。それ狙いも考えられます。
新年 開けましておめでとうございます。
なお本人はめげずに大型水鳥の保全策と、その活動と密着した関係性ある地域創生に関わる、いくつかの先端的な要素技術を整理して、普及活動に関わるつもりで事業主体を組み立てております。
まず、身近なハクチョウ類の現状をお知らせします。
現在日本には秋から春まで日本各地に飛来して越冬しているハクチョウ類(主体はオオハクチョウとコハクチョウ)だけで7万羽を超しています。
ここ10年の間に、その個体数の2/3以上の多くは「安心・安全・餌資源」を保証された餌付けから自発的か強制されてか、餌付けを脱して自立して越冬しています。
ところがこの冬は(2014-2015年)真夏のゲリラ豪雨に対比して「ゲリラ豪雪」とも呼ぶべき寒波が12月初旬から、北陸・特に新潟県の平野部が豪雪に襲われ、水田の雪、そして大寒波によって湖面が凍結して、夜間にねぐらがキツネやタヌキ等に襲われるなど、特に新潟県下のハクチョウ類が危機的状況です。いま、私は桜を守る「桜守」に類した、「白鳥守」の役割を担うつもりで頑張っていきます。
最近は特にライフワークとしての「利根川下流域に大規模な大型水鳥たちの越冬地形成」の具体化に邁進しています。
同時に1959-60年度、いまから55年前。オオハクチョウの大規模移動の調査にかかわり、20005-06年度の新潟豪雪では2回目の大移動が生じ、それから丁度10年目の今年は、夏のゲリラ豪雨についで12月初頭からゲリラ豪雪に遭遇したハクチョウ類の新潟県内から関東地方への大規模移動が発生しています。
ハクチョウ類の移動に伴て、特に幼鳥が衰弱して鳥インフルなどに冒されないよう、餌付けではなく救餌によって体力低下を防ぐなどの始末を付けられるように。
1 大型水鳥たちの現状は、危機的な状況です
現在日本には、ハクチョウ類だけで70,000羽以上が渡来越冬しています。この個体数を継続的に維持するための活動を行ってまいります。
宮城県と秋田県を加える地域では、現在マガンや亜種ヒシクイ,亜種オオヒシクイなどを加えると、最大20万羽を超える個体が渡来するまでに復活しています。
ガン類類では、日本への渡来する個体群が一度絶滅、ここ10年ほどで日本とロシアの市民活動家の活動によって、ハクガンは120羽、シジュウガラガンはこの冬とうとう4桁の1,000羽を超えました。またカリガネは100羽以上となって、初めて群れとしての行動が観察もされています。
草食性のハクチョウ類やガン類などでは現在の日本では餌資源確保は問題になっていません。課題はねぐらや夜間の照明や一部の心無い写真家などによる不注意行為の横行にあります。
「白鳥守」の立場から、第2回目のハクチョウ類の大移動警報を発令します。この12月から週間単位で波状的に続いている寒波は、2005-2006年を上回る影響を野生動物にも、特に新潟平野に定着しているハクチョウ類に危機的状況をもたらしています。
それは、白鳥の湖として知られる瓢湖周辺が最も厳しい。瓢湖周辺の個体数が激減している情報もあり、豪雪で餌場に田んぼが雪に覆われ、寒波で湖沼は凍結しキツネなど野獣に襲われる。ねぐらと餌場を同時に喪失する事態。体力のない幼鳥を伴う若夫婦がeサをねだる幼鳥たちの悲鳴に、一気にパニックになって、1家族単位でやみくもに移動を開始する。それが2005-2006年に生じたこと。今回はさらに厳しい。この年の学習経験で早々とすでに多くは関西方面に、関東方面に太平洋岸にと半々で移動を開始している。千葉県内でも記録破りの渡来数になっている。
例年これから15日までが移動が最も生じる時期。ハクチョウ類への餌付けは不可だが、体力をつけるための救餌はお互いのために必須と思う。特に関東地方では救餌を考えてほしい。特にハクチョウ類の幼鳥は皮下脂肪の薄い、3~4日の絶食で体力が致命的に低下する。ことしは鳥インフルが全国的に蔓延している。健康な渡り鳥は何ともないことが分かってきている。