文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

2004/5/18[satochiba:0242] 千葉の里山、特に稲作・田圃を再生するため(10)

2006-06-17 17:48:46 | 里山に託す私たちの未来-再生策を探る
田んぼや畑への残土・産廃放棄
更に千葉県全域で加速度的に広がっている残土、産廃の問題があります

 先日の新聞で、日本の残土・産廃の不法投棄場所として、その社会背景を検証します。千葉県が、全体の3割を上まわって、4割近い数字になっていると言うことで衝撃が走りました。
 大規模でむちゃくちゃな産廃放棄の話しもあります。この4割近い数字とは、それらを指していると思います。
 里山での問題としては、それ以上に、それに負けない大きな問題として里山の農村で、静かに深く進行している残土・産廃を取り上げます
 現在、千葉の里山での残土・産廃の事例で言えば東京のマンションブームでは、工場跡地等でも土地取引の対象となります。
その中で、元工場跡地等で、たとえば六価クロム入りの汚染等が生じていた場合等には、法律の改正により売り主が、それを排除する義務が生じてきます。
 そのために、業者はまず千葉県内で優良農地(特に畑)を、対象にして10m以上も掘り下げて、砂地のよい土を抜き取ります。次いで、そこに工場跡地の汚染された残土や、それだけでなく工場内の廃棄物や産廃を一緒に投入し、最後にあらかじめ現地に残しておいた表土を1m以上、上に重ねてしまいます。
  抜き取られたよい土は、工場跡地全面にかぶせられ、マンション業者が、その土地を買いとって工事にはいるという算段になります。
 農家では、よい土を売ることで1,生め戻すことで2、多額の現金収入とその畑や田んぼで従来通りの営農が出来るという算段です。 さらに、その土地が住宅地等として転売できれば、一つの土地で3度おいしい、”グリコのキャラメル”状態となります。
 このような土地は、その後どの様な影響を地域にもたらすのでしょうか。
まず、地下水脈を分断してしまうことで、下流域に影響が出ます。さらに残土・産廃の中に含まれている危険な汚染物質が下流域に流出し出します。 当然、日常に利用する井戸水や農業用水を恒常的に汚染していきます。
 最近の例としては、茨城県神栖村でのヒ素集団中毒は、どこかの工場の産廃を畑に埋め戻した、まさにその後の調査で、このようなケースで生じています。
 今、土地取引には、土壌汚染の有無が重大な要素です。汚染されたままでは取引されません。
 その付けを一心に受け入れているのが千葉県下の里山と谷津田であります。

2004/5/18[satochiba]千葉の里山、特に稲作・田圃を再生するために(9)

2006-06-17 17:46:11 | 里山に託す私たちの未来-再生策を探る

千葉県の農業の現状と県農政

 千葉県の農業は、全国第2位の粗生産額を誇ります。 が、その立脚基盤は弱体化の一途です。
 農民連からの情報として統計数字で見ると、千葉県の耕地面積(田畑計)は13万5100㌶(平成15年7月時点)、この1年間で600㌶減少しています.
 このうち畑が100㌶減少しています。これは、田からの転換の増加よりも宅地や耕作放棄地の増加が上回っていることを意味しています.
 田んぼを畑として利用する趣旨での土地改良事業は、実施したところが色々な問題点を抱えて、うまくいかず、いきずまっている箇所が多いと聞いてます。

 ほ場整備された箇所では、当初7俵の収入に対して、ほ場整備負担は1俵程度と説明されていたことが、7俵に対して、4~6俵の負担となり場所によっては、7俵を超えてしまうという逆ざやを生じてしまった箇所もあると聞いています。
 こうなると、田んぼで働いても収入になるどころか、会社つとめをして、細々ともらった給料から逆に、負担金を追加して支払わなくてはならない状況の所もあると聞いています。当然支払えませんので、競売の話しになってしまっているようです。 しかし、誰も買い手がいませんので当事者達は皆で渡れば怖くないといっていると聞きました。
 千葉県下では農家数も、平成14年の統計でとうとう9万戸を割り込み88210戸。 この1年(平成13年と14年)の変化では1810戸減少し、5戸/日の勢いで減り続けている計算になります。

 新規就農者が、ほとんど不在で、農家の耕作者の平均年齢がここ数年毎年1歳宛繰り上がっているようです。これでは、後3年で千葉県の農家はやっていけなくなるとの判断が随所でなされています。
 一方で県の予算では、土地改良費等に本年度も200億円以上を計上しています。

 この金はどこに費やされるのでしょうか。大きな疑問です。
この費用を農業従事者や市民等と話しあって、真に有益な使い方に回すべきかと考えます。
 行政側が市町村、代議士・市長村議員、農業土建会社等の今までの3つの関係者に、里山シンポジウム実行委員会等の市民をも加えて頂いて、お互いに切磋琢磨して、この費用の一部を、逆に里山の再生用の資金、或いは現在の里山等の維持管理費用に充当を頂くようなことが出来ないものか 皆様方と一緒に考えられませんでしょうか。
 県では、「千産千消」といって、農業予算には大なたを振るい、前年予算をばっさり100億円カットするそうです。しかし、土地改良を含めた土木事業偏重の構図は変わっていない模様です。

2004/5/18satochiba:0233] 千葉の稲作・田圃を再生するために(8)

2006-06-17 17:43:15 | 里山に託す私たちの未来-再生策を探る
里山の実態を知れば知るほど、容易ならざる事態だと考え込む毎日です。
 これからは、日本では少子化の影響が顕著に出だして、毎年50万人づつ人口が減少していきます。
その50万人分が、日本のどの地域から人口減少が生じていくかを考えれば、それは中山間から欠け落ちていくだろうとは、誰でも推測がつきます。
 年間50万人が、どの県の、どの部分から欠落していくか、深刻な現実です
現在、東京の郊外でも、すこし不便な所は人口減に見舞われだしています。
文京区でも道路沿いに高層マンションが林立し、その価格の安いこと(相対的に)と、建築されるマンションの個数のすごさに圧倒されます。
 
 私の住んでいるマンションの近辺500M内だけで、平均13階建てが、6棟も工事の真っ最中です。

 すべて、東京郊外からの引き上げ組か、地方の会社での出張所的な利用方法が圧倒的だそうです。 東京郊外ですら、この状態です。

 里山とは、いってみれば千葉全域が里山(都市と対応した)と考えて見ることだと思います。 その生活空間をいかに再生するかが、これからの課題です
 
 改めて考えてみて、里山条例とは、里山を里山林とか里地とかに限定することをやめることからスタートし、また、npoやボランティアが活動上必要なの費用と場所等の相当部分を県が条例に基づいて、随時負担してくれる事を約束し、県への提言を期待し、行政はその実現を果たせるようにように機能することを約束しているのだと、いま、確信していますます。

 仮に、そこまでは考えていなかった……
としても、これからは、そのように考えていく、という事を改めて 今までにない行政側からのアプローチとして、市民側からも高く評価され、いま多様なNPOや個人ボランティア等が、それぞれの課題に向かって、前向きに検討しだしているところだと理解してます。
 これからの、基本は行政への提案です

 市民が、現存する行政側の項目別予算の枠内に、いままでの政治家、市町村、業者とともに第4の圧力団体としても行政に介入し、執行予算の方向性に直接参画していこうとの方向性が、現実味を帯びてきています
ある面では時代背景が変わって行政がそれを真に期待しだしているとも言えます。

 その前提で、開示情報、現地見学を繰り返す中で、実態掌握では、市民側も予想できなかったような、真っ黒か灰色の部分が随所に出だしてきたとしても、たじろがないで、進んでいけないものかと考えています

2004/5/18satochiba:0232] 千葉の稲作・田圃を再生するために(7)

2006-06-17 17:40:45 | 里山に託す私たちの未来-再生策を探る
[里山を取り巻く、諸問題の中で
 湿田から乾田化への施策が、最近30年来の農法の基本と聞いています。一つの見方として、最近のはやり言葉をひっくり返して考えてみます
 以下
 生物多様性  → 生物単様性
 環境に配慮  → 環境には配慮しない
 多様な農法  → 単一な農法
 湿田化    →  乾田化
 有機農法   → 無機農法
 乾田化による狙いの中に、日本に於いて、戦前数百もあった農法を乾田化という、ひとつの農法に単一化しようとする目標設定自体があったのではないでしょうか。 個人的にはそのように感じられて仕方がないのですが。
 
本論です
 千葉の印旛沼周辺の田んぼでは、異常なほどの乾燥化が進んでいます。
新海さんの田んぼでも、鮭が遡上して卵を産み付けた土濠の用水路も、今年はからからに乾いて、周辺では風にあおられて、田んぼの土のほこりがすさまじい状態です。 もちろん、鮭の卵は全滅でしょう。新海さんもこのようにひどい乾燥は初めてと言っています。道路まで流砂が覆っています。 
 
 もうひとつは、印旛沼の沼の縁につながる巨大な田んぼ地域でも2毛作を狙って、乾田化されたそうです。が、結果として麦は収穫が遅くなりすぎて稲の収量が落ちる問題、大豆もうまくいかなくて、結果として1年のうちの8ヶ月は乾燥状態のまま放置されています。2毛作の狙いははずれてしまったのです。千葉県下では、田んぼでの2毛作はすでにほとんど行われない状態になってきているそうです。 同時に専門家はこれらを含めて、1年間のほとんどの期間、田んぼに水がないために、いよいよ地下の保水能力にも問題が生じだしていると指摘しています。
  
冬期湛水水田で見えてきた、問題の本質はどこに 
 生き物の生命力を最大限活かしてあげる農法の確立こそ、これから議論を重ねなければならない問題の本質だと考えています。
 霞ヶ浦でのコイの大量死でのコイヘルペス騒ぎ、現在世界中、特に日本でも各地で、鳥インフルエンザの広がりが実感され、それへの怖さを体験しています。
 その過程でよりはっきりしてきたことは、ウイルスの伝搬や未知の環境下での、大量、高密度、高濃度救餌、短時間育成等、生き物としての生きる権利を侵され、主体性を奪われた生き物達の、あっという間の大量死の事例ばかりが目立ちだしています。
 大量飼育下での生き物のもろさが、表面化してきたのではとの一面が感じられ、同時に、これは、畜産だけでなく農業全域でも変わらない問題なのではと思えてなりません。
 生物多様性の本質は、同一種間でも、多様な命をつなぐ上で、異なる遺伝子をもった幅広いDAの多様性を自然界は必ず準備しているという事です。そのためには多様な環境を与え、生き残れるチャンスを自立的に発揮できることが必要だと考えています。
 生きものが本来の主体性を発揮してこそが、良い製品に育っていく。そのためには絶えず環境を最適にコントロールする仕事、これからの最大のテーマではないでしょうか
 そこには、生き物の命と、生活権を尊重してあげる姿勢が重要です。生き物との共生とは、そのスタンスが無ければ成立しません。 
 今までの農法も、畜産も科学技術と言っても、無機の、化学技術に依存していました。化学肥料も農薬も、人間が試験管の中で作り上げ、製造した物ですから、はじめから終わりまで人間が管理しなければなりませんでした。
 それに変わる有機の世界こそが、これからの本来の科学技術だと思います。基本的に生き物によって生き物を管理する技術です。
 問題の本質は、人間がどこまで生き物の管理に介入できるかの部分です。変動条件がたくさんありすぎて、現在のコンピュータでは管理しきれない部分がたくさんあることが分かってきています。
 その分かっていない部分への接近こそが、われわれのテーマでもあります。
 まさに、無農薬を貫く決意を持った方でも、除草に問題を抱え、除草剤を今日振るか、明日振るか、思い悩む世界かと思います。

 冬期潅水不耕起栽培では、生き物の生命力を最大限引き出すことによって、冷害にも強い稲が作り出されているのではと、最近考えられて来ています。
 その一例として、稲が穂を出す肝心なタイミングを、自分の命をつなぐ、最良の時に一斉に開花して、受粉に成功する仕組みがありそうだと言うことを、不耕起栽培の権威者岩澤さんが言っています。そうだとしたら大きなポイントではないでしょうか。

 冬期湛水水田で生物濾過された、温かい水をも求めて、鮭がやみくもに田んぼの用水まで入り組んできたことも、産卵できる箇所を求めて、水の道を臭い等でたどって来たとすれば理解できます。

2004/5/18[satochiba:0231] 千葉の里山、特に稲作・田圃を再生するために(6)

2006-06-17 17:36:41 | 里山に託す私たちの未来-再生策を探る
千葉の里山の現実として、色々な方々とのくだけた話し合いの中で、大変気になる会話がありました。
 都会人の描くイメージとしては、農家の広々とした庭前の、縁側でこっくりこっくりと昼寝をする、おばあちゃんの姿だと思います。
 話しを聞いて、現実の里山にある農村では犯罪多発による生活の安全性の低下が心配になってきています
 それは、最近軒並み、空き巣に入られた、農機具を根こそぎ持って行かれた収穫物を盗まれたという話しを頻繁に聞くようになったことです。
 これは、農村自体での強固だと思われてきた共同体そのものの組織が崩れつつあることが大きな原因とも考えられます。
 各地で頻発する農産物泥棒では、地域内では盗んだ犯人の人物まで特定できても、警察は現行犯逮捕を原則としています。警察に犯人として名指しをした人の方が、逆に居直られて、俗に言う村八分にかけられる結果になってしまったという話を、あちこちで聞かされます。
 そのため、多くが泣き寝入りになっているという話しでした。
 それと、もう一つもっと困った話しとして 千葉県での、畜産農家の営農の現実と、環境の汚染があります
 里山にある、いわゆる畜産農家による牛や豚の多頭飼育(400頭単位)で発生する膨大な畜産汚泥の問題が、現状、最悪の環境汚染と密かに呼ばれている状況です。 でも、地域の農家の方々からは実態も、また特定の誰が問題を生じているかが分かっていても、外部には誰も話をされません。その結果として、地域の実態が本当のことは誰も分かっていません。

 その間に、だれも事態を特定できない。制御できない、抑えられない事態の深刻化の現実があります。
 これは、千葉県等特定県の問題というより、日本全国で一斉に起こっている問題点でもあります。

 北海道の東端、根室の風蓮湖や函館近くの大沼、宮城県の伊豆沼、長沼等でも、昨年の夏、水質汚濁の象徴的なシンボルである?アオコが発生しかけているか発生してしまいました。
 特に宮城県の長沼は水質汚濁ワースト2にランクされてしまいました(ワーストワンは、ご存じのごとく、千葉県の印旛沼です)。 長沼でも風光明媚なすばらしいところですが、畜産農家等からの垂れ流しで畜産汚泥の一部が河川に流出し、湖沼に流れ込んでいるとの話も聞いております。

 30年~40年前までは、1農家での家畜の飼養は、馬牛豚等を含め1桁以下であったと理解しています。

 現状は、畜産農家側が収益を確保するために、40頭が100頭になり、200頭になり、400頭になってしまった事にあります。その畜産農家の経営現場の実態があまりにひどくて、同時に畜産汚泥処理技術開発が遅れていて、かつ費用がかかり、それらへの対策の遅れ等からこの状況は、当分どうしょうもないと言うことが現実かと思います。

2004/5/18[satochiba:0230] 千葉の特に稲作・田圃を再生するために(5)

2006-06-17 17:34:09 | 里山に託す私たちの未来-再生策を探る

[これからの1次産業、特に農林水産業に関しての、問題の提起を行わせて頂きます。 その後は、これからのロマンのある、事の両面で明るい面を強調して、気分も変えたいと思います。
千葉の里山の現状で気が付いた、さらなる断面です。農家の皆様の沈黙が気になってきました
農家の皆様の現在の沈黙は、何が原因なのでしょうか
 冬期湛水水田の普及のために、関東(主に千葉県印旛郡周辺)をあちこちと歩き回っています。
 でも、沈黙の壁の厚さにめげます。最近は、冬期湛水水田運動は、自立した自営農者さがしの感じがしてきたりします。 
 その原因の最たるものとして考えられるひとつは、農家の実質的な小作農化が現在の事態を招いた原因のひとつと思えてなりません。
 現在、千葉県下を歩いてみて、いろいろな話を聞いてみると、各種営農の失敗(それこそ原因はありとあらゆることで)等によって、借金を負っている農家が実に多く、また、最近では、ほ場整備にかかわる負担金の代金も支払えなくて、競売にかけられる事態もが、生じかけているそうです。
 もともと、日本の敗戦後、農地解放によって地主から土地を譲り受けた自営農家の皆様が、直ちに直面した現実が水争いでした。 自営農業者同士の争いでは、血と血を争う事態になってしまうことが多発しました。
 少なくとも戦前では、水争い等は地主間の争いとして調整が取れていました。そのため、自営農家間では、深刻な水争い等での紛争を解決できないことから、その代わりの中立的な(擬似的な地主)調整期間として農協が、それも大きな動機で成立がすすみました。
 その役員として治まった多くが、戦前の地主方の師弟であったと考えられます。
 しかし、この農協組織がいつの間にか巨大化、肥大化、多目的化、商社化、金融機関化し、さらにはあたかも国の出先機関化してしまったと揶揄される事態を招いています。
 同時に、千葉県では農協が他の県より相対的に弱く、その分、県の行政機関が、それこそ手取り足取り、農家の仕事に結果として介入する結果を招き、県そのものが一種の地主化しているけらいが感じられます
でも、農家自体は、自営農業として土地を所有して、農協や県が地主代行と考えれば気楽なものでした。
 結果として形を変えた小作・地主の形態が継続し、現在に至っているとも考えられます。
 自営農家も、基本的に農協が行うことに対して、いつの間にか自分の経営という感覚が薄れ、本来の田んぼや農業経営に関心を払わなくても、農協がうまくやってくれるのだから、任せておけば良いということになってしまったのではないでしょうか。

004/5/18[satochiba:0222] 稲作・田圃を再生するために(2)

2006-06-17 17:29:00 | 里山に託す私たちの未来-再生策を探る
もともと、白鳥類はシベリアで、短い夏の期間に成長し、飛べるようになった直後に日本へ渡ってきます。したがって餌のとり方、危険への対処の仕方、仲間同士の付き合い方等、白鳥が生存していくためのノウハウ、或いは文化が存在し、幼鳥は日本に渡ってきてから冬の半年間、親がつきっきりで教育するものなのです。
 さらに2~3年間、亜成鳥として、親の直ぐ近くで、家族群として生活をし社会勉強をしっかり経験し、危険に対する対処等を学習して親になります しかし、この楢葉のハクチョウは、自分の安全も,餌の取り方も、何もかも人に任せて、朝10時と4時の餌を待ちかねているだけの生活に堕していますから、親から餌の取り方、危険への対処の仕方を学ぶことのできない世代が誕生してしまいました。
 今の世代は、親自体が餌のとり方を含め、白鳥が本来固有に持つ文化を教わっていないのですから、世代間での継承がされず、すでに文化を喪失している分けです。
 全くの野生個体とは、生活スタイルが当然異なります。

 楢葉の白鳥群は、人間が餌をくれるのはあたりまえということで、安全と生命を人間にまったく託してしまったように観察されます。
 同じパターンで、『日光いろは坂の野生サル』がいます。餌を求めて平気で人を襲い、売店を襲撃します。これは楢葉のハクチョウと同じで、親から、餌は人間がくれるもの、餌をくれるのは人間の義務だと教えられています。当然、餌をくれない人間には怒って襲うことが当たり前となります。餌の取り方を学べなかった世代が引き起こしている喜悲劇と言えます。

 これは、日本の野生動物の生き方の問題であると同時に、国からの公共事業主体の、地方行政での、なんとなく日本各地の現在の社会構造を連想してしまいます。

 日本に渡ってくる渡り鳥を観察していると、現在の日本が直面している生活文化的な背景を、良くも悪くも、日本人と共通に染まってしまっているのかなと感じたりします。
 ある面で、日本の銀行や商社、そこに勤めるサラリーマン、特に学校の先生方や農家の方々を見てみると、楢葉のハクチョウ現象のもつ背景、日本の本来の文化を喪失した親と、その子ども達の姿がかいま見えてきたりします。
 
 千葉県で言えば、一次産業、特に農林水産業が、現在陥っている穴ぼこの、その一部分は、まさに「楢葉現象」の背景で、薄ぼんやりとでも、理解できるのではないかと考えたりしています。



 実は、この情報は、雁の研究グループとのメーリング内容の再編集です
各地で千葉の里山、特に稲作・田圃を再生するために考えること(1)記載の実態を改善するべく、以下の様な行動を起こしました。11月20日の情報です。楢葉現象解消、及び本埜村の白鳥群の餌場確保に期待をしていました。


(1) 福島県双葉郡楢葉町の大堤、いわき市の夏井川、そして千葉県本埜村、いずれも高濃度餌付け白鳥群で知られています。
 そのいずれでも、この冬、生活環境に大きな変化が生じています。

 餌を1日2回から1回に減らしたことです
この結果、夏井川では朝から白鳥群は餌場を求めて、大挙飛び立ち、昼間はほとんど姿を消しています。でも夕方までにはすべて戻って餌にありつくように行動が変わってきました。
 これは、最初夏井川白鳥を守る会の小野会長さんが始めたことで効果抜群、昨年まで1日中餌場前に400羽も滞留していた白鳥が1~5羽を除いて、近在の国道の両側の田んぼに数群に分散して採餌を始め、真っ白に見事な光景とのことです。
 雨で水のたまった畦の間で主に落ち穂を食べているとのこと。これを聞いて、本埜村でも参考にしたところ、近在に採餌地を求めだしたとのことです。福島県双葉郡楢葉町でも同様です。

 朝、餌を断つことで、白鳥群はイヤでも採餌地を探しだします。
でも昼間の採餌が不十分であっても、夕方の給餌がありますのでねぐらと、体調管理での餌付け機能は崩れません。
 効果として、給餌の絶対量が大幅に減少し、管理する側の負荷が軽減され、結果、餌等の費用が軽減されます。
 白鳥群も昼間の観光客からの餌を期待して居残るか、自分で探すかの選択をすることで、多様な生き方が選択されます
 なによりも餌付けではなく、自立してきちんと生活能力を身につけた白鳥となります。

 元々は、今年の冷害で餌の確保が厳しい渡来地の事情もあります。でも全国の大量渡来地では、この思考は大いに参考になるかと思い、報告をします 3ヶ所とも個体数は昨年並みで、安定期に入りました。昨日現在楢葉町(260)、夏井川(360)

[satochiba:0224] 千葉の里山、特に稲作・田圃を再生するために(3)

2006-06-17 17:27:26 | 里山に託す私たちの未来-再生策を探る
これは2004年2月の雁・鴨・白鳥の専門誌に掲載した内容を再編集しました

1 本年度の関東地方、特に成田市周辺の田圃の状況は空恐ろしくなってきています。一面たんぼも山も灰色に染まっています。
 栄町の新海さんの冬期湛水水田横の水路もからからでたくさん産卵されたはずの鮭の卵も底から砂ほこりが舞っています。
 深海さん自体、このように乾燥したのは初めてという状況です。

2 佐原市の藤崎さんの冬期湛水水田の周辺では、田圃自体からは塩の塊が出現し、道路には流砂がよどみ、高速道路でも砂ぼこりで煙のようにたなびいている状況です。 とうとう行き着くところまで来てしまったように感じます。
 でも、農家の方々からの反応がほとんどありません。
 少なくともほかの県(宮城県等ほか)では、この無反応ぶりは考えられない事態だと思います。 

3 千葉県の現状は、砂漠田んぼ地帯に、里山はあっちでもこっちでも産廃の山、 千葉市民等のための飲用水は、日本一汚濁のひどい印旛沼の水そのものです。
 世界の文明は、資源枯渇と水源喪失で、砂漠化と環境汚染が重複してだめになる、最後のとどめは農地に塩が噴き出し、みずが枯れて農地の放棄となって、ジ、エンドと、アーノルド・トインビー等が歴史の教科書上で述べています。

4  印旛郡本埜村周辺では、秋の刈り入れ直後に耕起してしまい、田んぼを乾燥化させます。
 白鳥群への餌付けでも、本年は、朝の餌を止めて頂きましたが、12月中旬には、周辺にまったく餌のないことが分かりました。
 異常なほど鴨も少なく、かって利根川流域、印旛沼周辺合わせて150万羽はいたであろう鴨群も、全域で10万羽程度に減少しているのではと。個人的に試算しています。その上で、砂漠地帯には、水鳥が生息できない理屈を、嫌でも突きつけられる感じです

5 いま、心配なのは、この地方へ渡来した雁、鴨達が、餌にありつけず、栄養失調のままで北帰しても、繁殖出来る体力がなく、寿命が尽きた鴨から姿を消していく状態に陥っているのではないかとの心配です。 数年後には鴨の姿までもが消えるのではないかと恐れています。印旛沼も水面上に鴨がいません、どこへいっても空っぽです。

6 その反面で、佐原市にある、岩澤さんが指導している藤崎さんの田んぼの稲を改めてよく見てびっくりしました 冬期湛水水田の稲は、根っこの部分が冬の盛りでも元気に生きています。
この根っこの部分は真っ白で、茎は柔らかくプリプリして、みずみずしいままです。この根っここそ、昔の田んぼには無尽蔵にあって、白鳥や雁や、鴨達の越冬期の最大の餌の一つなのだと、専門家のも聞きました。
 
7 かって、150万羽もの雁、白鳥、鴨達が、印旛沼の周辺で生きていけたのは、まさしくこの生きた根っこと、水が張られた田んぼがあって、無尽蔵に餌が食べられたからだと理解できます。
 同時にハスと、マコモと、ヒシの身が周辺にほどよくあって、初めて雁・鴨・白鳥は多様な餌によって、バランスの取れた栄養を採餌地で獲得できたのだと理解できました。

2004/5/18[satochiba:0222] 稲作・田圃を再生するために(1)

2006-06-17 17:23:57 | 里山に託す私たちの未来-再生策を探る
以下は、荒尾が自分で観察し、農業問題への切り口として、かつ問題意識として抱えていることの原点を若干申し述べます。
 それは、人間にちかい、生態系のトップに位置する複数の渡り鳥たちの、日本に渡来するグループの一部に生じている、特有な問題を解析しての感想です。
 
 まず、鳥も犬も猫も、種類別に最も有利な生き方を選択する手段として、人間を徹底的に利用するグループがあります ペットとしての犬が代表例です。最も種として成功している種類です。中には排他的な種類としてオオカミがいます。どこでも絶滅か、その恐れがある種として知られています。
 
 
 雁・鴨・白鳥をグループ別の観察調査していく上で、37年前に(オリンピック以前の、未だまともな時代の日本)に、東北や北海道で、野生(文字通り)の雁や白鳥のグループを観察したときの感覚があります。
 還暦を迎え、もう一度、好きなことをと思って舞い戻った、同じ雁・鴨・白鳥のグループでの観察で、白鳥群があまりに生活スタイルが変化してしまっていて、戸惑っています。
 一部の白鳥類の個体群が、徹底的に人間を利用しはじめ、その行き過ぎから、餌の取り方を知らない白鳥群が生じてしまっています。まさに人間に生命や安全までを依存し、ペット化としか言いようがない状況が生じています。

 同時に、「里山に託す私たちの未来」を考えるときに、白鳥類や犬は、ドックイヤーと呼ばれるように、3~4年で親になります。世代交代が著しく早いことが背景にあって、よりはっきりと、日本文化での背景を見せてくれるのかもしれないと思ったりしています。


 『地球を旅して生活する鳥』白鳥や雁類は、日本に渡来するグループは日本の生活文化になじみ、他の国とは異なる生活スタイルを獲得すると思います。
 人間と同じ生活者として認識すると、日本の文化的な環境とは無縁ではないと感じています。そこで逆に、日本の現在の社会病理(?)現象を理解する客観的なヒントを与えてくれる存在かもしれません。
 また、生態系の頂点にあって、地域の実際の状況をはっきりと教えてくれる存在でもありと思っています。


 日本文化のひとつの切り口として、以下の現象を「楢葉のハクチョウ現象」または「楢葉現象」という言葉で、紹介させてください。
 まさに、福島県楢葉町で生じたことと同じ事が、千葉県印旛郡本埜村の白鳥群でも生じかけていることがありまして、深く強く関心を持っております。
 本埜村でが反面教師とし、そうならないよう、冬の餌の与え方を改善されたり、努力を払われています。

 福島県双葉郡楢葉町では、1日じっとしていて、餌をとりに行かない白鳥が何百羽も発生しています。実はもっと深刻で餌のとり方を知らない白鳥類が、多数発生してしまったのです。
 
 福島県には、現在年間9,000羽以上の白鳥類の渡来があります。
 楢葉町にも、町の中心地にある農業用の溜池「大堤」に600~700羽以上が毎年渡来して越冬しています。
 いまから15年程前に少数が渡来し、餌つけされて越冬。幼鳥も、死亡率も低くお米をたらふく食べて栄養満点で北帰します。数年後親になっても、体力抜群で、繁殖成功率も高く、繁殖に成功すると必ず雛を越冬し場所に同行してきます。その孫がまた3~4年で親になりますから、ねずみ算で、あっという間に600羽を越してしまった分けです。
 
 問題は、日本に渡来する白鳥類は、私が37年前、(財)日本鳥類保護連盟の専門委員として、福島県や北海道で白鳥群を調査した折りは、500m以内には寄せてもらえませんでした。 人を見れば逃げ出したのに、今は、人は餌をくれるということをしっかりと学習し、人を見れば寄ってくるように変わってしまいました。


 

2004年4月7日[satochiba:0021] 里山シンポジウム委員会への提言(2)

2006-06-17 17:18:41 | 里山シンポジウム実行委員会のこれから
 里山林の問題点を現場認識として、整理してみます。
調査すればするほど、愕然とすることばかりで言葉を失います。
一体全体これは何事なのか? 
 悪夢でも見ているのではないか? 頬をつねってみても痛いし、

 以下の内容をこの議論に乗せるべきか、今でも忸怩たる思いです。
見てはいけないモノ、知ってはいけないモノに触れた、あの感覚です。
 でも、現状掌握と、情報開示、人事の刷新こそがこれから進むべき路であろうと、勇気をふるって前に進みます。 
 このような状況で、実は一番立ち往生して困惑しているのが、千葉県の各行政担当者のみなさま方なのです。

 ですから、これからは一緒になって問題解決に邁進しようと[里山シンポジウム委員会]の委員のひとりとして頑張るつもりです

本日の新聞で、環境省も日本の林業の現状を少しつかんだのでしょう、少なくとの千葉県の里山林で見る限り、修正せざるを得ないと思います
 先日、千葉県の山武郡にある木材市場へ、4月3日、里山シンポジウム委員会のメンバー達と見学に行って参りました。
 前回、50年ものの山武杉が150円と申しましたが、誤っていました。訂正します。ただです。価格がつきません。
 それどころか、市場には原木がごろごろしていて、ほとんど放置状態です。
なかには、80~100年を超す立派な山武杉もありますが、売約ずみのシールの付いたものは数えるほどもありません。最近は持ち込みもほとんど無い状態だそうです。
 原木を丸太に加工する作業代金も持ち込んだ方の負担となり、引き取り手がないために代金を払っての持ち帰りを要求されているそうです。
 山の中には80年~100年モノの優れた山武杉までが、そのまま放置された状態だと聞きました。
 製品売り場には、確かに製材された木材は適正な価格で売買されています。それはほとんど他県産のものです。

 現地見学では、一山全体が山武杉で、50年ものが、全域でぽきぽきと折れており、先日の春一番の風だけで、相当数の杉が中途から消えて無くなっていました。
 持ち主は、先代の親父と一緒に県の指導で山武杉を一面に植えて、今が収穫期のはずが1円にもならない、それどころか、毎年数百万もの出費になっているとのこと。 全員しゅんとしました。複数の山を見て回りましたが、全て同じ状況。

 それよりもショックなことは、山武杉では挿し木でなく、苗木をきちんと育てた木にも同じ状況になってしまっているとのこと。現在山武杉での不良材の比率は90%に達するとのこと

 さらに、県の森林研究所から非公式な話しとしては、ヒノキでも同様な病気が発生しており、見て回った地域での針葉樹全体が同じ状況に陥ってきているのではないかと疑われているとのことでした。

 山武杉での植林は、戦後徹底して県の指導で行われてきました。県の公式見解は、山武杉主体の溝腐れ病は、杉の苗床の消毒不良によって生じたことで、林業家の手入れ不良に原因があるとの事で、一貫しています。
 この病気の原因として、杉の苗床の問題はあっても、温暖化による原因、酸性雨による影響等も指摘されだしています。アカマツの枯死が、この先駆けではなかったのかと
 こうなると、山武杉の問題は30年前から始まったアカマツ崩壊に次ぐ、針葉樹での第2ステージでは無いかとの恐れを、林業家は抱いていました。
 すでに、千葉県下での林業経営は全く成り立たなくなる恐れを感じているとのことです。
 
 実際、地域全体に活気がありません。関連の製材業も大工さんも廃業しています。
まるで山全体が、資産ではなく、不良債権のかたまりでしか無くなってしまっています。山に中も谷地も、産廃で埋まってきている状況を随所で見せつけられました。

  そういう実態を現場で肌で感じて、今後どの様な方向性が考えられるか、どの様な提案が行政と一緒になって考えていけるか思案をしているところです。なぜなら、これは大なり小なり日本の全域で生じている事です。

 地域に何百年と根付いてきた方々の、そのやるせない気持ちを聞かされるたびに、同時に、我々の世代が何をやらかしてしまったかは、この無惨な千葉の森を見て、そして平地では、なぜ、ここまで田んぼを砂漠化してしまう農法を徹底的に普及させてしまったのかを見てもらえば、そのための言葉を発する必要がありません。

[satochiba:0019] 里山シンポジウム委員会の果たすべき役割(1)2004年4月7日

2006-06-17 17:15:27 | 里山シンポジウム実行委員会のこれから
 以下に「里山シンポジウム委員会」の果たすべき役割に関して、私見として申し述べます。 一部、重複もあるかと存じますが、ご容赦ください。
 まず、里山シンポジウム開催までが第一ステップです。里山シンポジウムは、通過点に過ぎません
 いかに多様な人材をこの里山シンポジウム委員会で集められ、同時に硬直化した、千葉県の行政側に、提言とその実行手法と実践を、分科会単位に提案していけるかに、今後のその存在意義が問われていくと存じます。
 また、将来は分科会の離合集散(スクラップアンドビルド!)も積極的に行われる事になるかと存じます。これはメンバーの流動化を促します
 あらたに、メンバーを見ていて、食に関する分科会の立ち上げも必要かと思ったりしています。
 提言のなかに、多分当方の勘違いや見当違いのこともあるかと存じます。ご容赦いただくと共に、議論を重ねましょう

 ●里山シンポジウム委員会への提言 
里山と谷津田の実態を知れば知るほど、容易ならざる事態だと考え込む毎日です。
 これからは、少子化の影響で、毎年50万人づつ人口が減少していきます。
日本のどの部分から人口が減少していくのかと考えれば、それは中山間から欠け落ちていくだろうとは、誰でも推測がつきます。 年間50万人が、どの県の、どの部分から欠落していくか、深刻な現実です
現在、東京の郊外でも、すこし不便な所は人口減に見舞われだしています。
 文京区でも道路沿いに高層マンションが林立し、その価格の安いこと(相対的に)と、建築されるマンションの個数のすごさに圧倒されます。
 私の住んでいるマンションの近辺500M内だけで、平均13階建てが、6棟も工事の真っ最中です。
すべて、東京郊外からの引き上げ組か、地方の会社での出張所的な利用方法が圧倒的だそうです。
 東京郊外ですら、この状態です。
 里山とは、いってみれば千葉全域が里山(都市と対応した)と考えて見ることだと思います。 その生活空間をいかに再生するかが、これからの課題です
 その観点から、千葉県での「里山条例」とは、里山を、都市空間と対比して、人の住む里山空間としてとらえます。 そこを人を引きつけることの出来る、子供がたくさん産める場所を創世する事を,課題としています。
 市民参画によって、都市での人間生活と同様な、里山での諸問題を12項目の課題で、市民に一緒に考えていこうとの発想です。
 里山条例とは、里山を里山林とか里地とかに限定することをやめることからスタートし、また、npoやボランティアが活動上必要なの費用と場所等の相当部分を県が条例に基づいて、随時負担してくれる事を約束し、県への提言を期待し、行政はその実現を果たせるようにように機能することを約束しています。
 それは、別記のごとく、千葉の里山と谷津田に関して、にっちもさっちも、資金も含めて硬直状態に陥ってしまった結果からです。
 それは、今までにない行政側からのアプローチとして、市民側からも高く評価され、いま多様なNPOや個人ボランティア等が、それぞれの課題に向かって、前向きに検討しだしているところです。

 これからの、基本は行政への提言の提示です
 市民が、現存する行政側の項目別予算の枠内に、いままでの政治家、市町村、業者とともに第4の圧力団体としても行政に介入し、執行予算の方向性に直接参画していこうとの方向性が、新鮮であり、時代背景が変わって行政がそれを真に期待しだしている証でもあります。
 その前提で、開示情報、現地見学を繰り返す中で、実態掌握では、市民側も予想できなかったような、真っ黒か灰色の部分が随所に出だしていて、その解釈と対応策を検討する時間が必要となってきています。

第3回里山シンポジウム no.16「里山と田んぼ」勉強会開催 

2006-06-04 22:35:37 | 里山シンポジウム実行委員会のこれから
06/06/03 午後6時より~9時まで、 千葉県佐倉市、京成佐倉駅隣接「ミレニアムセンター佐倉にて開催されました。
 今回は、勉強会と言うことで、以下の観点に添ってパネラーの皆様にお話しをお願い致しました。
■いま、危機的な状況にある千葉県の農業、特に里山と田んぼと言う観点から、また「里山とゴミ」という共通のテーマをもあわせて、どのように評価し、これからどうあるべきかという視点でいろいろな考え方をお聞かせ頂く場と位置付けします。
「里山と田んぼ」と言いましても、 随所で、残土・産廃とか野生動物の跋扈とか、5年~10年以上にわたって、その対策と、場合にはいのちの危険性を張ってまで戦わざるを得ない状況もあります。また、 里山では、まともな所得が得られない状況も生まれています。なまじ里山や谷津田を所有しているが為に、何も手を打たなくても実質的な赤字が累積していく現状とも聞いています。 地域を、食と農をキーワードとして、どのように掴み直していけば良いのか。……
 里山と田んぼとは、食と農とこれからという命題で、パネラーの皆様には、自由闊達に、日頃思っていることをお話を下さいますようよろしくお願いいたします。

○日本雁を保護する会会長 呉地正行「ふゆみずたんぼの現状とこれから、伊豆沼温泉反対運動」
○作家 金丸弘美「食があぶない! スローフードの現状とこれから」
○NPO法人ソフトインダストリー理事長 白石嘉宏「千葉県小見川町ローハス・ホビー村」立上げ計画
○千葉県県立茂原茂原樟陽高校教諭 渡邉英二氏「田んぼの生き物調査現場から見る千葉の農業」
○里山シンポジウム実行委員会会長 金親博榮氏「食と農と里山、現状とこれから」
○桜宮自然公園をつくる会会長 所 英亮氏「桜宮自然公園の成立ちと現状とこれから」
 この勉強会での統括報告は、千葉県立中央博物館副館長の中村俊彦様にお願い致しました
 



第3回里山シンポジウム no.15「谷津守人」分科会開催 

2006-06-04 22:23:24 | 里山シンポジウム実行委員会のこれから
 06/06/03 午前10時より~午後1時まで、我孫子市のこもれび会館にて、no.15「谷津守人」分科会が開催されました。
 参加者は60名以上に達し、盛況でした。
 我孫子市にある里山では、「おかぼっと」は著名です。そこで、日本アカガエルの卵塊が、この春に異常なほど急に増加した事が、詳細な調査によって判明し、その原因について、皆で考え、現地も観察してみようとの趣旨で、我孫子市の「谷津守人」之代表者の話では、昨年から今年にかけて、池を新たにつくったり、ヨシを切り落としたり、いろいろなことを行った結果、何故かよく分からないが、といいつつ、いくつもの仮説を提示され、何故だろうという謎解きの話しあいごとき感じ
でした。ユニークな集いという印象です
 シンポジウム+現地観察会の形式でした。

 

「ラムサール条例湿地を増やす市民の会」発足しました

2006-06-04 22:12:05 | Ramnet-J.日本の湿地保全に統合的対応
 本日、6月4日(日)午後1時30分より、都内千代田区、秋葉原駅近くの「ちよだパークサイドプラザ」の会議室で設立発起人集会が開かれました。
 まず、任意団体として、全国各地のラムサール加盟を目指す、地域の皆さま方に参加を呼びかけます。なるべく柔軟な組織形態を目指すことなどを確認しあいました。
 沖縄や四国、九州など全国から、関係者が集まり、共同代表として6人、事務局長、事務局次長の体制で本日付け、正式の発足となりました。
 全国のブロックごとを目処に共同代表を目指します。NPO法人藤前干潟守る会の辻 淳夫様/日本雁を保護する会会長の呉地正行様/千葉県の干潟を守る会の牛野くみ子様など、まず6人体制でスタートすることになりました。
なお、事務局長として、日本湿地ネットワークの浅野正冨氏が就任することとなりました。
 最短時間で立ち上がれるように、準備を進めることになりました。






ふゆみずたんぼの今(3) 新海秀次さんの発明品

2006-06-02 22:29:45 | 冬期湛水不耕起栽培の現状とこれからの課題
 ふゆみずたんぼで、今、最も重要なことは2つあります
 一つは、無肥料、無農薬であっても、どんなに立派な稲が育っても、それでも富栄養化が止まらないことです。最近の先端的な農家では、6年目に1年、乾田化してリセットが必要だと言われています。施肥効果がありすぎて……
 二つ目は、抑草効果に関してです。初年度、2年目はとてもうまくいっても、少し手を抜くと、それぞれの田んぼの歴史的経過や沼の干拓で出来た田んぼなら、本来、その箇所固有の植物の種が「シードバンク」として蓄積をされております。
 抑草効果は、発芽しないだけですから、何かの原因で抑草に失敗すると、草が一気に芽を出します。
 泥田ですから、一度目を出した雑草の対策は問題です

 その一つの解決策として、手で押してとる草取り機を参考にして、8条もの畔間の雑草を埋め込んでしまう機器を、新海さんがメーカと開発されました。