この冬の、千葉県下での白鳥群の渡来は、かってない流れを感じています
本日(2006/1/30)現在で本埜村周辺域に1,326羽。
九十九里の新しいネグラをも加えると1,700羽ほどとなります。
本埜村の個体群も順調に増えて、複利計算で増える。ネズミ算の適用段階に
至ってきました。これからどんどん増えて、4~5年で2,500羽を軽く超すことになるでしょう
いままでは、東北から福島県の浜通り、中通を経由して千葉県本埜村等に渡来していたコハクチョウ群は、おとなしく餌付けに従順でした。
でも今年の群れは明らかに違います
特に太平洋側、九十九里に出現した100羽+のコハクチョウの大群は
まず、地域でネグラを確保し、それから三々五々親子単位で、朝早くネグラを飛びたち一気に上昇し、遠方まで採餌に出かけます。、夕方遅く小さな群れ単位で、高いところから急降下してきます。
これは、雁・白鳥の本来の自然体です。
ことし越冬に成功しましたら、次年度はもっと多数で飛来すると考えられます
新しい生息地への先遣隊でしょうか。
現在、東北6県は、それぞれの県内に白鳥だけで10,000羽単位、新潟県は15,000羽を数えます。 合計75,000羽。このような数の白鳥が越冬している箇所は世界中でも稀な地域です.ある箇所ではカラスより多いと揶揄されています
多分、新潟県の瓢湖や山形県の最上川スワンパーク等から、寒波と氷結に追われて1,000羽~2,000羽以上の群れで一気に太平洋側へ。
その過程で、一群は栃木県の内陸部へ家族単位で、分散し、那珂川へ150羽が
一群100羽が霞ヶ浦へ、 また東京都にも多摩川沿いに下ってきた群れもあります。
複数群は千葉県の九十九里へ、さらに多くの群れが太平洋に飛びだして海の藻屑に、かろうじて一群が小笠原へ到達したと。
これは、日本海側にコハクチョウの個体数が増えすぎて、一気に移動したと考えられますが、それ以上に、自立した個体群が新たな越冬地を目指そうとして動いたと理解出来ます。
私は昭和34~35年の白鳥の大移動をつぶさに経験しています
(丁度高度成長の始まる直前でした)45年ぶりの移動第2弾と考えています。 (あるいは第3弾かも知れません)
まえから、楢葉の白鳥という名称で、餌付けされた白鳥の個体群は、人に大事な自分の命を託してしまいました結果として、親が子どもに何も教える必要が無くなり、教えることを放棄する。
1日中ぶらぶら餌を待って3食昼寝状態で冬を過ごす
従って、生存率が高く、体力があるので、たくさん子供を産む。幼鳥が親になる確率が高く年15%もの勢いで、増える。複利で増える。ネズミ算と話しております。しかも野生状態より(10年程度)から18年程度まで寿命が延びてしまうと話しました。
白鳥でありながら、白鳥としての生き方が分からない、餌付け(飽食)とは白鳥でも人でも同じで、親子でも学校でも、教えることが放棄され、文化の喪失をもたらすと書き続けてきました。
でも、ここ4~5年、日本海側でも東北地方でも、白鳥に餌を与えなくなってきています。その中で、自立した(人を横目で見ながら、餌を貰えないなら自分で探すか?)白鳥の家族群がどんどん排出してきています。
特に、新潟や宮城県では顕著で、餌付けの問題は殆ど語られなくなってきています。同時に家族単位で分散し、かつ個体数は低くなってきていました。
ここで、この寒波が、白鳥たちに、新たなフロンティアな場所の確保を目指すという分かりやすい、新しい動きを導き出したとも考えています。