1 予算額一兆円を軽く超す「660haの研究試験工場群」形成は、愛知県での里山の破壊と連動してしまいます。
これは第1回目での「トヨタ世界一獲得宣言」を果たすための過程で「巨大な里山エリア」をテストコースを作るためにする開発計画が進み、愛知県庁や国をも巻き込んで、現在着々と作業が進行しているものです。
トヨタ工場から近距離にあり、新製品の開発を組織的に進めるには欠かせない場所ということで、結果として660haの過半数を超す大規模な里山部分の破壊が決まって、実行に移る段階にあるものです。土地の取得はすでにほぼ完了しているそうです。
開発することが既成事実となって、後へは引くに引けないことになっている仕組みと背景が推測されます。
でもこれは、現状では国連が総意として決めた「地球温暖化+生物多様性」の2つの仕組みを本質的に理解せず結果としてトヨタの商魂で押しつぶそうとしているようにしか、第三者からは見えません。
地球温暖化でのCO2商取引や、生物多様性オフセットにかかわる商取引のいずれも、世界的な潮流とトレンドとして、かつ国連からの提案として世界中が議定書を締結して参加している内容です。世界の54ヶ国が批准している「生物多様性オフセット」では、それをトヨタが知らなかったでは世界に全く通用しません。そこをよく学習して、その基本に乗っ取って、開発手法を考えていってもらいたいと思います。
あくまで大事なのは、代償ミティゲーションとノーネットロス原則にあるといわれています。
里山や湿地をテストコースを作るためだけに破壊してしまえば、まさに代償ミティゲーションとノーネットロス原則の2つとも引っかかります。希少種のための代償行為と、失われる里山部分や湿地をノーネットロスするために、たとえば三河湾で干潟を埋め立てたまま放置されている個所を、再度湿地や干潟に戻すことによって、ノーネットロスを達成するというような、本来の趣旨を着実に実行するという宣言等を、まずトヨタは先行して出すべきと考えます。
それこそが、「トヨタ世界一獲得宣言」を出したトヨタとしてのあるべきスタンスだと思いますし、それが世界からまことに尊敬される企業になるための、登竜門だと考えます。
この部分で、「トヨタ世界一獲得宣言」を目指すのであれば、なおさら大手自動車メーカとしての厳しい倫理観を問われる部分ですので、改めて「地球温暖化+生物多様性」を包含した開発処方と、最新の里山や河川の開発手法を取り入れて、環境と生態系を配慮した最新の実践理論に基づいた、地域を最大限再生可能な方法での開発を検討を真剣に検討をいただきたいと思います。