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文京区・小石川植物園とツマグロヒョウモンの群舞を見た

2006-10-01 11:35:58 | 東京の街角からモニタリングでわかること
2006/9/24 妻と2人で、東京・文京区・東京大学付属小石川植物園に散策に出掛けた。 秋晴れのからっとした、またとないような良き日和であった。
 植物園に入るなり、ウラギンシジミの飛翔に出会い、直ぐツマグロヒョウモンが三々五々飛び回っては、秋の草花に降りて蜜を吸う姿に触れました。まだ生き残ったツクツクホウシの鳴き声を聞きながらだらだらした登り坂を過ぎると広々とした桜の園。
 そこを過ぎると、最近NPOの皆様の手で完成した、よく手入れされた野外植物観察棚が出来ていました。
 たくさんの方々が散策する真ん中で、とても大きい雌のツマグロヒョウモンと、雄を一緒に観察しました。高い山の草原が本来の繁殖地であり人との接触がなかったまま、人を恐れないのが特徴と言えば特徴。居合わせた方が、たまたま指先に停まられて、とても驚いたとのこと。そこで、皆様にすこし解説をしました。リアルな良い写真が何枚も取れました。
このツマグロヒョウモンが代表格ですが、この2~3年、熱帯性の蝶のはずが、
冬も越せるようにあって、都内で至るところで観察されます。ツマグロヒョウモンは、特にこの小石川植物園が繁殖地の代表地です。
 まず、ヒョウモン蝶類は長生きです。また飛翔力がとても強くて、車をすいすい避けられますので、都会地でも強そうです。雌は特に大きく美しく、派手な紋様で毒を持つ(オオ)カバマダラに似せている(擬態)と言われている話し、皆様にとても感謝されました。
 それにしても、ルリタテハを観察しましたが、都会地の秋の蝶の主役のはずの、
キタテハやアカタテハは一度も観察出来ませんでした。
 そう言えば食草としての雑草である、アカタテハのイラクサ、キタテハのカナムグラはとうとう観察が出来ませんでした。かって食草の繁茂した箇所もきれいに下草が刈り取られていましたので。
雑草の典型種である、この2種が減少したために、キタテハ、アカタテハも減少したかも知れません。
 例年、ジャコウアゲハは観察される箇所を見て来ましたが、大分下草を刈り取られていて、ウマノスズクサも見あたりません。雑草は人の攪乱で大きく変わります。 幸い一番奥の「東京大学」サンクチュアリーの箇所で、ジャコウアゲハを2匹を観察。このあたりはまったく手を加えられておらず、かっての生きものがそのままに生息している感じです。
 斜面を降りた広場では、今年始めて無数のアカトンボの乱舞を見ることが出来ました。 アオスジアゲハはいつもの草に集まっています。
 今年生まれのアオサギの幼鳥が1羽、羽づくろいに余念がありません。どこから来たのでしょうか
 至るところに彼岸花が真っ赤な花を付けています。秋の花の代表格であるハギの群落には、小さな蝶がたくさん集まり、ヤマトシジミやイチモンジセセリ(200+)、コミスジ(1)、キチョウなどが集まっています。
 ハギの垂れ下がった枝には緑色の「トビイロスズメガ」と思われる巨大な幼虫がおりました
 並んだ小池の廻りに日だまりには、ジャコウアゲハやアゲハチョウ、アオスジアゲハ、そしてツマグロヒョウモンが次々と、クロアゲハも時々。
 でも、この幸福感は、昔、中学生の時に夢中になって昆虫採集をしていた時、たくさんの蝶達を殺した実感と重なります。いま、とても蝶を殺すなどと言うことは、いとおしくて考えもしません。
 でも、現実に飛んでいる蝶の姿を追って、目をランランと光らせながら探し回る、この集中した気持は本当久しぶりですが、うれしい限りです。
 妻にはあきれられて、こどもみたいとからかわれますが。
 今日のこのすばらしい秋晴れに中で、至福の一時を過ごしながら、小さいときの原体験が如何に、年を取ってから幸せな感情をもたらしてくれるか、何ものにも代え難きありがたな感覚です。
 小石川植物園では、アゲハチョウ(100+)、アオスジアゲハ(150+)、ヤマトシジミ(400+)、モンシロ(50+)、キチョウ(30+)、モンキチョウ(5+)がとても多く、時にクロアゲハ(10+)やジャコウアゲハ(6+)も混じって。ルリタテハ(2)、ウラギンシジミ(2+)も観察。とてもとても、にぎやかでした。
 ぐるっと一回りで観察した個体数の概算です。でも主役はツマグロヒョウモン(80+)でした。全体に蝶の活性が高く、個体数はとても多くて、かって夏の盛期の志賀高原で味わった蝶の乱舞するそのままの風景の様でした。
 蝶の種別交代を見ると、植種の変遷を通じて、温暖化の影響を強く感じました。
都内では、春には、里山の蝶のはずのツマグロキチョウが、モンシロチョウよりも多い現象が夏にはツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハ等南洋性と言われる蝶が
都内で確実に増えだし、従来の普通種がひっそりと姿を消しています。
 帰りに、JR田端駅の近くの空き地で、ツマグロヒョウモンが3匹も、ネギボウスに似た花にたかっているのを見て改めて、自然界の変転の早さに感じいりました。

 荒尾 稔 tmlarao@tml.co.jp
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