11月に入り北海道には、もうじき冬の便りが届きそうな季節になりましたが、コロナ感染者が再び急増という便りの方が、明らかに大きなインパクトを持って伝えられています。
2020年は、どうもコロナに始まりコロナで終わりそうです。3月ごろは、「秋までには収束するであろう」と、さしたる根拠もなく漠然と思っていたコロナ禍です。
しかし、夏ころに期待を抱かされた‘ワクチン‘も、すぐには間に合いそうもなく、最近の意見の多数派は、最低2-3年は辛抱しなければ、という流れになっています。どうも、楽観論は捨てて、長期戦の覚悟でいた方がよさそうです。
その場合、とりわけ苦難の道を強いられる、主に2種類の業種が挙げられます。一つ目は、もちろん医療従事者、あるいは高齢者の介護施設従事者などです。もう一つ忘れてはならないのは、観光業、飲食業の店など、コロナ禍で打撃を受けている業種の従事者です。
コロナに対する特効薬がない現状では、行政が、2業種間のバランスをとるために四苦八苦しています。気楽なテレビのコメンテーターは、「悪いのはすべて他人」の原則を振りかざして政府を非難していますが、トランプでもプーチンでも、誰がやってもこの流れは止められません。
あまり注目されていないようですが、世界中の政府が今回、緊急経済対策として特別予算を組んで、お金を市中にばらまいています。
その結果、各国政府の債務残高の合計が、とうとう一年間の世界のGDPの総額と肩を並べたそうです。その内の約一割が、なんと今回のコロナ対策で、各国が緊急支出した借金だそうです。
そういったことを知ってしまうと、2~3年などと悠長に構えていると、命は助かっても世界経済が同時破綻などという、恐ろしいことになりそうだと思いますが、心配してもきりがありません。
前置きが長くなりましたが、本題に戻り「自分たちはどう生きるか」ですが、こちらも、明快な答えはありません。
北海道に限って言えば、これまでのコロナによる死者数は110人ですが、実は、今年1月からの交通事故死者数も115人です(11月1日現在、北海道新聞より)。コロナが2月以降の数字と考えると、偶然ですが、‘全く同数’と見ることもできます。
現代社会に膨大な恩恵をもたらす自動車も、交通事故という、‘負の側面’は避けられていません。文明の利器、車と、悪魔の使い、コロナウイルスを同列では扱えないとしても、リスク(危険性)は同レベルともいえます。
交通事故の悲惨さは、皆さん、よく知るところですし、だれもが毎日、何気なく車の往来に気を付け、また、ドライバーも運転に気を付けています。
コロナ禍も、長期戦になる以上は、テレビ・新聞の「感染者数最高」とか、その増減に一喜一憂するのではなく、毎日の生活習慣として、マスク、手洗い、うがいと三蜜を避ける等の基本的なことを、心穏やかに対応することが望まれます。
人間にとって極度の緊張感は決して長続きせず、今回のような長期戦では、かえって、時として気のゆるみを生むので危険です。交通事故に日々気を付けると同様に、コロナに対しても、多少余裕をもって、適度の緊張感を持続しましょう。
また、経済の停滞を避けるために、GoToトラベル、GoToイートなど、ある程度の感染リスクを取る必要はあるとしても、一方で、最も負担のかかる医療従事者に対する感謝を、忘れないようにしたいものです。
「十勝の活性化を考える会」会員F