“SWOT分析”とは、経営戦略等を検討するための分析手法で、自社などの内部環境と外部環境におけるプラス面(強み、機会)とマイナス面(弱み、脅威)の両面から分析し、強みを活用、弱みを克服する戦術、対策を検討するものです。
なお、SWOTとは、これらの頭文字を取ったものです。
SWOT分析の活用としては、計画の策定が考えられます。将来にわたる問題を捉えて、それに基づく戦略(指針)を立てて具体策を作るのです。これを考えるにあたっては、次の項目を押さえておく必要があります。
・国内外の社会、経済動向
・市場や業界動向(需要と供給)、法律や規制
・ユーザーニーズ(嗜好)
・環境の変化 (例えば、東京圏一極集中の解消など)
・環境変化に対する他地域、他国の動きなど (COP21)
※ COPはConference of Partiesの略で、国連気候変動枠組条約の締約国会議
以上で分かることは、全ての項目がお互いに関連していることで、これを踏まえて具体策を策定してみましょう。策定にあたり、以下のことを念頭にいれておきます。
①強みを活かして成長すること
②弱みを解消し機会に活かせるよう施策を作ること
③強みを活かして脅威を避けること
④弱みを把握し脅威を避けたりして、悪影響を最小限にとどめること
SWOT分析は、十勝の活性化を考えるうえでヒントになると思われ、試しに以下のとおり挙げてみました。
<強み>
・主要産業の農、畜産業の競争力
・国内食料自給率37%に対し十勝は1,000%超
・「十勝ブランド」の確立、乳製品や豚丼等の知名度
・広大な面積、豊かな自然
・温泉が多いこと
・共助、おもてなしのこころ
<弱み>
・農畜産業分野での後継者不足(離農が多い)
・人手不足深刻化
・若者を引き付けるような雇用が少ないこと
・JRやバス等の公共交通網が不十分
・冬期期間が長い
・農薬などによる土壌汚染が課題になっている
・一体感があるようで無い。
<機会>(追い風)
・農畜業が見直されていること
・外国人観光客の増加
・連続テレビ小説“なつぞら”の舞台になり観光客が絶えないこと
・東京一極集中の是正
・リモートワークの進展
<脅威>
・道内の札幌圏への一極集中
・TPP11(協定環太平洋地域の11カ国による経済の自由化を目的とした経済連携協定)
思いつきを羅列してみましたが、まだたくさんあると思います。大切なことは、将来に向けて知恵を出し合い、具体的な手段を検討し実行に移すことです。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) SWOT分析
SWOT分析とは、目標を達成するために意思決定を必要としている組織や個人のプロジェクトやベンチャービジネスなどにおいて、外部環境や内部環境を強み 、弱み 、機会 、脅威 の4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法の一つである。
組織や個人の内外の市場環境を監視、分析している。 フォーチュン500のデータを用いて1960年代から70年代にスタンフォード大学で研究プロジェクトを導いた、アルバート・ハンフリーにより構築された。
(出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)