このところ、北海道でのコロナウイルスの感染者の増加が止まらず、また比較的感染者の少なかった十勝も急増しています。これにつられるように、日本全体でも右肩上がりの傾向が続いています。
そこで、世界の中の日本を見てみることにしましょう。参考にしたのは、WHO(世界保健機構)*1とWorldometers*2の発表するコロナウイルスパンデミック関連のデータです。
下図は、WHOの発表する1週間単位の世界の感染者数の変化です。曜日による増減が含まれていないので、傾向をつかむのには見やすいデータです。
まず、全世界の感染者数は、1月以降増加の一途で、これまでに、ピークは見えていません!最初のピークは、早くとも今年末から来年にずれ込むでしょう。明らかにまだ、一次ピークの手前です。
全世界の感染者数に対する死者数の割合(死亡率)は、徐々に下がって、現時点で、1.5%です。地域別の格差が大きいのが特徴ですが、数字はWHOのホームページで、ご確認ください。
感染者数を地域別によく見ると、ヨーロッパ、アメリカ合衆国とブラジルを含む南北アメリカ大陸、インドを主とする南東アジアなどで、明らかに増減が繰り返されているので、1次ピーク、2次ピークと言われるものが見えています。
世界で合計をしてしまうと、それぞれの時期がずれているために、明らかなピークにはなりません。わが国を含む東アジア、オセアニア地区(図中のWestern Pacific)は、アフリカ大陸と同様に、グラフの「線の太さ」程度しかなく、数値を見ても、共に世界全体の1%程度です。
次に、Worldometersのデータ(11月13日現在)を使って、世界およそ200か国のうち、日本の順位を見てみると、感染者数は52位、死者数は51位です。
この順位は、3月に40番程度でしたが、夏以降は50番前後です。この辺りは、上位及び下位との差が大きいために、日本がかなり増減しても、順位にあまり変動はありません。さらに、現時点の陽性患者数(Active case)を調べてみると、こちらは、むしろ低くて66位です。ただ、この数字は、今後2-3週間で、もう少し上位に上がるでしょう。
いずれにしても全世界では、右肩上がりの時期に来ているので、最近の日本の増え方は、他国と比較すると、それほど「異常」と呼べるものではありません。
また、総感染者数と総死亡者数は、その国の人口に依存するので、人口100万人当たりで割った値で見ると、日本はかなり低く、感染者数は154位、死者数は148位です。
この順位は、世界の3/4の国が、コロナウイルスの被害が日本より大きいことを物語っており、人々が作り上げた社会システムが、ガラガラと音を立てて、崩れていく様子を見ているようです。
ここから下の200位までには、東アジア、東南アジア、オセアニアとアフリカ諸国が主に含まれています。
最後に、医療従事者に負担のかかる、現時点での人口当たりの感染者数を、他国と比較します。アメリカは、なんと日本の151倍、フランスに至っては、337倍と、驚愕するような数字になっています。
感染者数が急増し始めた3月以降、8ヶ月がたった今でも、多くの国でコロナ患者があふれている状況は、変わっていないようです。全世界の医療関係者に、依然として大きな負担がかかったままです。
「十勝の活性化を考える会」会員F
*1. https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/situation-reports/
*2. https://www.worldometers.info/coronavirus/