トンリョウ(TongLiao)ワークブーツ/バイクブーツ

ちょっと作りが違うワークブーツです。

革の裁断

2012-07-30 19:16:12 | Boots
 それでは革の裁断をしていきます。

まずは革に型紙を乗せ、チョット大き目に線を引きます。


 そして決め裁ち

写真だと型紙から離れた箇所を切ってますよね。
ここは履き口なので革を“折り込み”にするためです。(折り込みの詳しい説明は後ほど・・・)
 その他は型紙に合わせて裁断します。


 すべて裁断したものがこちら

左が甲革(表革)で、右が裏革です。裏革の黒い革は“口裏”といって履き口部分に使います。


そして芯材達です。

写真上の楕円形をしている革はボールガウス(指の付け根)の補強芯です。
左が先芯(爪先部)で、右が月型(踵部)です。


これでアッパーの革裁断が終了です。

 裁断が終わった後に「黒とグレーのコンビにしたほうがカッコ良かったかな~!?」なんて・・・
しかし、このまま進めます!(笑)




バイクブーツの型紙作成

2012-07-27 19:47:06 | Boots
 前回に続きバイク用ブーツの型紙を作成します。

前回つくったラストの型紙からデザインをのせた型紙にします。


1、ラストの型紙を元にデザインをのせた半型をつくります。※目にやさしいグリーンの紙です(笑)

これが完成した半型です。なぜ2枚あるかというと、1枚は裏型(裏革用)で、もう一枚が表型(表革用)です。
(この半型で内側と外側のラインが引いてあるんですよ!)

 トンリョウでは基本的に全面に裏革を使用します。(筒部の裏革をナシにする事は可能です)

ワークブーツだと筒部には裏革を使っていないものが結構ありますね。



全面の裏革にする理由は
 A、足あたりを良くするため
 B、吸湿性を良くするため
                です。



型紙の作り方としては、ラストの元型から裏型をつくり、
裏型より一回り大きくしたものが表型になります。(革や芯材などの厚み分ですね)


2、この半型を元に各パーツにしていきます。

写真左が表型で、右が裏型・芯型です。
“パッと見”で分かるように型紙の色を変えてつくります。

 これで型紙作りは終了です。


今回は、サンプルのバイクブーツなので筒幅の寸法はキレイに見えるラインで作成しましたが、
注文をいただいた場合は採寸した寸法を元にキレイなラインにして作成します。


 このようにトンリョウでは1点ずつ型紙も作成します。
細めのパンツの中にブーツを履くときと、パンツをブーツインするときでは筒の太さが違いますからね!

 次の作業は革の裁断になります。



ラストができました!! バイク用ブーツ作成のスタートです。

2012-07-25 18:35:16 | Boots
 木型屋さんに依頼していたラストができました(喜)!!

プラスチックラストはこんな感じです。

右がモデルラストで中央・左がプララストの一足です。
 プララストの真ん中に空間があるのが分かりますか?。
これは“中折れ”という種類でV字型に曲がります。
ブーツをつくった後、ラストが抜けるようにするためのものです。


 それではブーツ作りのスタートです。

まず、ブーツの型紙を裁ちます。
 靴メーカーに勤めていたときの本職がパタンナーだったので型紙はもっとも得意です☆

順を追って説明しますね。

1、ラストにセンターラインを引く


2、筒の立ち方を決める垂直ラインを引く

 トンリョウのラストは踵(かかと)高さを30mmにしています。
 (ヒール高の計り方は雑誌などでよく見るのと違うのでまた後ほど説明しますね)

3、紙テープを貼り(外側のみ)、余分な箇所をカットする


4、紙テープをラストからはがし、型紙用の紙に貼る
  立体のラストに貼ったものなので平らには貼れません。革の伸び縮みを考えて紙に貼ります。(このへんは経験がものをいいます)


 これでラストの型紙(外側)が完成です。
これから内側の型紙を作るのですが作り方はヒミツです!(笑)


 次回はラストの型紙からデザインを載せた型紙にしていきます。

ワークブーツの先芯について

2012-07-23 23:13:13 | Boots
 今回はトンリョウのワークブーツに使用している先芯について説明します。

 “先芯”とは靴のつま先に入っている芯材の事です。
先芯を入れる理由は“つま先を保護するため”と“靴のつま先の保型”です。

現在販売されているエンジニアブーツの先芯は鉄を使っているものが多いですね。

その他の既製品の靴はケミカルシートが主流です。

 トンリョウのブーツに使用する先芯は革を使用しています。

私もつま先に鉄先芯の入ったブーツを履いていますがバイクに乗っているときにシフトチェンジの繰り返しで、
鉄先芯との境目の革が破れる事が多く(足くせも悪いみたいですが・・・)けっこう気になります。

 こんな感じ

革の厚みは1.4~1.9mmです。

革先芯だと鉄先芯に比べて破れづらい事も利点ですかね!
 こんな感じ

革の厚みは1.4mmです。(現在使用している革は1.6~2.2mmぐらいの厚みです)
 作ったのは2009年5月ですから3年履いてます。
このブーツを作ってからバイクに乗るときはほとんどこのブーツを履いてます。
(自分で言うのも何ですが履き心地がいいのでこのブーツばかり履いちゃいます)

このブーツの全体写真がこちら

 デザインはプレーンで、筒丈は11インチです。
内側にファスナーを付けてフィット感は良いのですが、真冬だとバイクに乗っているときファスナーの隙間から風が入り寒いです。

 いい雰囲気でヤレ感が出てきたのでこれからが楽しみです。

 このようにトンリョウでは見えない部分の材料もこだわりをもってワークブーツを作っています。

ブーツのアウトソール貼りと吊り込み

2012-07-20 19:40:17 | Boots
 初回から紹介しているラストがまだできないので(ハァ…)
今つくっているブーツの作業を進めています。

 1つ目はキルティングブーツです。

筒丈は12インチです。
 このブーツは今日アウトソールを貼り、荒裁ちしたところです。
この後でアウトステッチ(出し縫い)をかけます。

 履き口はこんな感じ


 プルストラップ(履くときに指を引っ掛けて足が入り易くするもの)を下に向けて縫っているので
履いた後は見えないようにしてあります。(チョットしたこだわりです)



 そして今日吊り込んだブーツがこちら。

筒丈は13インチです。
 このブーツは「バイク専用ブーツに」と思いシフトペダルがあたるところに
革を1枚乗せています。


 そして吊り込みに使った道具達です。

 トンリョウのブーツ作りはハンドソーンウエルト製法をメインにしていますので
踵は釘(タックス)止め(写真下)で、その他は釘(写真上)で仮止めします。


 “吊り込み”の事や“道具”などの詳しい内容は新しくラストができたら順を追って説明しますね。

ちなみにこの2つのブーツは「俺が乗っているバイクに合うかなぁ」と思い作っています。

 このように足に合わせるだけでなく、ブーツのデザインやアウトソールの仕様など細かなところも
対応して1足のワークブーツやバイク用ブーツを作らせていただきます。