トンリョウ(TongLiao)ワークブーツ/バイクブーツ

ちょっと作りが違うワークブーツです。

甲のパーツは予めクセをつけておきます。

2017-02-23 19:18:45 | Boots
ここのところ関東地方では風の強い日が多いです。


先日 『春一番が吹きました』 と天気予報で言っていたんですが、今は “春二番” というのもあるらしいですね。




バイク乗りの私としては風の強い日はあまり好きじゃありません・・・・・・




それに風が強いと落ち葉などが工房の建物の中に入ってきて掃除もしなくちゃいけないし。


早く暖かくなって快適にバイクに乗りたいです。













さて、工房では革の裁断をしました。







トンリョウ製のワークブーツで既製品のものと違う箇所がここにもあります。





通常ワークブーツだとアッパーを作る際に甲のパーツは木型の形と合っていない状態なんです。



それをトウラスターという機械を使い木型の形に吊り込む(成型する)んです。




トウラスターで吊り込む際にアッパーの革を引っ張るところはトンリョウのブーツも一緒なんですが、トンリョウで製作するブーツのアッパーは予めおおよその形で木型に合わせているんです。






こんな感じです。

革は平らな状態なんですが、この後クリッピングという加工をしてもらい革を二つ折りした状態が黄色い型紙の形になるようにしてもらいます。



そうすると無理なく木型の形に吊り込む事ができるので木型を抜いた後でもブーツが型崩れする事が少ないんです。





ときどき靴屋さんにあるワークブーツを見たり、雑誌を見ていると 『かなり型崩れしてるな・・・・』 というものを見ます。



これは吊り込んだときから木型と合っていないものもあると思いますが、吊り込んだ状態だと木型と合ってるけど革の引きすぎや革を引く方向が違うせいで木型を抜いた後で型崩れを起こしてしまっている事も多いんです。





木型に吊り込む際に革の伸び方や引く方向を的確に行えば型崩れはしないものなんですよ。







こんな感じに。



トンリョウを始めたときに作ったブーツなのでもう少しで5年経つサンプルブーツです。



お越しいただいたお客さまにも試し履きをしてもらっていてこの状態です。
(試し履きをしてるので若干の履きジワはありますけどね。)




ちなみに木型が入っている状態がこちらです。

さっきのサンプルブーツが型崩れをしていないのが分かっていただけましたか?








クリッピングの加工をしてもらうと “浅草まで行く” “加工後にもう一度裁断をする” と手間はかかりますが木型に合っていないブーツは足にも合わなくなっちゃいますからね。

























トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

興味のある方・ご質問のある方はお気軽にご連絡ください。



価格 : ラスト(木型)代  ¥ 20,000(税込¥21,600) ※初回のご注文の場合は必要になります。
      ブーツ代   ¥105,000(税込¥113,400)~

詳しくはホームページをご覧ください。


 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
Tong Liao (トンリョウ)
〒270‐2212
     千葉県松戸市五香南2‐31‐5元山マーケット1F中央
電 話 : 047(710)6917
U R L :order-boots.com
E mail : boots.tongliao@gmail.com
時 間 : 10:00~20:00
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

※不在の事がありますので先にご連絡をください。

ブーツ作りで重点をおくところ

2017-02-18 18:46:58 | その他
今日は工房ですくい縫いをしてました。



すくい縫いはグッドイヤーウェルトでは機械を使い、ハンドソーンウェルトでは手で縫います。



トンリョウのブーツはハンドソーンウェルトなので手作業ですくい縫いをするんですが、機械に比べるとかなり時間がかかってしまいます。





こんな感じで縫います。

すくい針を 加工した中底の突起に刺します。



その後で。

加工した麻糸を通し力一杯締めます。





機械だと片足1分以内で終わる(稼働している状態ですよ。)のに対して手で縫うと片足で小一時間かかってしまいます。





縫うだけで小一時間なのですくい縫いで使う麻糸の加工も入れると機械縫いに比べてかなり手間のかかる作業になってしまいます。







ですが、手間をかけた分の履き心地を実感していただけると思っています。
(すくい縫いだけの違いじゃありませんけどね。)






履き心地に大きく影響するのがここです。

中底が一枚の革で出来ています。


6~7mmぐらいの厚みがある中底用の革を使ってるんですが、革自体に突起を作りすくい縫いをするところがグッドイヤーウェルトと違うんです。






中底用の革はこんな感じのものです。



一枚の革でも場所によって硬さや厚みが違います。



お客さまの体格や筋肉の付き方(足のですよ)などによって使い分けています。



例えば女性のお客さまには厚くなくてしなやかな部分を使ったりするんです。




この中底用の革、丈夫なものに越したことはないんですが、硬すぎたりすると足馴染みが悪くなるので同じヌメ革でもアウトソール用の革は適さないんです。




適度な密度、柔らかさである事によって履いているうちに中底の革が足の形に凹んでいき “自分だけの1足” になるんです。







『ワークブーツ』 というと “丈夫で壊れない” なんて印象を持っている方もいらっしゃると思います。



ただ 『丈夫なだけ』 では良くないと私は感じています。




履いている事がストレスになったり 『箪笥の肥やし』ならぬ 『下駄箱の肥やし』 になってしまっては履き物としての役割は果たせませんからね。







トンリョウのブーツはできる範囲で丈夫には作っていますが強度面からすると海外のワークブーツには敵わないかもしれません。




私がブーツを作っていてどのようにブーツが最後を迎えてほしいかと言うと・・・・・・





交換のできないパーツであるアッパーと中底が同じぐらいのヤレで修理ができない状態が望ましいと思っています。






といっても私物のブーツの1足はもう8年以上経ちますが 『まだまだこれから』 っていう状態です。

そろそろお手入れしないといけませんね。


















トンリョウのブーツをお客さまが履く機会が増え、快適に歩くことができれば幸いです。

































































トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

興味のある方・ご質問のある方はお気軽にご連絡ください。



価格 : ラスト(木型)代  ¥ 20,000(税込¥21,600) ※初回のご注文の場合は必要になります。
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ブーツの具合を見てお手入れを。

2017-02-13 18:24:03 | Boots
今日はひさ~しぶりにmybootsの手入れをしました。





使っている革によってお手入れ方法や頻度は異なりますがときどきはブーツを眺めてお手入れをしましょう!








今回お手入れをするブーツはこちらです。

プレーンのブーツです。

トンリョウでは一番つま先が尖っているタイプの TL03 という木型を使っています。




つま先が尖ってると言ってもウエスタンブーツほどは尖っていないのでいろんなパンツと合わせてもイイ感じになります。


以前 「チノパンとはどうだろう?」 と思って履いてみましたがそのまま家の玄関を出ました。










話しが逸れましたがお手入れに戻りますね。










ブーツのお手入れをするときは靴クリームやオイルを塗りたい気持ちを抑えて最初にコレをやってください。

ブラシでホコリ・汚れ落としです。




靴クリームを塗ってる場合はブラシでホコリを落とす他にクリーナーで古いクリームを落としてあげる必要がありますね。





車も洗車をするときにいきなりワックスをかけないですよね。


『まずは汚れを落としてからキレイにしてあげる』 というところは車もブーツも同じです。





「面倒だなぁ・・・・・」 と思っている方!



安心してください!















“履いてなくても” 慣れちゃえば 『こういうもの』 という感覚になりますから。









ホコリを落とすときにはココも忘れずに。

ウェルトとアッパーの境い目です。





今回は毛足の長いブラシなので境い目まで掃除ができますが、ブラシで届かない場合はこんなものもあります。

ホームセンターに売っているブラシですが、歯ブラシでも届けばOKですよ。





このブラシだとこんな感じです。

奥の奥まで掃除ができてる気がします。











掃除が終わったらミンクオイルを塗ります。





私はこれで塗ってます。





















間違えた!!




これです。

ずっと前はボロ布を使ってたんですが、指のほうが塗り易いので。







ミンクオイルを塗るときは手早く広い範囲に伸ばすように塗ります。

革によってオイルを吸いやすいものとあまり吸わないもので塗るスピードを変えるといいでしょうね。





ミンクオイルを塗る前と塗った後ではこのように違います。

違いが分かり易い革なのでミンクオイルを塗っていても楽しいんですよね。







そして掃除のときと同じようにココも塗っておきます。

ウェルトとアッパーとの境い目です。



ここはあまり塗り過ぎると拭き残しがでてカビなどの原因になるのでうっすらと塗ればOKです。









1足ミンクオイルを塗り終わるとこのようになります。

ん~、イイ





この状態で革にミンクオイルが滲みるまで数日間放置です。










お手入れをした後はブーツの “深み” みたいなものが出るのでどうぞ 『めんどくさい』 ではなく 『楽しんで』 やってくださいな。 

























トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

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価格 : ラスト(木型)代  ¥ 20,000(税込¥21,600) ※初回のご注文の場合は必要になります。
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型紙を裁つその前に

2017-02-07 15:44:17 | 道具
ブーツを1足作るにはさまざまな道具を使います。



私はなるべく道具は少なくしたいんですが、その作業に合った道具でないと時間がかかってしまったり、納得のいく出来にならなかったりするものなんですよね。



大工さんも同じなんでしょうかね。








さて、今回は型紙を裁つ前に切れ味の悪くなった包丁を研ぎました。

切れない包丁での作業はストレスが溜まるんです。

やっぱり刃物は 『スパッ!!』 と切れないと!







ブーツ作りに使う包丁は菜切り包丁などとはまるで違う形をしています。











これがブーツ作りに使う包丁です。

形からすると “スクレイパー” に近いですね。





“片刃” といって片側だけに角度がついている包丁です。

和包丁と同じですね。







そしてこの包丁を研ぐ砥石も菜切り包丁などを研ぐ砥石とは違います。

幅が包丁と同じぐらいになってます。



靴メーカーに勤め始めたときにホームセンターに砥石を見に行った事があるんですが、もちろんこのような幅の砥石は売ってませんでした。




今回の砥石は天然石の塊です。



17年ぐらい前に買ったものなんですが、砥石が硬いので減りが少ないのと砥石を数種類持っているのでまだまだ先は長そうです。








では、包丁を研いでいきましょう!







と、その前に。



砥石に水を含ませます。

砥石が硬いので水の吸い方も練り物の砥石に比べて少ないんです。




少し砥石が水を吸ったら包丁を研ぎます。







研ぐときは角度のついている面から研ぎます。

画像だと分かりませんね。




包丁を研ぐときに重要なのは “なるべく砥石の端まで使い研ぐ事” と “腰を入れて研ぐ事”“一定の角度で研ぐ事” の3つです。




砥石の端まで使わないと砥石が湾曲して刃先が丸くなってしまいますし、一定の角度で研がなくても同じように刃先が丸くなってしまいます。

そして、腰を入れて研がないと切れ味の良い包丁にはならないんです。







靴メーカーに勤めているとき包丁を研いでいたら同僚に 「すごい勢いですね。」 と笑われた事があります。



どんな形相だったんでしょう??










表の刃を研いだら裏も研ぎます。

裏には鋼が付いているので研ぎすぎると鋼が薄くなり、もろい刃物になるため表面のバリを落とすぐらいでOKなんです。








研いでいると砥石と包丁が少~し削れて砥石の端がこのようになるんです。

靴学校で教わった言葉だと “とくそ” と言うんです。





『砥石のクソ』 だから “とくそ” なんでしょうか??











今回は3本の包丁を研いだんですが研ぎ終わった包丁はこのようになりました。

少し刃こぼれしてる部分もありましたが型紙を裁つときには使わない部分だったのでこれで良しとします。










さあ、『スパスパっ!』 と型紙を裁つぞ~!!

















あれ!?これだと包丁いらねぇなぁ・・・・・・・

















ちなみに私、北斗の拳でレイが一番好きです。




レイがラオウと戦ってから最後のときまで涙が出っ放しでした。








































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下ごしらえが多いこと・・・・・・・

2017-02-04 16:25:59 | Boots
ぶらり途中下車の旅をしたいと思う今日この頃です。




みなさんはしたことありますか?











さて、工房ではオーダーをいただいたブーツを作るにあたり “下ごしらえ” をしています。




ハンドソーンウェルトのブーツには完成すると見えなくなってしまう箇所の下ごしらえがすんごく多いんですよね。





なので完成したブーツだけを見ると既製品のブーツより 『手間がかかっている』 という事が伝わらないんです。









今回紹介するのもその一つと言えるでしょう。










ということで今回紹介するのは “すくい縫い用の糸作り” です。







グッドイヤーウェルトだと機械ですくい縫いをするためハンドソーンウェルトとの違いがでます。






縫い方や中底のリブも違うんですが糸の加工にも違いがあるんですよね。





ハンドソーンウェルトでは1足分の麻糸を加工するのに対してグッドイヤーウェルトは機械に麻糸を通した状態で縫うので麻糸の長さが違うんです。










まずは “9本撚り” という細い麻糸が9本撚られた糸を必要な長さに切り、両端を尖らせます。



尖らせるには撚ってある9本の麻糸をほどき、1本ずつ長さを変えて撚りをほどき糸先を尖らせます。






9本の糸先を尖らせたら撚りを戻し9本撚りの状態で糸先が尖るようにします。













次はこの麻糸の先に “チャン” という松脂と油を混ぜたものを引きます。

革の中にチャンがあるので革を握り麻糸を引くと麻糸にチャンが付くようになります。




麻糸全体にはこの作業をする前にチャンを引いてあります。








チャンを引いた麻糸の先は “張り” が出るんですよね。

最初の画像より糸先が 「ビシッ!」 としてますね。



張りは出たんですがこの状態だとすくい縫いをする程の張りはないのでチャンを引いた糸先にコレを付けます。

釣り糸です。



私が教わった靴学校では “毛針(おそらくイノシシ)” を使っていたんですが、友人であるシューリパブリックの高山さんにこの釣り糸の事を聞き、マネしたところ使い勝手が良かったので今はこの釣り糸を使ってます。


それにスルメがあればザリガニだって釣れちゃうんですから毛針を使うより実用的です!!












釣り糸にチャンを付けた麻糸の先を 『クルクルっ』 と巻くとこのようになります。

これですくい縫いをしたときに使える状態になりました。







片足をすくい縫いするのに麻糸を1本使うんですが、麻糸の両端にこの加工をするので1足分だと4回この作業をする事になるんです。







そしてこの作業、すくい縫いが終わると糸先を切ってしまうので 『すくい縫いをするためだけ』 に行う作業です。






完成すると 『見えなくなる』 ではなく 『なくなる』 部分でしたね。

 















トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

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価格 : ラスト(木型)代  ¥ 20,000(税込¥21,600) ※初回のご注文の場合は必要になります。
      ブーツ代   ¥105,000(税込¥113,400)~

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