トンリョウ(TongLiao)ワークブーツ/バイクブーツ

ちょっと作りが違うワークブーツです。

中底の溝伏せと中物入れ

2012-08-31 08:29:44 | Boots
 さて、ブーツ作りを進めます。

前回ですくい縫いが終わったので、今回は中底の溝伏せと中物を入れます。

ではいつものように順を追って説明します。


1、中底の溝伏せです。
中底の溝伏せは、中底を加工したときに切り取った革を貼ります。

切り取る前に何ヶ所かアタリ(しるし)を付けてあるのでアタリを合わせるようにして貼ります。


2、シャンクを貼る
シャンクとは靴が曲がってはいけないところに入れる芯です。
背骨的なものですかね・・・

焼きの入った鉄シャンクを使っています。このシャンクが適切な位置に入っていなかったり、強度が弱いと
履いているうちに靴が変形します。


3、荒裁ちした中物を貼ります。
中物とは中底とウェルトの高さが違ったり、ちょっとした凹凸を調整するものです。

中物は4mm厚のコルクシートを使ってます。“練コルク”といって「粒のコルクを糊などで練って塗る」
というものもあるんですが、トンリョウではコルクシートを使っています。
理由は
A、コルクシートは練コルクに比べて圧縮しているので潰れにくい。
 (中底が足に馴染むのでコルクが潰れなくてもOKなんです!)
B、作業性が良い。
 (練コルクだと乾くまで時間がかかります)


4、余分な中物を削り、形を整える。

中物はなるべく少なくしたいので結構削っちゃいます。


完成です!!

このコルクの感じが結構好きなんですよね☆






トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

興味のある方・ご質問のある方はお気軽にご連絡ください。




価格 : ラスト(木型)代  ¥ 20,000(税込¥21,000) ※初回のご注文の場合は必要になります。
     ブーツ代    ¥115,000(税込¥120,750)~


 
連絡先等は
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
Tong Liao (トンリョウ)
〒270‐2212
     千葉県松戸市五香南3‐24‐12
電 話 : 04-7361-8810
E mail : boots.tongliao@gmail.com
時 間 : 10:00~20:00
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

※不在の事がありますので先にご連絡をください。



底付け用のイス

2012-08-29 10:35:03 | 道具
 以前から使っているイスの事です。

吊り込みなどの底付けに使っていたイスなんですが、
「なんか変だな~、気持ち悪いな~」(夏なので稲川淳二風に)と思ってたんですね!
チョットだけ座面が高いのが理由です。

以前から使っていたイスがこちらです。

ちなみにイスの足 下部にある板が出っ張っていて、すくい縫いの糸が良く引っ掛かります。(ハァ)


ブーツ作りの底付けはイスに座ってする作業が多い為、合わないと作業がしずらいんです。


そこでイスを買いました!(喜)

整備士が使うローラーシートです。

しかし、座面の合皮にシワが入っているのが気に入らず張り替えをする事にしました。

革は余っていたグレーの豚革です。
まぁ余っていた革なのでデキはそんなに・・・・


以前使っていたイスとの座面の高さはこんな感じ

高さは同じですが、ローラーシートにはスポンジが入っているので沈むし、何と言っても快適です!
これだけの違いでもだいぶん良くなりました。

 あと、引き出しや小物置きも付いているので釘などが置けます。

 道具などは使い勝手が良い方が効率も良くなるし、ストレスが減りますよね!



本当はバイクのシートも張り替えたいんですが、シートベース(古いバイクなので鉄製)
がボロボロなので無理なんです・・・




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価格 : ラスト(木型)代  ¥ 20,000(税込¥21,000) ※初回のご注文の場合は必要になります。
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すくい縫い(ハンドソーンウェルト)

2012-08-27 16:31:48 | Boots
 今回はブーツ作りを進めます。

前回すくい縫い用の糸を作ったので、その糸を使ってウェルトを縫い付けていきます。

 この作業が雑誌で良く見る「ハンドソーンウェルト製法」の名前になっています。
「ハンド(手)ソーン(縫う)ウェルト」なのでウェルトを手で縫い付けていきます。


 それでは作業を始めます。

1、仮止めの釘を何本か抜き、中底 内側の溝からすくい針を刺し、アッパー・ウェルトにも穴を開けます。

このとき、一定の角度ですくい針を刺さないとウェルトがヨレヨレ曲がっちゃいます。


2、開けた穴に糸を通します。

始めに針(釣り糸)だけを交互に通し、それから片側を引きます。片側の糸が穴に通ったら残りの片側も引きます。
何でそんな面倒くさい事をするのかというと、穴が小さいので一方を引いてからだと残りの一方の針が入りません。


3、両方の糸が通ったら糸に“アヤ”をかけます。

写真左の糸が一回くぐってるの分かりますか?これをする事によって糸が緩みません。
“アヤ”という言い方は学校で教わった言葉なので他の職人さんと同じか分かりませんけど・・・


4、糸を引き、締め込みます。

この作業、結構な力で引きます。なので、すくい針の柄と手袋をしている部分で引きます。
(素手で引くととても痛いです。【笑】)


5、縫い終わったら余分な革を切って完成です。

革を切りすぎても強度やリペアの際に問題があり、残し過ぎてもこの後の作業がやりずらくなります。

 この作業を機械化したものが“グッドイヤーウェルト”ですね。(レッドウィングの製品はこの製法が多いです)
※中底の仕組みや縫い方は違いますけど


 記事にすると簡単そうに見えますかね!?
一針づつ“穴を開けて縫って”の繰り返しなので結構手間がかかるんですよ。




トンリョウではお客様の足を採寸し、履き心地はもちろん、デザインや仕様まで対応してお作りします。

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価格 : ラスト代  ¥ 20,000(税込¥21,000) ※初回のご注文の場合は必要になります。
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ブーツの修理依頼

2012-08-24 19:39:54 | その他
 先日、バイクのクラブメンバーが我が家に来たときにブーツの修理依頼をもらいました。

そのブーツがこちらです。

写真だとチョット分かりずらいんですが、結構ヤレてます。(笑)


 「どこのウエスタンブーツかな~」と思いプルストラップを見ると「PECOS」の文字が・・・

「この名前はレッドウイングが商標をもっているので他のメーカーでは使えないはずなんだけど」
と思い中を覗いてみると、やっぱりそうでした!!

ちゃんとタグが付いてました。
 それに、ほとんどのウエスタンブーツのライニング(裏革)が豚革なんですが、このウエスタンは牛革を使ってます。
作りを見てもしっかり作ってます。

 ヒール・本底の修理をするんですが、今回は“オールソール”はしないで修理をします。
(オールソールをしてもアッパーがもたないでしょう・・・残念)


ちなみにヒールはこんな感じになってます。

トップリフト(ヒールの接地するパーツ)が無くなりヒール自体が削れています。
 この修理はヒールを削り、ゴムをかませてトップリフトを付けます。


本底はこんな感じ

ゴムが減って、薄くなっているので均一の厚さに削り、ゴムを貼り足します。


あと、ブーツの中を見ると、踵の接地点が凹んでいるので凹みもコルクを使って埋めます。

写真だと分からないかな~。
 ここが凹んでると履いてて疲れると思います。


 この修理内容でアッパーが限界になるまで履けるでしょう。

このブーツは革や作りがしっかりしてるからここまで履けたんでしょうね!

見習うところはたくさんあります。


 また修理ができたら記事にしますね。





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価格 : ラスト代  ¥ 20,000(税込¥21,000) ※初回のご注文の場合は必要になります。
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すくい用糸づくり

2012-08-22 18:20:26 | Boots
 前回の作業で吊り込みが終わったので次はウェルトを縫い付ける作業です。


手でウェルトを縫い付けるので“ハンドソーンウェルト製法”です。
仕組みが同じで機械でつくるものを“グッドイヤーウェルト製法”といいます。
グッドイヤーウェルト製法はウェルトを縫う機械を発明した人が“グッドイヤーさん”という人だったそうです。

 ハンドソーンの場合、吊り込み前に中底の溝を掘ったり(前に記事にしましたね)、
ウェルトを縫い付ける糸を作ったりと機械でできない分手間がかかります。


 今回はウェルト縫い用の糸作りをします。
ウェルトを縫い付ける作業の事を日本では“すくい縫い”といいます。なので今回は「すくい用糸づくり」です。


では順番に

1、使用する糸を使う長さに切る

使うのは麻糸で、細い糸を9本使っている“9本縒(よ)り”です。
 この糸を使う長さに切ります。 糸の長さは短くてはもちろんダメですが、長すぎても作業がしずらいので
ちょうど良い長さに切ります。


2、切った糸にチャンを引きます。(擦り込みます) ※両端はやりません。
 チャンとは松脂(まつやに)の事で、糸作りに使うものは油と一緒に火にかけて混ぜたものです。
油の量が少ないと硬くなり、多いと柔らかくなります。(私は固めが好きです☆)
出来たチャンはベタベタしてます。 たしか、昔あった“ハエ取り紙”も松脂を使ってます。

この時に麻糸の中までチャンが染み込むように引かないといけないので摩擦熱で結構熱くなります。


3、布でチャンを均一に慣らし、余分なチャンも拭き取ります。

この作業は結構「ゴシゴシ」やるので厚手の布を使います。
 この後、ロウを引く職人さんもいますが私はこのままです。(だからあんまりベタベタしない固めが好きなんです☆)

出来たものがこちら

右:チャンを引く前  中:チャンを引き布で拭いたもの  左:チャン
チャンを引く前と引いた後で太さが違うの分かりますか!? チャンが付いているのに細くなってるという事は
「締まっている」という事です。


4、糸の先を細くします。

9本をバラバラにして、バラした糸を1本ずつ細くします。
細くするのは縒ってある方向と逆に回すと細くちぎれていきます。これを9本すべて違う長さにします。
 一足で麻糸を2本使い、糸の両端ですから 2×2×9 で合計36回この作業をします。

んで、できたものがこちら

左:切った状態  中:縒りをほどき細くしたもの  左:“中”の作業をした後、縒り直したもの

どうですか、うまい事細くなってるでしょ!


5、毛針と糸にチャンを引きます。
※写真は針だけです。

上が昔から使われている毛針で、下は今回使う釣り糸です。
 日本ではすくい縫いには金針を使っていますが、オーダー靴を作っている友人に釣り糸の事を聞き、
試したところ釣り糸のほうが作業がしやすいので釣り糸を針として使います。(毛針だと若干柔らか過ぎます)


6、針に糸を巻きつけて完成です。

針から糸に変わるところが太いと縫いづらかったりするのでなるべくなだらかに巻きつけます。


 麻糸にチャンを引く理由は、強度を増す為と、腐食防止の為です。
化繊の糸を使えば強度はあるんですが、糸先を細くできないので、すくい縫いができません。
なので手間をかけてこの作業をする訳です。

 量産の靴のように機械製が多く出回っている現在ですが、トンリョウではこのように手作業が増えます。
もちろん効率化を考えれば機械を使うほうが良いと思いますが、効率だけを考えず“良し悪し”も考え、
手作業の良いところは残して1足1足つくります。 ※機械にも効率以外に良い所はたくさんあると思っています。





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価格 : ラスト代  ¥ 20,000(税込¥21,000) ※初回のご注文の場合は必要になります。
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