VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

永遠の桃花通信8

2021-10-11 10:22:36 | 永遠の桃花

墨淵に対する白浅の思いの独白がある。

東海の祝宴で   阿離がミョウチン公主にお礼はもうちゃんとした

と 文句を言うと白浅は阿離に

  「命の恩人は、海よりもずっと深いのだから、

お礼だけで済む問題では無い」と訓戒する。

  その時の独白。

 

お礼を言ったからといって、何も気兼ねが無くなるのなら

  今の私は どれだけ気ままに生きられるのでしょう。

ただ あの人と師弟として過ごした円満な情のみを

  記憶にすることができるのなら、これほど後悔と遺感の念に

苛まれなくて済む。

 

 (そして、墨淵にそっくりな夜華君の顔を思い、

 自分は 何万年もあの顔を見ているから

今ようやく気持ちを抑えられるが  普通の女性なら、

  あの顔を見て身を わきまえろということこそが

無理というもの。とミョウチンを思いやっている。)

 

自身の 天劫を 師匠が受けた時 白浅は生まれて初めて

 自分の この二万年の修行の日々が 誠に

ろくでもない所為であったと意識した。

 3日間 師匠が静養にこもった洞の前に跪き

涙と鼻水を流しながら「師父、傷は深いですか?その傷は

 静養で治せるものですか?弟子は 誠に愚か者です。

いつも師父を巻き添えにしてしまって。どうかそれが元で

病原を残しませんように。貴方様にもし万が一の事があれば

 弟子は 自分を煮込んで、貴方の滋養スープとなるしか

ないです。」

  私の一生のうち あの時だけ、

それほどに見苦しくかつ 悲しく泣いたのは。

 

 その後の翼族の反乱で大戦がおきるが

陣法図を盗まれ、苦戦することになる。

 墨淵は 敵が まだ陣法図を全部解読しないうちに

大急ぎで攻めた結果翼族の3万の兵を若水に追い詰めた。

 

 墨淵は多くの精力を使って 劣勢を補うため、

生命力の根源が大きく傷つくこととなった。

 

 あの頃の私はとても愚かだった。確かに墨淵は

非凡な能力の持ち主ではあるが、しかし 私の代わりに

 三つの雷を受けたことは決して容易な事ではなく、

たかが数か月の静養で 完全に治るはずがないことなど

 考えもしなかった。

あの頃の私が 少しでも疑っていれば

 その後の結末は あのような事になることはなかった。

しかし 彼は 隠していた。ずっと うまく隠していた。

 

 (ケイソウが 東皇鐘を出した時)

その時点での彼がすでに 倒れないよう、

かろうじて踏みとどまっている事を

自分は知らずにいた。

 

そうして 彼は自分の元神を使って かろうじて

 ケイソウを封印し 東皇鐘を静めた。

 

白浅は ドラマだと 気位高く、傲慢な印象が心に残ったが、

  原作では 弱い者に優しく 情が深いと感じる。

 

師匠に対する深い思いは 不祥の弟子であった自分を

  悔いてやまない心から発するもの。

 

  ドラマの中で、東華帝君が 高潔な白浅上神と呼び、

司命星君が 心の広いお方ですな、

 と言っている。

もう少し そういう白浅の良いところが 見るほうに伝わると良かった

 と自分は思いました。