タモリじゃないよ(笑)。
前のブログでレコの際にハモリを入れて・・・って書きましたが、通常はあまり意見は言いませんよ。
あくまで、迷っているときや、明確に良くなるであろうアイデアがあったとき、「こんなアイディアも
あるけど・・・」って提案するだけ。それでも100%クライアントの意見に従います。
ところで、主旋律に対してハモリを付ける場合で、バンドで良くありがちなのが、ボーカリストが
気軽に「上でハモって」とか、「3度上でハモって」などと言う場合。
ま、自分の歌っている主旋律がコードに対してどの音を使っているのか、なんかがわかって
言っているならいいんだけど、大体の場合、そんなことはない。
でもメロにたいしてなんでもかんでも3度でハモれると思っている人も多くて、それもちょっと
困るよね。ま、適当に感覚で言っているんだろうからいいんだけど、実際にはメロにたいして
なんでも3度上でハモれるわけではない。(当たり前だ)
例えば(ここから先はとても簡単な話を丁寧に説明するので、わかりきっている人は
飛ばしてね)
先のレコの際のハモリは、Gメジャーコードで、主旋律の始まりの音はB(シ)、つまり、Gコードに
対してメジャー3度上のB(シ)から始まっている。ここで考えられるハーモニーの始まりの音としては、
Gのルート音のG(ソ)か、5度上であるD(レ)である。どちらでもいいんだけど、ルートのGだと
主旋律の方がハモリっぽく聞こえてしまう危険もあるし、ちょっとキー的に高いか低いかの微妙な
ところだったので、5度であるD音から始めるのが、音的にもちょうどよく、上でハモってますよ的な
雰囲気が出ていいとの判断でそうした。
ま、一番楽なのはGコードに対して、主旋律がG(ソ)から始まってくれれば、迷わずB(シ)から
ハモれば簡単にハモれる。ハ長調で言うとドミソの和音だ。
で、この場合のGメジャーコードに対するB(シ)から始まる主旋律、これに対して「3度上でハモって」
ってなった場合、どうなるか。Bから数えてメジャー3度の音はE♭になる。Gメジャーコードの中のE♭
の音はオーギュメントの音になってしまう。不協和音と言うか、意味のあるテンションノートになってしまう。
Gマイナーではどうか。今度は主旋律の始まりはマイナーコードなのでBではなくB♭になる。そこから
数えてマイナー3度の音はC#、今度はGコードに対してデミニッシュの音になってしまう。
どちらも単純なGコードに対しては使えない音である可能性が非常に高い。
なので、なんでもかんでもメロに対して3度上でハモると言うことは簡単なようで実は難しいわけだ。
ま、そうは言っても、いわゆる西洋音楽のルールの中では絶対の正解があるので、ほぼどんな
曲でもコードさえついていれば、その中でハモることは出来る。
効果的かどうかは別として、ハモリを作ることは可能。
ただ難しいのは、以前も某バンドでやったことがあるんだけど、コードに対して、アウトしている音から
始まっている、あるいは音を含んでいる場合だね。
その場合は、これまた安パイな音から始めるしかなく、メロがアウトしても、ハモリパートは
コードから外れないような音使いをした方が間違いがないとは思う。
ただ、実際にはここまでいちいち、音を確認しながらハモると言うことは多分ないと思う。
大概は鼻歌で適当にコードを鳴らしながら見つけて行く場合が多いとは思うし、多分それが
一番歌いやすいハモリパートになるとは思う。
ただ、こうやってコードと照らし合わせて考えて作って行くと、アウトした音がわかるので
間違いがないかなとは思う。