教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

T☆ROCKS:TOSHI

小田急相模原ライブハウス <T☆ROCKS>のオーナー「TOSHI」です。 音楽の話、音楽以外の話・・などなど色々!HPの 「教えて!TOSHIさん」も更新中! t-rocks@jcom.home.ne.jp

ベース、それは複雑怪奇

2014-04-24 | 音楽的アドバイス

ライブにおけるベースの音作りの難しさ、複雑さ、難解さ、回りくどさは半端ない(笑)。

それに対してギターはキャビネットの前にマイクを立てて音を拾うわけだから、わかりやすいよね。

実際に自分が聞いている音と多少の誤差はあれ、マイクで音を拾うと言ういたってシンプルな

方法なのであまり悩むこともない(実際にはギタリストもそれなりに悩んでいるだろうけど)。

それに比べ、ベーシストはいったいどれが本当の自分の音?ってなるのよね(苦笑

なぜかって言うと、皆さんご存知のようにベースアンプに行く前にDIで信号が分岐され、

一つはアンプにひとつはミキサー卓へ行く。7:3か6:4くらいでDIの音が多めに外に

使われる場合が多い。T☆ROCKSではベースアンプの前にマイクも立てて3割4割

くらいはアンプの音も混ぜている。

まずこの時点で、アンプで極端にEQなどを駆使して音を作っても外にはあまり反映

されないことになる。ただし、それほど大きくないライブハウスなら当然生音もお客さんに

聞こえているので、アンプの音も大きく影響はする。ただ外音とイコールではないと言うことだね。

 

そして、最近、(当然と言えば当然なのだが)ベースアンプのEQとはいったいなんぞや?と

考え始めている。と言うのもDIに行く前に足元などでプリアンプやEQ、コンプなどで音作りを

完結したとして、アンプに行き、そこでまたEQをいじる、またはコンプなどが付いていれば

それも調整する・・・と、言うことは足元で「これでいい」と思った音作りに加えて、EQなどで

さらに調整をすることになる。で、前途したようにアンプでの音作りは原則、外音に反映されない。

 

パッシブの、それほど太い音ではないベースを直でアンプにつなぎ、EQでそれを補うように、

太く低域の効いた音にしてライブはバッチリだったとしても、録音された音はラインのみの

EQで調整していない音なので、思った様な音ではない、と言うことも起こり得る。

 

なので、足元で、つまりミキサー卓に行くまでにベースアンプのEQで補正するのと同じことを、

完了させておきたいと言うことでみんな、プリアンプやEQなどで音作りをする・・・。

で、そうなると、いったいアンプのプリ部って何?邪魔じゃね?ってことになるわけなのよ(笑)。

二重に調整することになるからね。そこで、じゃあ、そこをスルーしちゃおうってことで、アンプの

裏についているリターン端子を使ってプリ部を通らないでボリュームのみ、つまり純粋な

アンプリファイアー(増幅器)としてだけの役割としてベースアンプを使う・・・と、確かに

これも一理ある。一理あるんだけど、これがまた結構面倒くさい。まず、DIに行く信号が取れない。

ベースからペダルを経由してアンプのリターンに行くわけだから、DIに行く経路がない。

DIに行く前に信号を2系統に分けて一つをDIに行かせるしかないね。

センド&リターンを使っても同じだ。センドからペダルに信号が行くわけだから、DIに入る信号は

ベースからの直の音になるわけで、これでは意味がない。

あるいは、足元のプリなどのペダルにキャノンアウトとダイレクトアウトがあれば、つまりDIと

同じ機能があればそれを利用すれば出来る。出来るけど、出来ればプリフェーダーにして、

プリアンプのボリュームを変えても音量が変化しないようにしておいた方がPA屋さんは安心

出来る。プリフェーダーにしてボリュームが変わらないかどうかは機種によって違うかも知れない

のでなんとも言えないけど。

どちらにしろ、結構面倒くさい感じにはなるよねえ・・・。

まあ、アンプのDIアウトを使うってのもあるんだけどさ。その店によって違うだろうし、大体は

DIを用意してある場合の方が多いだろうから、それを伝えるのも面倒かけてイヤだしねえ(笑)。

 

それともう一つはベースアンプのEQ部分に0位置があって、そこを基準に増減するタイプだと、

かなりフラットな音が期待できるかも。多分だけど。ま、いくらゼロとは言ってもそのアンプの

特性が絶対に出るので、EQ部分(プリ部分)を完全にスルーしているわけではないので、

なんとも言えないけどね。

逆にゼロ位置から増やしていくだけのEQだと、どんどん音が変わって行く・・・行くはずなんだけど、

これまたどういう設計をしているかわからないので、実はどこかの位置にフラットに近い位置が

あるかも知れない。確かギターアンプのJC-120はミドルが全開でフラットなんじゃなかったっけ?

 

そんなわけで、ベースアンプでいったいどこまで音を作っていいのか、悩むんだよね。

基本自分はほとんどフラットで使いたいと思っている。出来れば単純に増幅器としてだけで使いたい。

実際プロのベーシストで自分のアンプを所有している人でそういうアンプ(増幅するのみ)を選んで

いる人がいることも確か。

 

それと、じゃあ、ベースアンプではなく、モニターからの音の方が素の音に近いんじゃないの?って

人もいるんだけど、残念ながらモニターにも勝手にEQがかかっていて、当然ハウリングしやすい

周波数や60Hz以下は落としてあったりする。なのでこれもアテにならないんだな(笑)。

 

まあ、ベースに限らず、ギターでもなんでも、「他の楽器のとの兼ね合い」が大事だから、

自分の音だけで判断することは難しいし、ベースアンプのEQはその時の状況によって、

補正をする意味で増減をするのが一番正しい使い方かも知れないね。

 

そもそも、ベース本体に電源を必要とするプリアンプを入れて安定したローとハイを得て、

尚且つ周波数を調整できると言う考えは、昔からあるにはあるけど、有名なのは、

マーカスミラーの77年製ジャズベースにロジャーサドウスキーが入れたプリが、

レコーディングの際にアンプを用意しなくても、即レコーディング卓に突っ込んで、良い音が

得られるから、ってのが大きいね。

あ、ちなみに「あまり詳しくないかも」って人に説明すると、パッシブベース(電池を必要と

しないベース)のトーンってやつは抵抗を入れて減衰させてるだけだからね。

電池が入っているベースのトーン(トレブル、ベース、ミドルなど)は電源の力を借りて、

増減しているので、そこのところを勘違いしないでね。

つまりパッシブベースの場合はすべてのコントロールが全開の位置がそのベースの

フラットの音と言うことになる。アクティブ(電池入り)の場合にコントロールを全開にすると、

音を増幅していることになる。

 

先のマーカスのベースの例を取ると、アンプの代わりにベース内にプリアンプを入れたってのが

やはり正解で、ベース本体のプリや、足元のプリアンプなどで音を増幅した場合は、アンプの

プリ部(EQなど)は大きく音作りに使わない方が正解かも・・・とも思う。

思うのだが、ここが大事。何かと言うと音楽は数式ではないので、音楽として聴いた時に

気持ちの良い音が出ていればアンプのプリ部をいくら動かそうが、それが一番の正解と

いうこと・・・ですな。

 

あ、ちなみに奥の手として(?)「ライン信号は使わないで、マイクのみの音を使ってください」と

潔く言ってしまうのも手だよ。うちでも大丈夫だし、大概それほど難しくないので対応してくれると

思う。それだと心置きなく好き勝手にベースアンプのEQを使うことが出来る(笑)。出来るって言うか、

それが100%反映される。


ステージで優先すべきこと

2014-04-24 | 音楽的アドバイス

先日、軽音楽倶楽部(音楽教室)で講師の浜田先生を交えて話をしていたときに

「Voとしてお金を取れないと思ったので歌はやらない」と言う発言があった。

また「アマチュアならなんでもOK、ただし責任がない代わりに本来ならお金を取るべきではない」

とも。

非常にうなづける意見だね。前から自分も似たようなことを言っている。

それと、浜田さんも自分も同じ意見なのだが、Voに関してだけ言えば、持って生まれたものが非常に

大きく、努力ではどうにもならない部分は他の楽器に比べどうしても大きい。

声量がない女性が死ぬほどの努力をしたとしても、マライヤキャリーやディオンヌワーウィックみたいな

歌声にはほぼ確実になれない。もちろん正しい発声法を学べば相当に上達は望めることも確か。

でも楽器の方がもう少し望みはあるよね。練習すれば絶対にかなりの域にまで達することはできる。

で、出来ればヴォーカリストと言うのはそれだけでお金を取れる物を持っていて欲しいのだけど、

さすがにプロでもそこまでの人はそう滅多にいないかもね。

歌と同時に、楽曲とかカリスマ性やメッセージ性、単純にルックスの良さだけでも、なんでも

ひっくるめてその人が魅力的で人が魅了され、お金が発生すればプロとして立派に通用する

証だよね。

 

そういうトータル的に見ることが出来るかどうかが大切。これは出来ればアマチュアでも

ステージに立つことを前提としてる人には意識しておいてほしいところ。

かく言う自分もVoだけで考えれば正直お金を取れるレベルではない(キリッ)(苦笑

だとするとそれ以外の部分で補うしかない。オリジナルをやっていたころは楽曲だったり、

バンド全体のエネルギー、カリスマ性、最近はカバーバンドなどが多いけど、それも

バンド全体のステージングや構成、アクション、演奏、はたまた衣装などで補って

余りあるくらいにがんばる。それしかステージに上がる手段はないと思っている。

あ、セッション会やバー営業などで軽く遊んでるときは別よ。あれは責任ないので、

甘えている。

 

こういったことを考えるのは当然と思っているのだが、そこまで考えている人は

どこまでいるのか?

ただ、前途したようにアマチュアに限って言えば責任はないのでそれで一向に

構わないはず。構わないんだけど、心構えとしては出来れば持っていて欲しいところ。

 

そこで、演奏はとりあえず置いておいて、Voに関してこれだけは気を付けた方が

いいと言うことを書きたいと思う。

あたり前のことなんだけど、その歌が本当に歌えているのか否か。楽器陣の人が

リーダーだと、Voのキーが合ってなくても「練習してがんばって」って言って終わって

しまうことが多い。このキーが合わないってことは一番大切な問題で、オリジナル曲は

問題ないだろうけど(たまにあるバンドもいるけど)、カバーをやる場合は本当に

入念に決める必要がある。

もちろんオリジナルキーで歌えるのが一番望ましいが、高すぎる、低すぎるってのは

どうしても出てきがちなんだね。

例えば自分はたまにナイトレンジャーのカバーをやっているわけだけど、オリジナル

音源のキーだと自分にはきついのでチューニング自体を半音下げて、同じコードで

演奏をしている。最近本家もライブでは半音下げているけどね(笑)。

これだとほぼ問題なく歌える。うまく歌えるかどうかはまた違う問題だけど、自分の

喉でこの音域なら出せる範囲と言うことだね。一瞬だけ高い音を歌うのと、そうでもない

高さをずっとキープしなければいけない、と言うのは結構喉に対する負担は違うからね。

実は後者の方が喉は疲れてつらくなってくる傾向にある、自分は。

これをきちんとバンド内で話し合うのが大切。どうしても楽器陣はチューニングを変えるのは

抵抗があるのはわかる。弦のゲージや弦高も変えなければいけないし、ネックにかかる負担も

厳密には変わるのでそれ専用の楽器を用意した方がいいので、やはり面倒である。

半音下げるだけで全体の響きがダークになるので嫌う人がいるのもわかる。

自分も同じだ。が、しかしそんなことより何よりお客さんは歌を聞く。歌以外は気にしてないと

言っても過言ではない(笑)。半音下がっていようが1音上がっていようが普通の人はまず

気づかない。それよりも歌、それからリズムの狂いは結構普通の人でも気づく。

なので、まずは1番から最後まできちんと歌いきることが出来るキー設定にすることが

大切。またそれには今言ったようにチューニングを変える他に、コードを変える、

メロディを変える、高い部分をオクターブ下げて歌う・・・などの工夫が必要になる。

まあ、コードを変えるのはかなり面倒だしロック系だと解放弦を使えないとリフが

弾けないなどの弊害が出る可能性もあるし、メロディはそもそも変えちゃマズイかもってのも

あるので最低限にとどめるべきかもね。その辺は美学の問題かも。

オクターブ下げるのも不自然でなければ、一言で言えばかっこ悪くなければそれでOKだね。

 

10周年記念イベントでAKB48の「ヘビィローテーション」をやったのだが、完全にシャレでは

あるんだけど、衣装も着て気合入れてやった(笑)。中途半端が一番ダサイ。とはいえ歌詞は

覚えられなかったけど(すいません

で、やはり一番考えたのはキー設定。初めはこれで絶対大丈夫って言う安パイのキー設定

だったんだけど、男性の声だとどうしてもあの元気にはじけている感じが出ないんだよね。

これは実は実際に歌ってみないとわからなかった部分。誤算なんだな。

メンバーから指摘されて、なるほど確かに、と思って、もう一つ奥の手で、エフェクトを使って

チューニング自体を変えた。ピッチシフトを使って変えたんだ。弦楽器隊は全員それで対応。

それで何回か色んなキーで試してみた。最終的にはちょっとばかし無理なキーに落ち着いた

んだけど、それはあのキャピキャピ感を一番優先した結果。当然高ければ高いほど女性の

Voに近づくからね。

お祭りライブで、それもAKB48なんて、正直ほぼ出オチで、キーが多少あってなくても

ウケることはわかっていたけど、やはりここまで考えてやることは当たり前だと思うんだよね。

話は変わるけど、俺、アレがイヤなんよ。TVでさ、ものまねなんとかってよくやっていて、

みんな素晴らしいんだけど、コロッケがさ(名指ししちゃうけど)、女性のものまねをするときに

カラオケを使う際にどうしてもキーが合わないじゃん?それでメロディがメタメタになるわけだけど、

それでもお笑い方面で持って行くからいいんだけど、出来ればそこまで計算してあったキーで

ものまねして欲しいんだな。もったいないと思ってね。ま、どうしても異性のものまねは基本的に

声に関してはキーを合わせても難しいだろうけど。