レコーディングのコツを少し書きましょう。
ある程度は仕方ないとして、事前に録る作業はほぼ把握しておくと、一番
楽に進められてお金もかからない。
ただ、ギターなどはライブとは違うフレーズを入れたくなるもので、そうすると、
入れて見ないと予測がつかないなんてことはよくある。
入れてみたら意外とぶつかっちゃってイマイチだった・・・とか、コーラスも
微妙だったとか・・・ありがち。
ま、その辺は実験的になっちゃうのは仕方ないね。
それ以外で、事前に決めておけるものは決めておいた方が当然有利。
その場でアレンジしながらレコーディングなんて、よほど余裕のあるプロでないと
無理だろうね(笑)。
それはいいとして、あまり知られていない(?)かも知れないことに「果たしてどこまで
要求できるのか」ってのがあるね。「そんなことが出来るとは思いませんでした」って
よく言われる。
ま、大雑把になっちゃうけど、ある程度、出来ることや注意点を書いておきましょう。
*パンチインについて
ボーカルに関しては、ほぼ一文字づつ可能。ま、確実ではないけど、結構大丈夫。
バンドの場合だけどね。アコースティック等のバックが静かな演奏だとシビアになるね。
その際のコツだけど、前後を歌った方が自然になじむ場合が多い。
声質はパンチインしたところだけ元気ってのはありがち。そりゃそうだよね、そこだけ
しか歌わなくていいんだから。それと、ありがちなミスが、一行パンチインするとして、
次の行のギリギリまで歌っちゃうってやつ。そりゃパンチインだから可能だけど、より
自然にしたければ、次の行も歌うつもりで<息継ぎ>をした方がいい。じゃないと、
息継ぎなしで何小節も歌ってることになって、不自然に聞こえる場合がある。
それと、あくまでさっきと同じ調子で歌わないと、声が違ってしまってバレる。
マイクとの距離も角度も大事。これが違うと空気感が変わってしまう。
ギターなどの場合は、「サビの頭から4小節だけやり直します」って言って、本当に
サビの頭から弾く場合があるけど、これも前の小節から弾いた方がいいね。
より自然になじむ。あと終わりもそう、パンチアウトするまで弾き続けないと、隙間が
空く。
どの楽器もそうだけど、同じ力で弾くことは一番大事。そこだけ大きくなったり小さくなったり
すると、まあ、直せるけど、余計な調整と時間がかかる。またピッキングの強さによって
音色が変わってしまうとうまくつながらない。
まあ、歌にしろ、楽器にしろ、ブレイクがあれば一番楽に出来るので、ボーカルは
歌詞が途切れているところまでを狙ってやれば確実。ほんの一瞬の息継ぎの部分でも
大丈夫。さすがに「あー」って伸びてる最中のパンチインはちょっと難しいね。
ただ、どうしてもそれをやりたい場合はそれも相談するといいよ。出来ないことは無い。
例えばアコギなどはストロークの途中はまだしも、伸ばしている部分でパンチしたい場合や、
アルペジオ部分でパンチしたい場合、うまくつながる自信がない場合は、俺はよく同じトラックを
作成する。そこで、パンチしたい箇所を弾いてもらう。そのトラックと元のトラックをクロスフェードで
つなげてしまえばほぼわからずなめらかに繋げることが出来る。少し余計に時間はかかるけどね。
同じ原理で、声の場合も出来ないこともない。伸ばしている部分をパンチしたら、パンチした部分で
確実にバレるけど、クロスフェードで徐々につなげれば結構うまくいく。
でもちょっと悲しいのは、苦労して「それ」を作成して、うまくいって「やったぜ」って思ってるのに、
「やっぱり気に入らないのでやり直します、すいません」って言われたとき(笑)。
うん、いいんだよ、パンチインがうまくいこうといかなかろうと、元が気に入らなきゃしょうがないからね。
続きはまた今度!