なかなか厳しい愛のムチブログだったようだけど、何も技術が未熟な人は
音楽をやるなとか言っているわけではない。
自分が何をやりたいのか、とか、自分の力量を知る、どこまで要求出来るのか、
などを自分なりに考えて、ステージに立てばいいのではないかと説明している
つもりなんだけど、わかってもらえたかな。
結局一番大事なのは<自分を知ること>ではないかと思う。
例えば俺個人としては、Voをやる際に、うまいヘタはまずは置いておいて(笑)、
ステージで問題になるのは声量だよね。
で、一所懸命自分なりに考えて、他の人たちや、プロなども見て鑑みて察するに、
まあ、あまりに弱くもないし、かといって強いほうでもないだろうと思い、しかしながら
やはりVoと謳っている人に比べたらか細いんじゃないかと思って、大きい声を出すように
努力し、なるべくマイクに声を拾ってもらえるように自分なりに工夫して歌うようにしてきた。
また、ステージの大きさ、特に都内はT☆ROCKSより狭いライブハウスも多いし、うちの
ドラムは結構音が大きかったから、自分の声がそこまで明瞭に聞こえるとはハナから
思っていない。と言うか、物理的に無理でしょってのはちょっと考えればわかる。
だから自分の声量と、ギターアンプの向き、音量、ドラムの生音、ベースアンプの音量
などを考慮して、モニターの聞こえ方は納得していたね。
モニターの音をこれ以上上げられません、ってのは多分パワーの問題ではないだろう
ってのはすぐわかるでしょ?パワーで解消するなら簡単なんだけど、そうじゃないから
難しいんだ。声より何十倍も大きく鳴っている楽器の音を拾わないで、声のみを拾って、
声のみをモニターから返すって理想的な離れ業を目指しているわけだからね。
ま、それはこっちの仕事だから、ミュージシャンは考えなくてもいいっちゃいいけど、
理屈がわかっていたほうが要求もしやすいでしょ?
頭いい人は、「このモニターからは何が返ってます?」「じゃ、アレは要りません、コレを
少し返してください」なんてやるね。ま、T☆ROCKSくらいの大きさだとだと大体は声の
返しのみでOKだけど。
自分の力量とか声量が大体把握できていれば、どこまで要求出来るのか、また、
楽器の音量なども自分に有利にコントロールすることが出来る。
それを自分の力量がまるでわかっていないから、特に相対的にわかっていないから、
楽器類が爆音で、声量がない人が、平気でもっと自分の声を返してください、となって、
楽器の音も一緒にモニターから返っちゃって余計にステージ内が爆音に・・・などと言う
悲劇を招く可能性が・・・。
相対的に(これ大事)、つまり自分の声量が人と比べてどのくらいのものなのか、
バンドなのか、アコギでのユニットなのか、ジャンルもポップスなのか、ハード
ロックなのか・・・などなど、それぞれのVoの感じを鑑みて、自分なりに研究して
把握しておけば、モニター環境や、バンドメンバーに楽器の音量を指示することが
出来る。
例外としては、大きな会場で、アンプやドラムの生音の影響を受けないくらいの
立ち位置にて歌える場合だね。それくらい広ければ、かなり有利にモニター
環境を作れると思う。
極論になっちゃうけど、ロック系のバンドではある程度の声量がない人は、
いいモニター環境は難しいのは覚悟してくれってことだ。
モニターが悪いこともあるだろうけど、ほぼ自分の声量が問題なんだ。
それと回りの楽器の音量。
実際、ロックバンドで、自分の声を下げてくれって言う声量の大きいVoさんもいる。
卓のコンプレッサーに引っかかりまくりで本当に声でけーなって思うね(笑)。
そうかと思えば、コンプが壊れたんじゃないかって?疑うくらいレベルが上がって
こない人もいる。
そういう人は自分でそれを把握しておいてくれってこと。
またソロでアコースティック一本でやる人で、たまにかなりモニター音量を上げて
いるにもかかわらず「もっと自分の声を」って言う人もいるけど、確かにかなり
弱い人も多い。マイクの使い方もうまくない。と言うか、声が小さいのにマイク
から口が離れすぎている場合も多い。
で、不思議なのは自分のVoを邪魔をしているのは自分のギターだけだ。
他のメンバーやコントロールが難しいドラムの生音でもない。
自分のギターの音量でコントロールするば簡単に解決するのでは?とも思う。
ちょうどいい音量でやりたいのもわかるけど、自分の声量、あるいはマイクの
使い方がマズくて聞こえづらい場合は、唯一コントロールできる自分の楽器を
下げればいいと思う。
もしバンドになったら今より10倍は聞こえづらくなる。それでもみんながんばって
いるんだけど、アコ系の人はモニター環境に関しては随分有利だと思うよ。
まあ、それでも自分の部屋でアコギを弾いて歌ってるわけではないから、いつもと
聞こえ方は違うだろうね。まず、反響しない。音が返ってこないし、音も散って行って
しまうので少し調子は掴みづらいかもね。
それでももっと乱暴に言ってしまえば、アコギなんざ、モニターなくても本当は大丈夫
なんだ。生音と自分の声が聞こえるわけだから。
結婚式の披露宴の余興でモニターなんてないでしょ?あれと一緒(笑)。